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January 31, 2006

第85話 価値観の違い(2)

 総務課長はドライバーAと話した後、私のところに頭を掻きながらやってきた。
「いやー、彼がですね、今までどおりドライバーの仕事をしたいって言うんですよ。」
我々日本人の感性からは理解できない反応である。総務課長は続けた。
「おカネらしいんですよ。ドライバー特に彼は夜の接待などの出動が多いし、休日出勤も多いので、基本給は低くても結構稼げます。実際に彼は毎月1万5千ペソ近く収入があります。スーパーバイザーになるよりも、ドライバーでいた方が給料が多いんですよ。」
「今はそうでも、ドライバーでいる限り基本給はもう上がらないぞ。職位が上がればこれからの昇給だってあるじゃないか。」
「フィリピン人は先のことより、今が大事なんですよ。」
それじゃ例のサルとバナナの話の通りじゃないか。
 それでも実直なAは我々の配慮は感じ取ってくれて、職務分掌にないことでもいやな顔もせず、今まで以上に動いてくれた。フィリピン人は体面を重視するが、金に関することではそれ以上にセンシティブなようだ。

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January 29, 2006

第85話 価値観の違い

 仕事を進めていく過程の中で、様々なファクターが重なって夫々の人の仕事に対する捉えようや、進め方は変わってくる。能力や知識、経験は勿論であるが、フィリピン人に関して言えばさらに違った要素を加味しないと、彼らの仕事に対する価値観は理解できない。体面や名誉、クラブメンタリティ、カネ、そして最も重要な家族などの要素が仕事の中でストレートに表面化し、影響してくる。
 会社のドライバーのA君は何人かいるドライバー達のリーダーとして彼らをソツなく統率していた。カタコトではあるが日本語も理解し、相手が何を言わんとしているかも適切に推し量る能力をも有していた。そして何よりフィリピン人にしては口が堅く、余計なことは一切言わないので信頼できるのだ。
 彼の職位はドライバーヘッドというポジションで、製造ラインの班長と同じ待遇であった。関係者相談の結果、彼を直接の運転業務から外して、配車計画全般と構内の庶務事項まで含めた職務を与えるとともにスーパーバイザーに昇進させようということになった。ドライバーとはいえ大学卒で、細かいところによく気がつくタイプである。
 基本給も3千ペソ以上増えるし、今後の勤務成績次第では毎年の昇給額も今までより大きくなるのだから、悪い話ではないはずだ。総務課長はAを呼んで、その話を彼に伝えた。ところがAの反応は・・・

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January 27, 2006

第84話 初めてのスペイン料理(2:アラノス再度)

 セブのスペイン料理“アラノス”について所在地を知りたい、との有難いメールを戴いた。何分セブを離れて数年経っているので、周辺の状況はかなり曖昧だが、今なお営業していれば、ということで大よその場所を申し上げたい。(かなりアバウトで申し訳ない)
 州庁舎からさらに西に向かい、Rama Aveとの交差点(大きなガソリンスタンドがある)で右に折れ、グアダルーペ教会に向かい緩く登っていくこと数百メートル、メトロポリス(カラオケ)の手前2~3百メートルで左折し、100メートルくらいで右折。未舗装の道を数十メートル行った左側で、夜なら何台か駐車している車があるあたりである。周囲に目立つ建物もなく、看板もない。いきなり家のドアが道路に面している。
 ポイントはグアダルーペチャーチに向かって、メトロポリスの少し手前を左折。あとはこのあたりの近隣住民に聞いてもらうほかない。タクシーなら、帰りは近くで拾えないので、カラオケ・メトロポリスあたりで拾うしかないだろう。そこまでは歩いて数分であるが、安全を考えたならレンタカーの方が良いと思う。
 問題は予約ナシで受け付けてくれるかどうかであるが、残念ながら今の私には電話番号がもはや分からない。ホテルで調べてもらい、そこから予約してもらうのも手かな、と思う。

