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August 30, 2005

第36話 セブの台風

 今年も関東地方めがけてやってくる台風が多い。画像で見るとアメリカのハリケーンも半端じゃない。そんな時思い出すのがフィリピンでの台風だ。セブはいつも微妙に台風の進路からそれるので、3年間いて、吹き荒れるような台風を私は経験していない。それでも、フィリピン東方海上は台風の生誕地である。サマール付近に近づいてくると、シグナル1~4といった表示で強弱が表され注意を呼びかけるようになっている。
 シグナル1では、そよ風が吹いて雨が降り続くといった程度。シグナル2になると風も確かに少々強くなるが、日本の冬の季節風の方が断然強風だ。雨量は発表されないからよく分からないが、セブあたりでは大した雨量ではない(洪水になるのは雨量の問題だけではないだろう)。なあんだ、大したことないじゃないか。
 シグナル2と警告された台風が近づきつつある時、総務部長が、製造現場以外の社員を自宅に帰らせたい、と言ってきた。
「えー、ただ雨が降っているだけじゃないか。」
「でも、シグナル2が出ている。」
暫く考えたが、製造現場は帰させない訳だし、提案は許可しないことにした。
 が、翌日朝、通勤途中の風景を見てびっくり仰天!多くの木が倒れ、屋根を飛ばされている家もある。あれっぽっちの風で何で??滅多に強い風が吹かないから、家の造りもいい加減なんだろうけど(倒れたらまた建てりゃいいや、という感性もありそう)、あれだけ多くの木が倒されていたのは驚きだった。が、しかし倒れている木に目をやって納得。根っこがちょこっとしかないのだ。これじゃちょっとした力の作用で倒れてしまうのも致し方ない。雨なら毎日ほどほどに降るから木も一生懸命根を張る必要がない。何の根拠もない勝手な類推だが、きっとそうに違いない、と納得してしまった。

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August 28, 2005

第35話 焼売ならゴールデンシティ!

 先日、冷凍食品のシュウマイを食べながら、なんで日本のシュウマイってこんなに不味いのだろう、と不思議に思った。似たようなものでも、餃子ではこれでもか、と言わんばかりに進化を遂げこだわりの一品が登場してくるのに、可哀想なくらいシュウマイにはその兆候が見られない。そう思いながら、思い出すのはセブで食べたシュウマイたち。
「ゴールデンシティ」というチャイニーズレストランは州庁舎からオスメニアサークルに向かう中ほどにあるのだが、お世辞にも高級そうな店構えでなく、外からでは中華料理店のようにすら見えない。そのせいかそこでは日本人客に出会ったことも殆どなかった。
 さてシュウマイ。その当時デジカメを持っていなかったので写真がなくて恐縮だが、見るからに美味しそうなのだ。ワゴンに蒸篭を乗せてウェイターが客のテーブルを廻って売りに来る。何種類もあるので、客は蓋を開けて中を見て気に入ったらその蒸篭を取る。好みでホットソースをチビチビつけながら食べるが、とにかく美味しいのだ。日本のシュウマイは中身の餡がやたらペースト状態に誤魔化されていて、しかも余分な香辛料がかえって食欲を減退させる。其れに引換え、ここのは粗引きの豚肉で歯ごたえもよく、中華風のスープの味も閉じ込められていて、日本のものとは全然違うのだ。日本からの客人を何人となくここに連れて行ったが、誰もが「今まで食べたシュウマイの中でここのが一番旨い!」と言うではないか。蒸篭ひとつに大粒のものが3個か4個入っていて、たしか25ペソくらいだった。普通の中華料理のメニューもあり、これでもか、というくらい食べて飲んでひとり300ペソ以下だったと記憶している。
 暫く行ってないので、以前のままその店があるのかどうかわからないが、思い出した以上、今日にでも飛んでいって、あの、肉汁たっぷりの旨いシュウマイを食べたい!

