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October 30, 2005

第58話 ニワトリ君ゴメンね

 赴任中、始めの1年間滞在していたドミトリーでのこと。ある時から近くでニワトリの鳴き声が耳につくようになった。ビレッジの周囲には庶民の生活があるのだから、以前から毎朝大合唱は聞きなれていたが、随分と近くで聞こえるのだ。気になりだしてから1週間ほどしてその泣き声は一段と大きくなり、夜明け前からうるさくて寝ていられない。下を見たら(私は2階にいた)いつの間にかそこでニワトリが囲われていた。メイド達(3人いた)がニワトリを1羽飼い始めたのだ。
 メイドに尋ねたら、それまで建物の反対側で飼っていたが、同じくドミトリーの同僚で私の部屋の反対側のN氏(その時は彼の部屋の下でニワトリを飼っていた)からうるさいとクレームがあったので、建物の反対側(今度はちょうど私の部屋の下)に囲いを移したと言う。彼がうるさいと感じるのだから、私にとってもうるさい、と伝えたら、申し訳なさそうな残念そうな、複雑な表情をしていた。
 翌日から、夜明け前にニワトリに起こされることはなくなった。どこかに連れて行ったか、売り払ったのだろう。売るとすれば、1羽がいったいいくらで売れるものなのか気になったので、数日ほどしてからメイドのLに尋ねた。
「あのニワトリは誰かに売ったのか?」
「あー、あれなら昨日の晩御飯であなたも食べたでしょ。」
ゲッ、確かにうるさく迷惑なニワトリだったが、食べてしまいたいほど憎んだわけではない。ニワトリ君の死刑宣告をしてしまったということか。

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Comments

日本人の感覚だと、飼っている動物にはどうしても情が移ると思うのですが、こっちの人はあまり気にしないのですかね。
で、ニワトリのお味のほうはいかがでした?(笑)

Posted by: dragonfly | October 30, 2005 at 01:39 PM

あの心優しきおばちゃんたちが、チョンと首を刎ねていたのかと思うと・・・

Posted by: 富嶽庵 | October 30, 2005 at 09:17 PM

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