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第84話 初めてのスペイン料理

 400年近いスペインによる植民地支配は、宗教もさることながら、人名や地名そして食べ物にも影響は少なくないだろう。スペイン料理レストラン“アラノス”は店の看板もないうえ、場所さえも裏通りにあり、何度行っても道に迷ってしまうようなところにある。実は恥ずかしながら、それ以前に日本国内でスペイン料理と言われるものを食べたことがなく、パエリアもここアラノスで初めて食べたのだ。店の内部はおよそレストランらしくなく、民家のキッチンといった趣で、庭のテラスが食堂になっている。(実はここから隣にあるフィリピン航空のスッチーのドミトリーがよく見えるということもポイントであった)居酒屋より安く、それでいて雰囲気は接待に使えるほど上品で、セブの隠れ家的な存在である。
 スペイン料理といえばマニラに滞在した時、E氏に誘われてスペイン料理の店に入ったときに後にも先にもここでしか見かけない変わった料理があった。ANGILAS AL AJILLOという鰻の稚魚のガーリックオイル煮で、見た目は油がどぎついが、チビチビワインでも飲む向きにはぴったりの味と歯応えだ。シラスの倍くらいの稚魚が程よく締まっている。大きく育ったら高く売れるのに勿体無いなあと思いつつ、こいつのお陰で白ワインが進んでしまう。シメのイカ墨パエリアはコクがあって、これまたバクバク止まらない。お陰で翌朝トイレで我が分身を見てビックリ・・・

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January 25, 2006

第83話 LTOの怪(2)

「あなたは昨年更新税を支払っていません。2年分支払ってください。」
「えーっ、そんなはずはない。昨年7月にちゃんと支払っている。レシートもあるし、だからこそ昨年度のステッカーだって貰っている。」
「いえ、あなたが昨年支払ったのは一昨年前の未納分です。」
「何を言っているんだ。私がクルマを購入したのは昨年だ。未納があるのなら、前のオーナーに請求してくれ。私は昨年6月に購入し、7月にTAXを支払っている。未納分は私の責任範囲ではない。」
「未納分を払わないのなら、今年の分が未納になります。」
「どうして私が前のオーナーの税金を払わなければならないのだ。」
「そんなことは私は知りません。兎に角1年滞納してます。」
このときドライバーのAが私に小声で耳打ちした。
「Mr.○○、あなたは支払うしかない。残念だけど。」
「何故だ、私がどんな間違いを犯したと言うのか。」
「所有者の名前であなたが日本人だと言うことが彼らにはわかっている。あなたはターゲットにされたのだ。1500ペソくらなら日本人は支払うだろうと彼らは思っている。」
 1500ペソは払えないことはない。しかしそれ以上に癪に障った。まあ、ここはドライバーAの顔も立てて、相手の言いなりになるとしよう。ところが次の一言には仰天。
「支払い遅延のペナルティがあります。あと2000ペソ支払ってください。」だと。
こ~のヤロー、と睨みつけながらも、言うことに従うほかなかった。きっとこのカネは彼と彼の同僚とで山分けとなったことは想像に難くない。

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January 24, 2006

第83話 (LTOの怪)

 会社では駐在員のアシとして、数人に1台の割合でクルマを用意していたが、これでは必要な時に自由な移動が出来なかったので、私は中古で7年物の三菱ギャランを26万ペソで購入した。トラブル続きでとんでもない買い物となってしまったが、1年ほど後にはさらにとんでもない事態が待ち受けていた。
 日本でいう車検とはちょっと違うが、クルマは登録したときから1年ごとに毎年更新のための税金のようなものを納める。そうすると納めた証拠として領収書のほかに緑色のステッカーを交付され、ナンバープレートに貼り付ける。私のギャランは買ったのが6月、登録の更新は7月である。慌しかったが購入してすぐ翌月に手続きを行い、1500ペソも支払い、翌年まで問題なく時は過ぎた。
 購入して1年後の翌年7月、また手続きの時期がやってきた。マクタン島内にあるLTOの事務所に足を運んだ。今でも同じ場所にあるのか分からないが、こんなところに?と思うくらいの荒地のなかにオフィスはある。しかも事務所とは言っても場所を間違えたのではないかと思うくらい貧相な建物だ。それでも免許の更新やらでごった返すくらいに混みあっている。私は会社のドライバーAと申請の窓口に向かい、手続きを行ったのだが、そこではとんでもない答えが待ち構えていた。彼が言うことにわが耳を疑った。

