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July 15, 2005

第22話 キュウリはどこへ消えた!(その4)

ニッポンから来た一行が応接に通され、フィリピン社長から説明が始まった。中身はこうだ、1000t分の種をもらい、自前の農場と近隣の農民に種を配り、作付けを依頼した。農民いわく、台風がたびたび訪れ全滅になったという説明をしているという。確かにフィリピンは台風銀座だ。しかし台風の来ない季節を選んで栽培をさせたはずではなかったのか。社長はこの国ではよくあることだが大変申し訳ないと頭を下げた。後で聞いた話だが社長の想像ではこうだ。キュウリはフィリピンでは他の野菜より高値で流通している。農民は市場相場の高いところへ横流しをしたか、種ごと横流しをしてみんなで分配したかだろうと語っていた。
 それにしても不思議なことは、社長もまったく気がつかなかった事だ。作付けの状況とか、何のチェックもしなかったのか。この社長もフィリピン化した日本人の典型か。ノーチェックでオーケー、オーケー、ノープロブレム。
 ニッポン側は1ヶ月おきに栽培の状況を現地から送ってもらい、写真やデータまで添えてきたのだ。社長も見ているはずだし、社長も含めてだまされていたのか。だまされていたとすれば社長を除いて会社ぐるみでの詐欺である。この国は社長も騙すのか。そして言い訳にならないような言い訳を平然と語り嘯く、この後長い長い沈黙の時間が流れた。現地の担当者を怒鳴りつけたい気分ではあったが、下請け会社の社長がこう言った。フィリピンの人は人前で怒鳴りつけると命の保障はないよ。ここはがまんしたら・・・。よく言うよ、そんなあんたは自分の会社の原料だと人目をはばからず怒鳴っていたではないか。S君はいつも見ていたのだ。
 忠告もありここは冷静に聞くことにした。この地で後2日の予備日を取っていたが仕事がない。S君は今回の事件について自分の責任範囲を一応考えてみた。正直今回のフィリピンは勉強のために連れてきてもらったもの、S君の責任はないと思いまずは一安心。しかし実際に仕入課長は役員にどのような説明をするのだろうと考えながら床に就いた。

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Comments

なるほど、こういうオチだったのですね。
何とも納得のいかない事件ですね。
確かに明らかに嘘と分かる言い訳がものすご~く多いのがフィリピンだと思います。ビジネスの上でも都合の悪いことは何とか誤魔化そう、誤魔化そうとしているような感じがする。
人前で叱るのがダメだとうのも聞きましたが…じゃあどうすればいいのだ、という感じですよね。

Posted by: 鈴音 | July 17, 2005 at 02:02 AM

鈴音さんもフィリピンと今後も関わる訳ですから、きっと楽しい(騙される)ことがいっぱいあると思いますよ。

Posted by: 富嶽庵 | July 17, 2005 at 10:49 AM

Thank you for the good writeup. It in fact was a amusement account it. Look advanced to more added agreeable from you! However, how could we communicate?

Posted by: free music downloads | February 27, 2015 at 10:23 PM

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