July 12, 2008

第288話 派遣会社のマージン

 日雇い派遣の例の会社の倒産以来、派遣会社の利益の内訳がつまびらかにされているが、件の会社の直接労務費を除いたマージンが35%というのはかなり高いマージン率だ。これが25%くらいになってくると、かなり経営は苦しくなる。意外と法定福利費の負担は重く、概ね10%近い。だから25%程度のマージン率で仕事を取ろうとすると、法廷福利部分を誤魔化すとかでもしない限り、会社としてはかなり厳しい。そういう面では日雇いは社会保険への加入もしていないだろうから、やはりボロ儲けだ。しかも今日明日のカネに困っている人は低賃金でも飛びつかざるを得ない。

 日雇いではないが、フィリピンも作業者の派遣が盛んだ。私が関わっていた頃はまさにその緒についた時期で、合法か非合法化のグレーゾーンの中での導入だった。法律の規程を読めばどちらかと言えばグレーより黒っぽかった。法律の趣旨は農場などで仕事の繁忙期がはっきりしている業種のみ派遣が可能、との解釈と読み取れ、通常の製造業は想定されていないようだった。それでも我々は仕事の受注量の波が大きいことを理由に拡大解釈して導入に踏み切った。他の日系企業は「本当に大丈夫?」という目で暫く眺めていたようだ。

 フィリピンでは日本と違い、派遣会社でも広告を打たなくても、応募者が殺到する。仕事が無い国だから当然だ。しかも作業者に関しては完全な買い手市場。常に最低賃金に給料は張り付いている。日本と違い、作業者へのケアなどないから派遣会社の管理者も非常に少ない。数千人派遣している派遣会社に行っても社員は数十名位しかいない。だからマージン率も低く、15%くらいだったと記憶している。問題は6ヶ月継続して使うと、その人を正社員にしなければならないので、契約期間は5ヶ月だった。習熟した頃に去ってゆく、というのがネック。

 一方、我が国では日雇い派遣禁止、という方針が打ち出されているようだが、そうすることでどんなリバウンドがあるのか、政治家の思いつきとは、いつもそんな感じだが、あまり検討していないように見える。pen

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July 02, 2008

第287話 自販機

 数年前から気管支喘息が原因でタバコは止めたので、最近のタスポの話題、自分にとってはどうでもよいトピックスのひとつだ。それでも、我々があって当り前と思っている自販機の存在、こちらの方が今後は話題になりそうだ。報道ではどこでも自販機を見かける国と言ったらドイツと日本が筆頭だそうだ。国民性に類似もあるそうだからさもありなん、といったところだ。

 ところで、フィリピンで自販機を見かけたことがほとんど無い。全く無いわけではない。かなり以前にセブではオスメニャサークルの近くでジュースの自販機らしきモノを見たことがある。同僚に聞いたら、フィリピンでは自販機は使われないだろうという。

 販売者側の理由として、お金や商品が入っているマシンごと盗まれるので販売機の横にガードマンを置かなければならないことと、高い機械を買うより、給料の安い売り子の方が安上がり。

 買う側が機械で買いたくない理由は、お金を入れても多分何も出てこない、だそうだ。納得!

 言われてみれば、我が国ではタバコと言い、飲み物と言い、数十メートルおきくらいに自販機がある。使用電力などを考えればあんなにあちらこちらに無くても良さそうなものだ。

 

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June 28, 2008

第286話 金利

 最近、付き合いのある証券会社を代えるかどうか思案中。大して有益な情報はないし、先日も女性営業担当者の浅はかな売り込みに閉口した。南アフリカ・ランドを盛んに勧めてくる。南アは確かに有望だし、長期的には持つ価値がある。が、「為替手数料はどれくらい?」と聞くと1ランド40銭という。40銭が米ドルなら大歓迎だが、ランドだと3%はある。往復で6~7%だ。提示されている金利は12%。これだけで飛びつくと、その半分は為替手数料で持っていかれる訳だから、カントリーリスクを考えれば全くつまらない。

 最近はそうでもないが、数年前まではフィリピンも金利はなかなかだった。確か8~9年位前は軒並み年利10%以上。ただ違うのは銀行によって金利に相当のバラツキがあったこと。当然、信用ある銀行は低い預金金利でも多くの預金を集める。一方、アブナイといわれる銀行の預金金利は高い。このあたりは母船軍団式の日本の銀行とは違うところだ。あの当時金利が低い(=信用度が高い)銀行はFEB(三井銀行系)で定期預金金利が12から13%くらい。そして何と金利が高い(=信用度が低い)のは政府系PNBだった。確か16%以上の金利が提示されていた。