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August 27, 2005

第34話 フィリピンのヘンな銭湯

 私は行ったことがないが(当時なかったから)最近セブについて情報発信されているHPで“楽”という岩風呂付き居酒屋について人から聞いたことがある。私が居たときにあれば絶対行ったはずだ。それくらい、セブにいると湯船に浸かることが懐かしくなる。ガイサノの裏の何とかと言うスパランドみたいなところには何度か行ったが、今ひとつ。ここでは台湾式?垢すりで何度かお世話になったが。
 さて知人で似合わぬ口ひげの宮様は当時マニラ在住、フィリピン在住暦足掛け7年のベテランだ。私は仕事上の所用で度々マニラに行ったが、大体彼に世話になっていた。彼に連れて行ってもらったところで、なかなか面白いお風呂やさんがあった。(ちゃんとした風呂屋です!)ジャグジーもあるが広い湯船で、洗い場も充分なスペースだ。日本の銭湯と違うのは女サンスケがいることだ。Tシャツ短パン、年は18くらいの娘たちが待機している。心得たもので客が蛇口の前に座ると、すーっと現れる。そして、一言二言交わした後、持っているスポンジのようなもので客の体を洗い始める。
 さて、例の部分は?ちゃんと仕事します。問題は手洗いであること。しかも丁寧に(小生の記憶では1~2分)。
隣のオヤジも目をつぶりながらClean upしてもらっている。そう、妙なこと考えると紳士のタシナミから外れてしまうので、皆仕事のことでも考えながら気持ちをそらしているのだろう。私の場合も早くこのclean up が終わることだけを祈っていたものだ。その気持ち、分かりますよね!
 チップは50ペソだったかな?宮様はここの常連のようだった。ロハス通り?のブルーバードヘルスクラブだったかな?はっきり覚えていないし、今もあるのかどうかも知らない。はっきり覚えているのは短パンの少女が一生懸命手洗いで仕事をしていたことだ。

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August 25, 2005

第33話 フィリピン人は目立ちたがり

 最近ここでご登場願ったG♂氏から、こんなこともありますね、とメールが届いた。フィリピン人の目立ちたがりは、スピーチのみならず、カラオケも、と。言われてみればその通り。感情を込めて聴衆を惹きつけるように彼らは歌う。完璧なまでに主役になりきっている。会社行事のパーティでもいつも出演希望者が多く、ふるい落とすのが大変なくらいだ。日本人はどこか恥ずかしさを感じながら歌ったり演じたりするから、どこかぎこちなく、カタい。ガイサノやSMでも人前で歌うことが大好きな彼らは順番待ちで長蛇の列をなしていたものだ。元来、ダンスは天才的にうまいから、歌だけでなく視覚的にも見ていて充分楽しい。
 かたや、フィリピンを含む東南アジア各国と韓国、中国の混成パーテイではフィリピン人はおとなしい。フィリピン人は知らない世界に入り込むときに少し引いてしまうところがある。ここで我が物顔でパーティジャックに及ぶのは韓国人である場合が多かった。歌は大してうまくないがカラオケマイクは占領して離さないし、こちらはやや傍若無人。
 ロシアでもカラオケは人気だ。ウラジオストクの公園では1曲いくらか知らないが、朝からヴォッカ?で酔っ払ったロシア人ががなりたてていたのを見たことがある。

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August 23, 2005

第32話 フィリピンスタイル

 フィリピンスタイルでパーティをやると、頭を悩ますのが参加人数だ。招待者以外の人達が突然やってくる。ホームパーティなら予め余分に食べ物を作ればよく、上乗せ費用は微々たるものだ。ところが、それなりのレストランでやるならば、人数は相当綿密に予測しないととんでもない金額になってしまう。
 さすがに会社主催のオフィシャルなパーティだと奥さんは連れてきても子供まで連れてくる人はいない。ところが少し砕けたパーティだと、来るわ来るわ。間違っても高級な日本食レストランなぞではやらないほうがいい。日本食=高い=千載一隅のチャンス、とばかりに兄弟や従兄弟まで。料理の追加を頼む羽目になり、主催者は真っ青だ。刺身が美味しければ、「注文してもいいか」と私にとっては見ず知らずの“友人の従兄弟”が聞いてくる。「ダメだ」と言える日本人はなかなかいない。迂闊にパーティはできぬ。
 現地の人に聞いたら、誰それまでの参加可能、ということを予め宣言しておいても特段失礼には当たらないそうだ。むしろ、最初からあなたとあなたの奥様を招待します、とはっきりさせておいた方が、お互いのためだろう。