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January 22, 2006

第82話 ダメモトでやってくる(2)

=その2=
 新しい製品や設備をインストールする時、スムーズにそして正確に技術をローカライゼイションさせるときには、言葉のギャップから来る誤解はあってはならない。そこで重要となってくるのは通訳のレベルである。ここでも募集に対して随分と様々な人達がやってきた。通訳はレベルにもよるが概ね2万ペソ以上の待遇になるので、悪い条件ではない。
 ひとつのパターンは現地でリゾートホテルで日本人対応を仕事としていた人達。彼らは日常的な会話は大体理解できる。喋る日本語も少しイビツではあるものの何とか通じることが多い。しかしながら設備の操作や検査方法など細かな指示を通訳するレベルには達することはなかった。困ったことに、多くのフィリピン人はよく分からなくても、自分の解釈で通訳してしまうことが多く、非常に危なっかしいのだ。
 最も我々の要求に近いのは、日本で働いた(違法合法を問わず)経験のある人達だ。どんな仕事にせよ日本語の指示のもとで働いてきた彼らは、かなり正確に通訳できる。何より漢字を含んだ字を読めるので、メモでのやり取りも出来る。
 そして一番多かったのは、現地の日系企業で働いた経験がある、というだけの人達。自己紹介すらも英語になってしまい、一体何の職種の応募に来たのだろうか。
 余談だが、通訳で募集を出したときは芸能活動で日本に滞在経験がある人達の応募も少なくなかった。こちらは会話に関しては相当流暢であるが、残念ながら業務メモを読んだりすることが出来ないことが多かった。それでもよく歌に出てきそうな漢字はバッチリで、書くことだってできる。なるほど!と納得してしまうのだった。

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January 20, 2006

第82話 ダメモトでやってくる

 よく言えば非常にポジティブで楽観的である。フィリピンで採用業務に関わっていると、そのような国民性をストレートに見ることが出来る。
=その1=
 フィリピンではどこの日系企業でも駐在員の誰もが英語達者と言うわけではない。しかし、社外の現地の方々と関わらずに済むはずがなく、特に厄介なのは電話がかかってきたときだろう。「Mr.○○プリーズ」と言われれば、電話交換の女性は、そのまま繋いでくる。繋がれてしまった方は、泳げないのに海に放り込まれてしまったのと同じ状態になってしまう。
 そこで、日本語がある程度できる電話交換を置こうという事になり、募集をかけた。確か応募は10人以上あったと思う。その中で人事課長と総務部長が一次審査を行い、最後に4~5人の面接を私が行った。履歴書を見て応募者の経歴から既に疑問を感じていたが、一応会ってみよう。
 多かったのは大学で日本語のコースを習得した者。しかしながらこのケースでは最低限の日本語レベルをも期待することは出来なかった。初歩的な簡単な日本語の問いかけすらも分からないのだ。
 仕方ないので、日本語で自己紹介するようにと英語で促すと、出だしこそ「コニチハ、ワタシハ○○デス。」で始まったが、そこからは全て英語で捲くし立てられた。日本語での電話交換という職種にどういうつもりで応募してきたのか、理解に苦しむ。給料につられての来たのは分かるとしても、本当にその仕事をまっとう出来るのか、どれだけ考えてきたのだろうか。

