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February 25, 2006

第95話 昨日は休日でした?

 フィリピンでは今日25日はエドサ革命記念日で特別休日に指定されているそうだ。 この国では、大統領の気まぐれで突然祭日が設けられることが少なくない。働く側としてはメリットなのかデメリットなのか、受け止め方は二分される。
 日本でも平均的なサラリーマンがそうであるように完全月給制なら、給料は変わらずに休みが増えるわけだから大歓迎である。ところが日給月給制となるとそうもいかない。その祭日に会社が操業してくれれば、その日の日給が確保される上に休日勤務手当がつくから良いわけだが、じゃあ会社も休みにするか、と言うことになれば、1日分の給料が減る。
 会社にしても、忙しい時期なら操業を止める訳にもいかず、単に休日出勤手当が嵩むだけである。逆の場合は、体よく社員を自宅待機させることになり、労務費が浮く。かように、会社にも働く側にも様々な影響があることなど斟酌していないのではないかと思う。
 それでも、事前に通知があれば対処のしようがあるが、かつて1度だけ、事後に通知が来たケースがあった。過去にさかのぼり、いついつは祭日だった、という決定である。当然、その日の勤務者は、休日出勤扱いで給与計算がなされなければならない。雇用者側としてはだまし討ちにあったようなもので、しかも給与計算の事務も混乱する。
 果たして、ほかの国でも、こんなことはあるのだろうか。

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February 24, 2006

第94話 フィリピン流会議(2)

 もうひとつ、フィリピン流会議でよく見かける光景がある。ミリエンダ。ジュースを飲み、サンドウィッチやハンバーガーを頬張りながらの会議とはどういう訳だ。ここまでやめさせるのは、さすがに彼らの文化にも触りそうなので手を出さなかったが、だらけた会議の一因としか見えない。下を向いてケータイのテキストを見てニヤついているマネージャすらいた。急に質問を浴びせると、そこは咄嗟の取り繕う発言が上手な彼らのこと、尤もらしい回答が帰ってくるのも彼らの才能か。
 それと、一番の問題は会議の後の行動である。彼らは全体テーマが決まると、部門会議の中でやることと割り振りを決め、下位の職位の者に委任する。ところがこの委任という奴が中々の曲者だ。多くの場合、部下に丸投げになっていることが多いからだ。
 そうすると、アウトプットはイメージしていたものと違った形で出される。部門長を呼んで、キチンとチェックしていたのかどうかを問いただすと、そこから初めてチェックを始めるような始末である。従って本来、中級、下級管理者がチェックしていなければならないことまで、駐在の日本人は目配りしておかなければならない、というのが現実である。 具体的に指示して何かをさせると非常に優秀な彼らではあるが、仕事の場面での緊張感というものがもう少し欲しいところだ。

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February 23, 2006

第94話 フィリピン流会議

 どうも緊迫感がないのだ。フィリピンの人達は集まって喋るのが好きだから、ミーティングは良く行う。それはそれで良いのだが、問題はその中身とその後の行動である。フィリピンの人達は表面の見かけを非常に重視する傾向がある。(日本人もその傾向はあるが)そうすると会議でも非常にすばらしいスローガンや勇ましい意見も出もするし、皆も納得し、盛り上がっている。会議の後の議事録を見れば、非常に素晴らしい。が、実際にその通りに行動すれば、の話である。
 例えば年間の部門計画などでは、会社の事業方針に沿った、かなり素晴らしい行動計画の概念図のようなものが出される。必要なコンセプトが全て網羅された誠によく出来た内容である。各セクションの役割やコミットメントも勇ましく記入されている。が、よくよく見ると中身としては極めて概念的だし、スローガンの領域を出ていないことが多い。そうなると、会議の為の会議で終わってしまう結果となる。この後のフィードバックは日本人が余程目を光らせておかないと、大概リップサービスで終わるのが常だ。
 もうひとつ、緊張感の足を引っ張るカルチャーがある。議論が白熱しヒートアップしてくると、誰かがつまらんジョークを飛ばす。これはクールダウンと言ってヒートアップを抑える効果があると彼らは言う。どう見ても、結論に至らず曖昧にさせる妨害電波としか思えないが、彼らにとっては意義あることのようだ。