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August 22, 2005

第31話 フィリピン人はスピーチが得意

 フィリピンの人達はパーティが好きだ。そして徹底的に楽しむ。考えてみれば日本人のパーテイは形式的なことが多い。楽しむために参加するというより、主催者に対する義理で出る、といった感性が捨てきれない。
 まずお祈りから。これは宗教的なものであり、現地では我々も従うだけである。そして幹事が挨拶し、主賓者らしきものが続いて挨拶する。こう言えばわが国とほとんど変わらない。明らかに違うのはスピーチ。義理で渋々定番のフレーズを喋っているのか、ここぞ自己PRの場と捉えて自信満々に話すのか、ということだ。どうして彼らのスピーチが自信に満ちた魅力的なものに見えてしまうのか。
 様々な人達のスピーチを聞き、そしてその人達の行動を見て合点がいった。日本人は恥の文化に染まっているから、言行一致を旨とする。日頃の行動と真反対のことはなかなか言えないものだ(最近そうでない人も増えているようだが)。しかしフィリピンの人達にこの感性を求めるのはナンセンスである。彼らにとってはその時のパフォーマンスが最重要課題だ。だから中身でなく、如何にスピーチが勇ましく格好良かったかがポイントなのだ。大げさなジェスチャーも交え、まるで大統領にでもなったかのような振る舞いだ。日頃の仕事のパフォーマンスはスピーチで喋っていることとズレまくっているのに、スピーチそれ自体は私のものより断然カッコいい。

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August 20, 2005

第30話 反省!?

 日本国内では自殺者の数が年々、増大の一途である。特に中高年の男性に多いそうだ。様々な理由はあるにせよ、自らの力ではどうすることも出来ないと判断した挙句の、追い詰められた最後の苦渋の選択だ。しかも責任感の強いタイプに目立つと言う。
 大体において、最近の日本人は何か不都合があると、誰の責任だ!とやたら他人を追い詰める。じゃあ、その正論を振りかざしているやつは毎日立派な所業で暮らしているのか。
正論で有利な立場に立った者は鬼の首を取ったように刀を振り回す。マスコミの論調も大体においてそいつらの味方だ。まあ、これは会社の中でもよくあることだ。
 さて、フィリピンでは。何か不都合が起きても、仲間内なら「仕方ないさ」。これが良く見られるコンクルージョンだ。失敗をシデカシタ仲間は全体でかばう。厳しさが薄いから同様なことは何度でも起こる。
 日本語が達者なマネージャに尋ねてみた。
「ビサヤ語で“反省”ってどう言うの?」
暫く考えて、彼曰く、
「Reflection!」
「それは英語だよ、ビサヤ語では?」
「・・・ビサヤ語には無いかも知れない・・・」
反省をするという概念がないから、元来その言葉がない。複雑な気持ちだが、日本人も少し真似してもいいかも知れない。(中にはフィリピン人以上のレベルで実践している厚顔の諸先輩もいるが)

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August 18, 2005

第29話 フィリピン人は噂好き(3)

 ついでと言っては何だが、噂に踊ってしまう国民性でもうひとつ思い出した。今年の1月にセブを訪問した時のこと。現地の日本料理屋で日刊マニラ新聞を読んでいたら、こんな記事があったのを記憶している。掻い摘むと、こんなことだ。
 場所はミンダナオのどこだったか?携帯のテキストメールで首謀者は「津波が来るぞー」と噂を流す。真に受けた受信者はこれは一大事と周囲を巻き込んで大騒ぎとなる(彼は一味ではない)。周辺住民は命からがら高台に避難する。待てど暮らせど津波は来もせず、住民が家に帰った時は、家財道具は一切なく、それこそ津波が襲ったかのごとく蛻の殻、ということだ。年末のスマトラ沖地震はフィリピン人にも大きな衝撃だったそうで、地方の海沿いの集落がセンシティブだったであろう事は推察がつく。
 この記事を見た日に、知り合いのビジネスマンに日系の新聞にこんな記事が載ってるよ、と話したら、彼は笑いながら
「Oh, yes, It’s our new business!」。

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August 17, 2005

第29話 フィリピン人は噂好き(2)