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January 19, 2006

第81話 ゴルフ練習場

 セブでもゴルフ打ちっ放し練習場は何箇所かあった。記憶ではラホグとアヤラそれとマクタンにあった。まだ他にもあったかも知れないが訪れたことはない。ここでの打ちっ放しでは足元にゴムマットが無く、ボールを置くところのケバケバなマットも無かった。硬いベアグランドの上で直接打つような感覚である。
 この悪条件を緩和してくれるのが、ティーアップ担当の彼らである。彼らと言っても殆どが10代前半くらいの少年や少女達だ。ところがこの少年少女たちのワザはまさに職人芸の領域にある。
 彼らはクラブを振り回す我々のすぐ目の前で相対して小さな椅子に座っている。本当にクラブの軌道の目と鼻の先でニコニコしながらちょこんと座っているのだ。怖くはないのか。
 さてタマを打つ。その瞬間直後にはもう次の球が彼らによってティーアップされている。ティーアップとは言っても、ゴム製の立派なものはない。彼らはひとつティーアップをし終わると、片手で次のタマを握り、その指先ですし職人よろしく適度に湿った土を細長く握り固めている。客が打った瞬間にその手は定位置に移り、指先の土を崩さないようにものの見事にセットアップする。この間コンマ何秒かの瞬間芸である。彼らはタマの行き先などには興味がないから、ひたすら下を見て単純作業を繰り返すだけだ。感心なのは、いちいち言わなくても客が持ったクラブを見て、“ティー”の長さを微妙に変えてくれることだ。
 平均毎週1回の頻度でゴルフをやっていたので、練習場に来るほどヒマ?ではなかったが、ゴルフ場のキャディに渡す300ペソに較べれば、この少年たちに渡した20ペソのチップはいかにも安い。

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January 18, 2006

第80話 セブの乗馬

 MCWDでひとつ思い出したのだが、この役所は水源管理のため?か、セブの山麓でファミリーパークと呼ばれる公園を管理している。位置的にはマリアルイサとノースタウンの丁度真ん中辺りの丘陵地帯の谷間にある。ここでは休日ともなれば市民の憩いの場として賑わいを見せ、時には大規模なイベントが行われたりもしていた。
 さて、私はフィリピンに赴任する前は毎週土曜か日曜のどちらかは乗馬クラブで馬にまたがっていた。セブでは休日の過ごし方がゴルフ中心になってしまい(他の赴任者に合わせざるを得ない)、馬の乗り方も忘れてしまった頃、ファミリーパークで乗馬が出来ると聞き及び、同僚のO氏とS氏を誘って行ってみる事にした。
 行ってみると、どこを見ても乗馬のためと見られる整地されたところなどなく、一匹の馬すらも見当たらない。こりゃガセネタだったかな?まあいいや、一応聞いてみよう。近くにいたお兄ちゃんに聞いてみたら、「Ah! We have!」。数分待つと、見るからにくたびれ、そして煤け汚れた見栄えの悪い馬が3頭連れられてきた。またがった途端にズボンの内股が真っ黒に汚れてしまいそうな馬たちだ。それでも一応は古びた鞍とアブミ、手綱はついている。
 我々3人はとにかく跨ってみた。馬は人を見るとはいうが、S氏は乗馬はこの日が初めてで、乗っては見たものの馬はテコでも動かず、とうとう座り込んでしまった。O氏はさすがに元地方競馬の騎手だけあって、馬は訳もなく駆け足で山道を駆け上って行く。私の馬は苦労したが、細い山道をどうにか言う事を聞いて速足で動いてくれた。
 セブでは乗馬はあまり一般的ではないようで、乗っていると地元の人達も珍しそうに見ている。ちょっとだけいい気分だ。但しインストラクターは無く、途中でクルマとすれ違ったりもするので、安全な遊びともいい難い。でも1時間80ペソだったから安い!(国内で1時間乗ると5千円は下らないだろう)