 安定してこれくらいの金利が本当に得られるなら(そして銀行が破綻しないなら)金利だけで食っていかれるパラダイスなのだが。

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June 26, 2008

第285話 超音波歯ブラシ

 3年間のフィリピン滞在中、外見上変わったこと。まず白髪がドバッと増えた。そういう年になったからなのかもしれないが、ストレスは無関係ではなかろう。何しろ思った通りには動かない世界。最初の半年でめっきり痩せてしまったことも原因は同じだと思っている。もうひとつは、褒められた話ではないが、歯の周りが汚くなった。その頃タバコを吸っていたこともあるが、やはりローカルの安物歯ブラシとトゥースペーストが良くなかったのか。歯に一度ついた汚れや歯石は簡単には落ちない。歯医者に行くのは大嫌い。

 音波歯ブラシが良い、というのは漏れ伝え聞いていたが、何しろ値段が高く、Y田電器あたりでも1万円前後する。ずーっと1本100円の歯ブラシで済ませてきた者には後ずさりさせるに足りる高価なものだ。ところが先日ネットショップで2980円という激安物を発見。送料込みでも3500円程度だったので、すかさず購入。

Photo  早速使ってみたところ、まずは何しろこそばゆい。ウィーンと音はするが、本当に磨けているのか?で終わって鏡を見てビックリ。シャイン!取り敢えず輝きは確かに違う。歯石はすぐには取れないが、ヤニで黒ずんでいたところは少しずつ改善されてきているようだ。ちょうど2週間使ってみたが、効果はそれなりにあるようだ。安物だからいつ故障するか分からないが、今のところ満足感は○だ。

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June 15, 2008

第284話 昨日の地震

 昨日の朝、NHKを見ていたら、「岩手県南部を震源とする地震が発生します。地震発生まで時間はありません。」と画面が切り替わった。ここ首都圏南部ではそれから十数秒後には確かにそれなりの揺れが感じられた。被災地ではほぼ同時に揺れがあったそうだが、これは画期的なことだ。

 まず何と言っても心の準備が出来る。落ち着いた行動をとることができ、最低限必要な動作を行うことが出来る。日頃からやることを決めておけば、数秒で動作を完了することが出来るものだ。

 ちょうど四川の大地震の後だっただけに、その差を感じずにはいられない。さて、フィリピンだったらどうだろうか。技術的な部分での議論はさておき、客観的事実よりも噂や推測だけで直線的に行動してしまう習性、或いは日頃からの慣性でどうにかなるだろうという価値観。その時になってからどうにかすれば良いという日頃の生活の中では快適な行動習慣は、緊急時には被害を大きなものにしてしまいそうだ。

 十数年前に登った焼石岳、そしてその渓谷沿いの夏油温泉。日が暮れるまで飽きずに浸かっていた露天風呂。どうなってしまったのか。

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June 06, 2008

第283話 おから工事

 自宅の近くの幹線道路で、数日前から道路工事が始まった。まだ大して傷んでもいない道路だが、舗装の張替えのようで、ガリガリと数センチの深さで削ったと思ったら、黒々としたアスファルトを今日撒いていた。。まさに工事のための工事、と言った趣で、こういうのを見てしまうと、やはりガソリン税には賛成しかねる。

 それはそうとして、技術的には日本の道路工事はやはり優秀だ。何年経っても傷まないのはすでに当り前として、仕事の納期が早くて正確。一方フィリピンで道路工事といえば数百メートルのコンクリート工事でも数ヶ月かかる。それも鼻歌交じりで寝転がっている作業者を見ていれば納得せざるを得ないが、品質においても、完成して半年足らずで穴だらけ、というのはよくみる光景。雨季になって洪水があると、危ないのは陥没箇所が隠れて見えないことだ。地元のフィリピン人はどこに穴があるか知っていて器用に避けていくが、慣れないうちはそれも難しい。

 四川地震ではおから工事が話題になっているが、セブでも経済界を牛耳っているのは中華系だから、おから工事に関してはフィリピンも負けず劣らず、だろう。「工事の費用が10あったら、関係者がどんどん金を抜いていき、実際に工事に費やされる費用は1しかない」と、フィリピン人からも聞かされたことがあるが、まあ多少誇張はあっても遠からずだろう。

 

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May 29, 2008

第282話 貿易赤字

 ややペソが下げ足を早めている感がある。それぞれの立場によって歓迎材料か否かはわかれるところだ。但し、当のフィリピンにとっては背景が歓迎せざる状況からの動きなら気になる動向だろう。