 フィリピン人は噂好きであるとともに、噂をそのまま信じてしまう傾向がある。ところでマクタン第2ブリッジは見た目なかなか美しい橋だ。日本のODAにより完成したが、袂には地元の有力者フェルナン氏(元最高裁判所所長)の像が建っている。
 さて、橋が開通して数日後大勢の群集が毎日のようにカッターを持って集まってきたのだ。何故って?誰かがふざけてこの橋は18Kで出来ていると噂を流したのが発端らしい。確かにワイヤーを覆っている金属パイプの部分は金色をしている。
 それから暫くの間は、確かにこの橋に監視小屋が建ち、怪しい行動を監視員が見張っていたようだが、カッターで相当キズをつけられてしまったそうだ。そんなことあるまい、と思うのは我々日本人の感性と思うことなかれ。日本人だって似たようなものだ。どこそこの川で膨大な砂金が採れるとでも噂を流してみるがよい。笊をもった連中が集まってくること請け合いだ。

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August 16, 2005

第29話 フィリピン人は噂好き

 最近、小学校でも教えているのかどうか知らないが、数十年も前のこと、理科の実験で糸電話に随分と興奮したものだ。まあ、情報伝達の手段としては超原始的なツールだ。
 フィリピンでは、今でこそ収入がない人でも携帯電話を持っている昨今ではあるが、私が滞在していた初めの頃は、セブでは携帯電話はほとんど普及していなかった。固定電話を持っている家庭などは勿論稀だった。そんな頃でも噂話の伝播は驚くほど早く、とても不思議に思ったものだ。そして瞬く間に広範囲に広まっていくのだ。一体どうやってこんなに早く、そして遍く噂が広がるのだろうと、痛く感心すると共に件の糸電話のことを思い出したものだ。
 さて、今では既に早くも傷みが露呈しているマクタン第2ブリッジ。開通は1999年8月、MEPZの主要な企業の代表が開通式に招待され、私も代理ではあったが、炎天下の中出席していたので、この橋は非常に思い出深い。今は獄中のE元大統領と当時の駐比A大使がオープンカーで渡り初めをしていた。(例によりフィリピンタイムで確か2時間くらい遅れてきた)
 それはさておき、数日後にはこの橋はとんでもないことになった・・・

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August 13, 2005

第28話 フィリピン人の才能(その2:同時進行)

 フィリピンの人達は総じて器用だ。豊富なアイデアをどんどん試しにかかってくる。が、よーく見ているとアナログ的だ。ひとつのことをやったら次のことに取り掛かる。それはそれで悪くはないのだが、もう少し手際よくやって欲しいと、せっかちな日本人は感じてしまうことが多い。
 私が住んでいた家ではガスレンジには4つのガス台がついていた。まあまあの家庭ではこのタイプのレンジがフィリピンでは普通だ。当たり前のことだがフィリピンでは一年中暑い。日本人の面倒を見るメイドは私たちが素麺や冷し中華を好んで食べることを良く知っている。それに添える具材についても一通り教えた。
 結果について言えば、要求どうりの見栄えで出てくるのだが、今ひとつなのだ。原因はやがてわかった。例えば冷し中華。まず麺を茹でる。彼女はガスレンジの前で3分間ひたすら鍋を見つめている。冷すための水は麺を茹でた後から用意している。冷水は最初に用意して欲しいが、ここまでは順番を変えれば問題ない。問題は錦糸玉子の玉子焼き。茹でた麺を冷してから玉子焼きの製作に取り掛かるのだ。待っている方は、もう卵はいいから早く食わせろ、という心境になる。麺を茹でている間に卵と冷水の準備くらいしてくれ。何のためにガス台が4つもあるんだよ。
 同僚のフィリピン人に聞いたら、大体においてフィリピン人は同時に幾つかのことをやろうとすると混乱してしまう、と彼は言っていた。なるほど。それ以後、冷し中華を作る際には、具材を最初に用意して麺は最後に茹でるようメイドには指示した。