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January 13, 2006

第79話 貸し借りの世界

 フィリピンで仕事をしていると、明らかにギブ&テイクの世界だと感じることが多い。人間関係がタテの関係だと御恩と奉公の世界で、横の関係だと互いの利益になるようお互いが便宜を図るということになる。日本でもそれに近いことは阿吽の呼吸を以って事は成されるが、フィリピンでは堂々と当たり前のごとく行われる。
 フィリピンでモノ作りをしようと考えた場合、必要なユーティリティがキチンと確保できるかどうか、これは非常に重要な課題である。まずは電気が想定されるが、セブでは「水」も貴重である。毎日のようにスコールがあるのに、大きな河川やダムは乏しく水は充分にはないのだ。だから工場内のトイレのフラッシュなどは屋根に落ちた水を地下タンクに溜め込んで賄っているくらいである。
 さて、ある製品の製造のために、今まで以上の水の供給を受けなければならない状況となり、MCWD(metropolitan cebu water district)に我々は陳情に行った。ジェネラルマネージャのD氏は快く受け入れてくれ、パイプの付け替え工事の日取りまでスンナリと決まり、つつがなく必要な水も供給されるようになった。
 そんなある日、D氏から電話があった。
「今年私の娘が大学を卒業する。私の娘はそちらの会社で働きたい、と言っているのでお願いしたい。」
そー来たか。会社では過去に無試験で入社させた正社員は一人としていない。総務部長のT氏に意見を求めたところ、何だそんなことかと言わんばかりに
「No choice!」
なるほど、そういうものか。

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January 12, 2006

第78話 見かけない家電製品

 フィリピンでも中流以上の家庭では結構家電製品が普及している。イメージ的にはエアコンがあれば上の下、テレビがあれば中の上、何故か携帯の方が先に普及していて固定電話は今ひとつ。扇風機はかなり下層の家庭でも持っていた。(問題は電気代が払えるかどうか)
 数ある家電の中で日本ではどの家庭にもあってフィリピンの家庭ではあまり使われないものがある(ファンヒータとかは当然使わない)。ひとつは掃除機。メイドは毎日のように床掃除をするが掃除機はあるのに使わなかった。フサフサのカラフルな箒で掃いたあとは、雑巾を足で滑らせながら拭いてゆく。日本人の感覚からはいかにも物臭な掃除風景である。
 もうひとつは、洗濯機。今では日本では売っていない二槽式洗濯機はおろか脱水槽のないものまで未だ売られている。私が居たときは売り場で全自動などというものは殆どみかけなかった。そもそも洗濯機を買おうという家庭にはメイドがいる。メイドがいるのに省力化した家電製品など要らないのだ。全自動洗濯機はこの国では売れる商品になることはないだろう。電気炊飯器も、保温機能はこの国では殆ど必要ないそうだ。
 日本人の感覚でこれは売れるだろう、とか考えると、現実とのギャップは相当大きいようだ。

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January 10, 2006

第77話 コリアンパワー(3)

 要因その2はセブにいた時の仕事上の出来事が舞台である。1枚のファクスが送られてきたことから始まった。
 ファクスの送り主は、韓国にある同じシスターカンパニーだ。ある目的があって、社員数名を旅行で連れて行くので、ホテル手配や送迎を頼む、というものである。関係ある会社同士なら、いろいろと融通を付け合うことには些かの障害もない。
 ちょうど、そのころソウルからセブへの直行便が就航し始めたときでもあり、いくつかあるグループ会社の中から訪問相手先にフィリピンを選んだのかもしれない。しかし、その頃のフライトスケジュールでは到着は何と深夜3時頃である。はっきり言って送迎に行くには足が重かった。夜中に迎えに来い、というのをたった1枚のFAX連絡だけで良しとする感性は理解しがたい。
 その日の深夜、予定通り彼らはやってきた。一応笑顔で挨拶はするが、夜中の出迎え有難う、そのような言葉は一切なかった。あー、明日と明後日、この人達の面倒を見るのか、そう思うと暗い気分にさせる。そんな出会いだった。
 さて、彼らが帰る前日の夕食。月並みではあるが、フィリピンに来てどんな印象だったか聞いてみた。グループの中の一人が言った。
「あちらこちら汚れていて、あまり良い印象は持てない。わが韓国ならどうだこうだ・・・」
「食べ物はどうでしたか?韓国にはおいしいものがたくさんありますが。」
(一応社交辞令上そう言った)
「ええ、食べ物は不味いですね。韓国ならああだこうだ・・・」
何か良いところをひとつくらい見つけて褒める、そういう感性ではなさそうだ。万事こんな調子で、次第にこちらも会話を交わすのも面倒になってしまう。
 期待もしなかったが、帰国後のお礼の連絡や言葉は一切なかった。トラウマの要因その2である。