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February 20, 2006

第93話 油断できない人事考課

 フィリピン人の独特なメンタリティは人事考課で端的に見ることが出来る。一定期間の仕事に対する評価はバラつくのが当然だ。但し、これはキチンと妥当な評価をすれば、という前提がある。客観的な評価というのがここでは難物なのである。
 スーパーバイザー以上対象の考課の結果を見て唖然とした。全員が一律、横並びの考課点になっているのだ。効果の要素には結果や能力、情意などいくつかの要素があり、夫々の要素の重さ(配点)が異なっている。私は合計点の一覧だけでなく、個人別の項目別評価リストも見せてくれ、と言った。これを見ると確かに項目毎の評価は個人別には一律でなく、例えばA君は能力はAだが成果がCで情意がDとか、B君は能力がDだが成果と情意がBとか、全く同じではない。それなのに全ての項目に傾斜配点を掛けた結果は不思議なことに全員が“中”のマスに入っているのだ。何かがおかしい。私は総務部長のTを呼んで、結果に対する意見を求めた。そこに元総務部長のMもやってきた。
「全員が同じ考課点というのは、理解できないし、納得できない。」
「結果の考課点は全員同じですが、このように、項目ごとに見れば全員一律でなく、評価はキチンとなされています。」
と総務部長Tが言えば、元総務部長のMが続けた。
「社員は全員厳しいテストを受け入社しているので、能力はほとんど皆同じなんです。全員が“中”に入っているのは偶然ですが、不思議ではありません。」
 そう、フィリピン人は仲間内であからさまに差をつけることを非常に嫌がるのだ。一人だけ厚遇を受けると仲間から妬みを買い、以後足を引っ張られることになるので、そのような待遇はむしろ好まない社員が多い。だから総務部長と元総務部長は関係者に項目毎の配点をリークし、関係者は合計点で“中”の枠に入るよう計算しながら考課をつけていたのだ。
 仲間内の同列意識とクラブメンタリティ、そして弱者を救済して恩を売る。この意識が機能している限り、フィリピンで人事考課という制度がまともに機能することはないだろう。

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February 18, 2006

第92話 レイテの地滑り災害

 南レイテ州の大規模地な地滑り災害は想像を絶するほどの状況のようだ。私もレイテ島を訪れたことがあり、今回被災地となったセントバーナードの手前のバイバイという町まで行ったことがある。落ち着いた小さな町が点在するのどかな島だ。
 昨夜、セブにいる知人のA氏にお見舞いのメールを送ったら、今朝返事が届いた。彼は今はセブの住人であるが、出身はレイテ島である。彼のプロビンスはレイテの南部にある、と聞いていたので、心配になり昨夜メールを送っておいた。
 彼の実家は今回の被災地から15km東にあるアナハワンという町だそうだ。彼が帰郷する時は必ずセントバーナードを通る。アナハワンでは直接の被害はないものの、けが人や被災者の関係者で相当の混乱に陥っているそうだ。また、現地を見た人の話では、全てのヤシの木がすっぽり埋まるくらい泥で埋め尽くされているという。また、あちらこちらにバラバラになった体の部位が散乱しているというから、衝撃の凄まじさも相当なものなのだろう。遺体の収容と特定すらほぼ不可能な状況なのかもしれない。
 彼からは、あの辺り一帯は海岸から山のてっぺんまでヤシの木で埋め尽くされている、と聞いたことがあるが、ヤシ以外の木は伐採されてしまっていたということか。災害の原因とも言われている。
 彼は月曜日に、パルドの近所の人達からのドネイションも預かり、アナハワンに向かう。お見舞い申し上げるとともに、私にも出来ることはないものかと思う。

