第288話 派遣会社のマージン
日雇い派遣の例の会社の倒産以来、派遣会社の利益の内訳がつまびらかにされているが、件の会社の直接労務費を除いたマージンが35%というのはかなり高いマージン率だ。これが25%くらいになってくると、かなり経営は苦しくなる。意外と法定福利費の負担は重く、概ね10%近い。だから25%程度のマージン率で仕事を取ろうとすると、法廷福利部分を誤魔化すとかでもしない限り、会社としてはかなり厳しい。そういう面では日雇いは社会保険への加入もしていないだろうから、やはりボロ儲けだ。しかも今日明日のカネに困っている人は低賃金でも飛びつかざるを得ない。
日雇いではないが、フィリピンも作業者の派遣が盛んだ。私が関わっていた頃はまさにその緒についた時期で、合法か非合法化のグレーゾーンの中での導入だった。法律の規程を読めばどちらかと言えばグレーより黒っぽかった。法律の趣旨は農場などで仕事の繁忙期がはっきりしている業種のみ派遣が可能、との解釈と読み取れ、通常の製造業は想定されていないようだった。それでも我々は仕事の受注量の波が大きいことを理由に拡大解釈して導入に踏み切った。他の日系企業は「本当に大丈夫?」という目で暫く眺めていたようだ。
フィリピンでは日本と違い、派遣会社でも広告を打たなくても、応募者が殺到する。仕事が無い国だから当然だ。しかも作業者に関しては完全な買い手市場。常に最低賃金に給料は張り付いている。日本と違い、作業者へのケアなどないから派遣会社の管理者も非常に少ない。数千人派遣している派遣会社に行っても社員は数十名位しかいない。だからマージン率も低く、15%くらいだったと記憶している。問題は6ヶ月継続して使うと、その人を正社員にしなければならないので、契約期間は5ヶ月だった。習熟した頃に去ってゆく、というのがネック。
一方、我が国では日雇い派遣禁止、という方針が打ち出されているようだが、そうすることでどんなリバウンドがあるのか、政治家の思いつきとは、いつもそんな感じだが、あまり検討していないように見える。![]()