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January 08, 2006

第77話 コリアンパワー(2)

 友人と二人でスタート。すぐ後ろにはカートに乗った二人連れ。こざっぱりした外見からは当初は日本人だと思っていた。我々はカートを使っていなかったので、ティーショットのあとは、急な下り斜面を急ぎ足で下りていった。私は一打目をややしくじったので、コースのやや右目を下りていった。その時である。私の頭の上をボールが飛んで行き、20ヤードくらい先に落下した。まさか、もう打つなんて・・・。後ろを見ても斜面が死角になって誰が打ったのか、見えない。暫く歩くと後ろが見えるようになったが、カートに乗って動いているから、二人とも打ち終わったようだ。後ろを睨みつけても意志が伝わらないから、次のホールのティーグランドで彼らを待つことにした。
 やがて、彼らはカートに乗ってやって近づいてきたが、睨みつけると、そこで止まった。
私は彼らに近づき、
「さっき打ち込んだのは誰ですか。」
二人はきょとんとしている。どうやら日本人ではないことはその時判った。逆に彼らも我々が日本人であることに気がついたはずだ。途端に大きな態度に出た。彼らの表情の変化からは腹の内が手にとる様に透けて見える。
「もうとっくに先の方に行ったと思ったから打ったんだ。あんたたちが遅いからだ。」
「あなたはゴルフのマナーを知らないのか?」
「見えなかったのだから仕方ないだろう。」
悪意を持って見れば、日本人ならボールをぶつけても構わない、とでも言っているような目つきだった。トラウマの要因その1、である。

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January 07, 2006

第77話 コリアンパワー

 最近、某著者の「韓国民に告ぐ」という本によれば、常に自分を上位に置こうとする価値観と、それを実際に行動に移してしまう直線性は、諸外国でひと悶着起こしているそうだ。
フィリピンに関して言えば、最近の統計からも韓国からの旅行者は急増しているそうで、今や日本人の数を凌ぎ米国に次いで多いそうだ。そのこと自体はフィリピンとしても良いことである。セブでも韓国人の為の語学学校などが続々と出来つつあるそうで、あと数年もすれば韓国人のためのリゾート地といった様相を呈してくるのかもしれない。
それはそれで、直接関わらなければどうということもないのだが、お互いに数が増えてくれば、いろいろと摩擦が起きるのが世の常だ。何故そう思うのか。実は個人的に彼らに関していやな思いをしたことが二度ほどあって、トラウマになってしまっている。私はかの国のことはよく知らないので、良い面もあるに違いないとも思う一方、それ以上にいやな部分を体験してしまったことで、申し訳ないが極端な捉え方になってしまったということである。
一つ目の体験はフィリピンではなく、サイパンのゴルフ場で。セブでも私が居た当時は韓国人はセブカンのメンバーになれない(今はどうなっているのか知らないが)と言われていたが、それも納得してしまうような失礼な人達だった。