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August 08, 2005

休暇

 日頃よりご訪問戴き有難うございます。
今日から土曜まで南アルプスを歩いてきます。
ブログの再会は日曜からの予定です。

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August 07, 2005

第28話 フィリピン人の才能と数字力

 フィリピンの人達の発想の豊富さには驚かされたことが多い。とにかく色々なアイデアが、それも的外れなものでなくポンポン出てくるのだ。このような能力はイベントのアレンジや会議での様々な発言で私自身もかなり参考にさせてもらった。思うにIT技術者として彼らが脚光を浴びているのもこのような資質と無関係ではなかろう。
 それと、記憶力に関して言えば、平均的には日本人より遥かに優れていると断言できる。いつ誰が何を言ったか、相当正確にいつまでも覚えている。特に画像情報のメモリーは相当なものだ。こちらは覚えていなくても相手は良く覚えていて、随分とあちらこちらで知らない(と思っていた)人から挨拶されたものだ。
 ところが、数字が絡んだ感性について言えば、あれっ、と思うことが随分とあった。彼らは集計した数字の検算はほとんどやらない。タテヨコがあってないデータを随分とよこされた。極端な時は桁が一桁や二桁合ってなくても気がつかない。結果の数字が想定外なものなら、そこで気づいて欲しいのだが。
 ある時、日本に研修に行く工程の班長約20名程の作業靴を用意することになった。靴のサイズについてはフィリピンではインチ表示が主流だが、日本で用意してもらうので、cm表示で各人別に調べておいてくれ、と総務部長に指示してあった。
 数日して彼がよこしてきた調査結果を見れば、腰を抜かした者は私一人ではないだろう。下は6.5から上は27.0まで、足のサイズがこんなに千差万別なんて事があるものか!
「Didn’t you notice something strange?」
私が物差しで、6.5センチはこんなものだと示すと、しばらくして総務部長、
「・・・Ah! Some of them are reported as inches!」
それにしたって6.5インチじゃ子供の足だ。そんなサイズの作業靴など日本では売っていない。つまるところ、数字を見て、これはヘンだぞ、という感性が薄いのだ。
 彼が出す数字絡みのものは、全て電卓を叩いて私が検算したのは言うまでもない。

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August 05, 2005

第27話 フィリピン流挨拶

 仕事上でもフィリピンの人達と親しくなってくると、必ず聞かれるのが
「Do you have girlfriends?」または
「Do you have a wife?」とくる。
ワイフと言っても彼らが意味しているのは勿論現地妻のことだ。
余ほど日本人はパロパロと思われているのか、特に深い意味は無い質問なのか、いまだによく解らない。
 驚いたのは、半ば公の面接でも聞かれたことだ。アルタビスタというセブ郊外のゴルフ場のメンバーになるときに、面接試験で最初に聞かれたのが
「How many girlfriends do you have?」である。
想定外の質問で随分と慌てたものだ。
「still searching.」と適当に答えたら、
「Oh! ok,ok, I will introduce some beautiful ladies to you.」
まあ、一応面接を受ける立場だから、話を合わせる外ないが、ゴルフに関する質問は一切なかった。
 あるとき、日本の本社から所用でやってきた役員を見送るため、マクタン国際空港に行ったときのことだ。出発時間まで少しあったので、空港長の部屋を訪れた。この空港は代々名門オスメニャ家のテリトリーで、空港長もそのファミリーである。私も何度か一緒に食事したりしていたので、空港でも見つけると、彼は良く声をかけてくれた。
 さて、役員と空港長が名刺交換をしたあと聞かれたことは、
「How many days have you stayed here?」
「3 days.」と役員。
「3 days? So, you got some girlfriends?」と聞かれ、目が点になった役員。
「おいおい、○○君、どう答えたらいいんだい?」

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August 04, 2005

第26話 チョロまかし(その4)

 フィリピンではアンダーテーブルは日常的なことで別に驚くほどでもないのかも知れないが、事実を知ってしまえば、放っておくわけにもいかないだろう。幹事役の彼はケータリング業者にあることを持ちかけた。食材は注文の80%用意してくれればいい。その代わり10%分は俺によこせ、と言ってきたそうだ。業者は取敢えずは自分も儲かるから応じたのだろう。このあたりにもフィリピンの人達の価値観が表れている。日本人なら、バレたときの将来にわたる損失とを天秤にかけて考えるだろう。
 マニラにある日系企業の管理部門の方は言う。
「細かいことはモグラ叩きのようなもので、きりが無いから、知らんぷりしてますよ。でも、鳥は手に乗せりゃ肩に乗る、肩に乗せりゃ頭に乗る。とんでもないことをやってくれたやつもいますよ。経理のマネージャ自らですよ。」彼の話によれば・・・
 会社の規模や業種にもよるが、材料を仕入れてモノを作り、売って後から代金回収をする流れからは、通常、運転資金は月の売上高より多い金額で持っていなければ、資金ショートの危険と背中合わせになる。そうなると、業績順調な企業では現金を中心とした流動資産はそれなりにあるはずだ。毎月の現金水位のボトムラインを知っている件の経理マネージャはこんなことをやっていたそうだ。大きな金額の入金があると彼は自分の定期預金口座にいくらか金額を移す。そして、月末には会社の口座に戻す。月末の帳尻は合っている訳だから、ほどほどの金額でやれば誰にもわからない、ということだ。勿論、銀行側の誰かとツルんでいなければ出来ないことだ。(チクられてバレる)要は会社が受け取るべき利息の何割かをちょいと失敬したわけだ。それでもその当時の定期預金の金利は少なくて12%、危なっかしいと言われていたフィリピン・ナショナル・バンクでは16%くらいだったから大変な金額を抜き取られたことになる。
 その後彼の会社でそのマネージャがどうなったのかは知らない。