 ここ最近のデータでもGDP7.4%とASEAN諸国の中でもベトナムやマレーシアと並んで悪くないし、失業率や物価上昇率も比較的安定した推移だった。それでも上記2カ国と大きく違うのはエネルギー資源の有無だろう。既にエネルギーに加え、食料の輸入が額において急上昇している。しかも不安材料は電子部品の輸出入の動きだ。フィリピンでは電子部品の素材を輸入してその加工品を輸出するのだから、最近の電子部品輸入額の減少は電子部品輸出額の減少となって数字に表れてきそうだ。

 そうなると、ただでさえ若干の貿易赤字であった状況は、エネルギーや食料の輸入額が膨らむ中で、さらに顕在化するのではないかと予想される。最近のミニマムウェッジの引き上げもどうかと思う。純粋に労働力の需給バランスの中で自然に上がるなら良いのだろうが、法律で強制的に引き上げるとなると、海外からの投資家の心理も冷えそうだ。

 様々な商品の価格高騰の恩恵に預かる国もある中で、残念ながらフィリピンはどうやら取り残されている印象だ。

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May 23, 2008

第281話 日本からの軽車両

 過日、短期セブに滞在。半分は息抜きのつもりだが、4泊という短い滞在の中にタラタラと用事が不規則に入り込むため、あまり息抜きにはならなかった。まあ、年1回の短期滞在では人と会ったりの用事で時間が埋まってしまうのは仕方ない。

 それでも、1年行かないと、以前とは変わっているものが少なくなく、それはそれで新鮮に見えるものだ。まず、車の程度が良くなっている。これは最近は行くたびに感じることだ。特にピッアップ型の軽自動車や軽ワゴンが増えている。これらのうちの多くは日本からの輸入だ。フィリピンでは一部の車両を除いてクルマの輸入は禁止だから、輸出側の日本で3つか4つに車両をカットする。そしてそれぞれを部品として別々のコンテナで運び、フィリピン側で再び組み立てる。という面倒ではあるが、ちゃんと抜け道があって中古車が輸入されている。勿論、カスタムと仲良しにしていないと、うまくいかないだろう。

 Photo 昨年まではあまり見かけなかったが、今年は何ヶ所かで、軽トラック専門の販売ヤードを見かけた。シューマートの中でも展示販売されていた。12万ペソだそうだ。意外と安い。

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May 16, 2008

第280話 朝礼

 moimoiさんのブログではラジオ体操を通してのウォッチングが語られていて、なるほど、と思った。

 フィリピンの人たちは例外はあるものの時間にルーズな人が多いことは否めない。始業時間でもそうだ。特に管理部門は製造現場と違って全員が一斉に動きを始めるということがない。だから、朝、始業時に全員が席にいなくても、特に不思議な光景ではない。どこかで何かの仕事をやっているはずだ、と善意に解釈すれば、である。

 どうも怪しい。本当に定時に全員が来ているのか?総務部長のTに聞いても「大丈夫です。勿論遅刻せずにみんな来てます。」と言うが本当かな?

 会社の始業は8時だ。マネージャ数人と相談して、毎朝朝礼をやることにした。管理者持ち回りで伝達事項や言いたいことを3分間でやる。これには必ず全員参加を義務付けた。するとどうだろう。遅刻してくる社員が一目瞭然に分かるのだ。遅刻してきた者は途中から参加するのもバツが悪く、朝礼の輪の中に入れない。

 もうひとつの効用は、各マネージャの論理構築力が話の筋道や引用などで見えてくることだ。彼らの中にはスピーチは勇ましいがよく聞けば中身がカラッポということも少なくない(最近は日本人も対岸の火事ではない)。これは3分間のスピーチで充分に見えてしまう。

 始めのうちは不評だったこの朝礼は、互いの切磋琢磨にも役立っていたようだ。

 

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May 13, 2008

第279話 黄色い電柱

 昨年セブに行った時も、「何だろう?」と思ったが、今年も見てみるとやはり「何だろう?」と思ったのだが、地上から2メートルくらいの高さまで黄色く塗られたあの電柱は何なんだ??例の国際会議の頃かららしいが、何のため?

 地元のフィリピン人に尋ねてみても答えはマチマチで、「黄色は目立つからドライバーが電柱にぶつからない為さ」とか、町を美しく見せる為だよ」とか「さあ知らな~い」だったり。ドライバーにとって目立つためなら、夜間なら白の方が効果が高いし、美観について言えば、あのケバケバしい色、どこが美しいの?塗り方もぞんざいだし、そもそも曲がった電柱そのものが美観を損ねている。

 ロシアや満州辺りでは街路樹の下部1mあたりを消石灰が塗られている光景を見かけるが、これは害虫防除という目的がある。それに比べて黄色い電柱はどういうつもりなんだろう。まあ、どうでもいいことだが。

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