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January 05, 2006

第76話 賞味期限

 正月も3が日を過ぎれば、年末に買い込んだ食べ物で、消化しきれないものが出てくる。そうなると賞味期限が近いものから処分(食べ物に対して失礼!)しようとする考えが働く。ナマ物の肉や魚そして野菜には賞味期限は記されていないから、外見の変化などで判断せざるを得ないが、加工食品は有難い事に明記されている。
 この賞味期限は、厳しい当局の規制があるのか、かなり余裕を見た設定になっている。季節と保管状態にもよるが、日本国内なら経験的には、牛乳・豆腐で2日、蒲鉾など練り製品で5日、卵で1週間はまず大丈夫である。
さて、フィリピン。フィリピン製の食品で賞味期限を表示して売られているのを見かけたことはなかったが、日本食材の店では、日本の食品を売っている。仕方ないと言えば仕方ないのだが、賞味期限の表示部分はマジックで塗られているか、削り取られていた。
 そもそも乾物の食品にまで賞味期限が必要なのか、と私は常々思っていたが、これは大きな間違いだった。
 インスタントラーメンが大好きな私は、○×マートでサンヨーのゴマラーメン(欽ちゃんのコマーシャル)を見つけて、懐かしくなり買ったのだが。袋を開けてびっくり、赤茶の蟻がゾロゾロと。ホンの小さなピンホールから進入し、成長したのだろうけれど、ゴキブリでなくてよかった・・・
 考えて見れば、このラーメン、かなり前から日本では売ってませんね。一体賞味期限はどうなっていたんだろう?

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January 02, 2006

第75話 フランキー・ミノザの弟

 この時期は日本人駐在員がゴッソリ帰国してしまうので、セブカンもアルタビスタもガラ空きだ。(ついでにカラオケも)居残り駐在員だけは、やることがないので結局ゴルフでもやるしかない。ところが日本人社宅はもぬけの殻。相手がいないのだ。
 会社にとんでもないやつが居た。フランキー・ミノザの弟が働いていたのだ。かれは普段の仕事はジャニター(構内清掃が仕事)である。しょうがないので彼を誘う。彼もプロゴルファーの弟だけあって腕前はかなりのものなのだ。一応彼は“コーチ”ということでついてくるのだが、コーチなどしやしない。ただでセブカンでゴルフが出来るなど、彼には千歳一隅のチャンスなのだ。しかもメシ付き送り迎え付きと、夢のような1日なのだ。ついでに言えばキャディフィーも出してやらなければならない。道具だって彼は持っていないから、いなくなった駐在員のモノをちょっと拝借して貸してやることにした。何故か靴は持っていたが、誰かのお下がりであろう。
 ガリガリの体格だが、よく飛ばすし、器用さもある。普段ドライビングレンジで練習する余裕などないはずだが、血は争えないということか。
 味をしめた彼は、暫くの間、またコーチするから行かないかと盛んに誘ってきた。いやいやもう結構。

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January 01, 2006

第74話 突然の値上げ

 新年明けましておめでとうございます。
さて、去年の正月明けはセブで数日ゴロゴロしていた。現地人の旧友が経営している会社に遊びに行ったり、彼らと食事をしたり、2泊ほどはバンタヤン島のコタビーチで寝っころがっていたりした。セブではよくモンテベリオを使っていたが、このときは直前のスマトラ沖地震の影響でセブのホテルは欧米人の滞在客が多く、どこもかなり混雑していたようで、ここも例外ではなかった。プールサイドで読書でもしようと、レストランの先にあるプールに行ってみれば、既にそこは彼らに占領されていて、空いているデッキチェアなどひとつもなかった。
 さて、帰る日の朝チェックアウトをしてみると、電話で予約したときに聞いていた値段より1泊あたり200ペソ高いではないか。恐らく地震の影響でタイやマレーシアから観光客が流れ込み強気に値上げをしたのだろうが、それにしてもおかしい。
「1泊2200ペソになっているが、これは間違いではないか?先月予約した時には1泊2000ペソと聞いていた。」
「先月まではその値段だったが、今年から料金が変わっている。」
「私は2000ペソと聞いたので、予約した。」
「その時は2000ペソだったが、今は2200ペソです。」の一点張り。
 互いに値段を確認してオーダーを受けたのに行ってみたら値段が変わっている。これは広義に解釈すれば詐欺ではないか、と。

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