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August 03, 2005

第26話 チョロまかし(その3)

 抜き取りの変わった手口をもうひとつ。この国では何かあるとパーティだ。それはそれで楽しいし、エンターテイメントに関する感性は間違いなく我々日本人の数段上をいく。さて、会社主宰のパーティである。事の仔細を日本人である私が組み立ててプロデュースすることはほとんど不可能。とてもつまらないパーティになること請け合いだ。しかし、ここで幹事役よろしくガンバル彼には注意が必要だ。
 まずパーティと言えば食べ物。日本でも一般的だが、ケータリングの業者に依頼することになる。日本人はあまりガッツクことは美徳とせず、参加人数の8掛けで予算を組むことが多いだろう。政治家の先生方のパーティは5掛けとも聞く。要はカネだけ払って参加しないのだ。ところがフィリピンではこうは行かない。参加者は取り皿に富士山のように食べられないほど料理を盛って取っていってしまうので、バットの中は瞬く間に空っぽになってしまうのだ。10掛けでもこんな状況だ。
 ある利益目標を達成した時、社員に報いようと会社では記念パーティを催すこととなった。パーティが始まって暫くしてどうも奇妙な雰囲気に気づいた。パーティでは参加者のうち半分は料理を全く口にすることが出来なかったようなのだ。直感的に私はケータリング業者が材料を間引いているに違いないと思った。確たる証拠はなかったが、当然そのような業者は次回からは使えない。
 さて数ヵ月後、会社の運動会の時期になった。総務の幹事役は全体のプログラムと共に必要費用の見積りを持ってきた。何とまた例のケータリング業者の名前がそこにある。私は前回のことから、その業者は疑わしいので、他の業者の見積りも取るように命じた。それから数日経ってからのことだ。件の業者の社長は直接私に話をしたいと言って、会社にやってきた。彼は泣きそうな顔で訴えてきた。その話とは・・・

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August 01, 2005

第26話 チョロまかし(その2)

 木屑の場合はもう少し巧妙だった。工場内では部材や設備の搬入に伴い、いつも木枠をバラした後の木屑が大量に発生していた。フィリピンでは金属屑と同様に結構な値段で木屑も外部に売却され、主として家具の材料に使われる。古紙でもやるのだから、木屑も何かあるに違いない。そう睨んでいたが、数量は古紙と違って、看貫で公式に量ったはずだから誤魔化しは出来ないはずだ。
 ある時、ちょうど木屑を積込むためのトラックを見かけたので、積込む状況をスクラップエリアで私はしばらく観察していた。その時は特に疑問と思われる出来事も無かった。積みきれなかったと思われる若干の木屑を残して、トラックは事業所の外にある看貫所に向かって出て行った。看貫を終えるとトラックは再び工場に戻ってくる。計量したスリップを運転手から受け取り、一連の作業は終わりである。総務課長が「さっき積んだ分の検量票です。」と言ってスリップを私に見せた。その時、私はもしやと思い、スクラップエリアへ直ちに足を運んだ。
 ちょっとヘンだ。検量は終わったはずなのに、また積荷作業をやっているではないか。しかも総務の者までそこにいる。
「おい、何をやっている。」
「積荷が荷崩れしないように積み直しています。」
さっき、積み残してあった木屑を追加で載せたかどうかは、はっきりとは分からない。しかし、状況からは疑うのに充分だ。この手を使えばスクラップは事業所からいくらでもタダで持ち出せるわけだ。旗色が悪いと察知して、運転手は積みつけ作業をやめてそそくさとトラックを走らせた。どの範囲の者までが共謀者かはわからない。
 気づかないところで、他にもこの類のことはいくらでも行われてきたに違いない。

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