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February 17, 2006

第92話 賃上げ

 毎年6月は頭の痛い季節だった。ベースアップのことである。上げ過ぎれば労務費の上昇は利益に影響するし、何しろ一度上げたら二度と下げられないからだ。かといって抑え過ぎれば、有能な人材は他社へと流れてゆく。近隣各社の動向にも注意しながら、様々なシュミレーションを行い、夫々のケースでどれだけ労務費が上昇し、どのような反応が社員から見られるか、数週間悩むこととなる。最終的には本国の承認も必要だし、気を配らなければならない対象が四方八方にあるのだ。そんな状況の中で総務部長が出してきた最初の案には、空いた口が塞がらなかった。
=マネージャ以上が20%アップ、スーパーバイザーが10%アップ、事務員、班長が5%アップ、オペレータは昇給なし=という内容である。私はいくつか質問した。
「労務費上昇の総原資はインフレ率以内の6%以下といったはずだが。」
「このシュミレーションで6%以内に入ります。これが計算式です。」
私も電卓を叩いた。確かに計算上は6%以内である。しかし、
「ミニマムウェッジの切り上げは今年度さらに5ペソあるじゃないか。それをどこに織り込んでいるのだ?」
労働省からの通達で11月から最低賃金5ペソ切り上げが目の前に迫っている。
「あっ、それは別原資じゃなかったんですか?」
油断も隙もないとはまさにこのことだ。彼は続けた。
「部長ミーティングでは全員がこの案に賛成してくれました。」
当たり前だ!自分たちの給料が20%も上がるのに反対する者などいるはずがないじゃないか。作業者の賃金は最低限に抑え、その原資は一部の上層部で分け合おうという彼らの考え方はフィリピン社会の縮図そのものである。万一この案が通っていたら、この総務部長は仲間内でヒーローになっていたことだろう。

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February 14, 2006

第91話 賃金の硬直性

 最近のフィリピンの賃金事情をみると、ミニマムウェッジの上昇も悩ましいが、各人別の給与の硬直性も考えものである。日本ではその硬直性の弁としてボーナスが機能しているわけだが、フィリピンではそうもいかない。
 なかなかポジションにふさわしいアウトプットがなく降格または職務変更させても、そのまま給与を減額させることが法的に許されていないし、ひとたび支払われた諸手当の金額さえも下方修正することはできない。
 マネージャなどの委嘱する職務については毎年契約して委嘱する、という方法であれば職責部分の手当は契約が終われば外すことは可能だが、やりすぎると有能な管理者の定着率にも影響するので、そうそうナタは振るえない。賃金だけではない。ポジションの下方修正も容易ではないのだ。
 A課長は優しい性格で、管理能力の面ではなかなか結果を見出せずにいた。給与を下げることは出来ないので、賃金はそのまま役職を外すという人事異動が決まった。と同時に奇妙な動きが発生した。何と翌朝には異動を撤回して欲しいという嘆願書に数百名分の署名が集められたのだ。これだけの署名を一晩で集めるのは、相当な影響力を持った者が首謀者であることは容易に想像がつくが、それだけ、このような処遇には抵抗が大きいということである。フィリピンで人を管理するのに、日本人の常識は全く通用しない。

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February 11, 2006

第90話 労組対策(2)

 では、どのような労務対策が有効か。基本給の引上げは限界があるし、それをするくらいならフィリピンに出てきた意味がない。幸いなことに、フィリピン人はスポットでの福利厚生でも相当の満足感を感じる。例えば食堂の昼食券やアイスクリーム引換券の支給などは好評であった。それと、運動会やクリスマス会などを節目に行い、家族も招待する、といった行事を通じて会社への愛着信を感じてもらう、といったことも効果があるといわれ、多くの日系企業は行っていた。
 それでも社員数が増えてくれば、隅々までの動きを把握するのは容易ではない。ある企業では組合結成のための社員投票が行われる事態に至った。ここはマクタン加工区でないところに位置していたので、トライシクル同業者組合に話をつけ、投票当日のトライシクル運行を取りやめさせた。トライシクルの運転手にとっては、労働組合よりも、会社の存在の方がはるかに重要なわけだ。結果、投票に来る為の足は封じられ、投票は否決となったそうだ。
 別の日系企業では、組合問題から社内でピストル発砲騒ぎにまで発展した会社もあり、この国で労働組合といえば、かなり危険な問題であり、最も用心しているテーマのひとつなのである。

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February 10, 2006

第90話 労組対策

 セブではALU、KMU等といった労働組合が活発な動きを見せていた。彼らは息のかかった者を社員として潜り込ませるが、暫くは目立った活動は行わず、情報収集を行う。当然試用期間中にシッポを出すようなマネはするはずもなく、またいきなり目立つ動きをとれば封じられるので、ある程度社内にシンパを増やし、それから一気に動きを表面化させるのだ。会社側とすればその頃気付いても時は既に遅く、もはや封じ込めることは非常に困難である。困ったことに、悪徳弁護士がバックにつくことが多く、しかもその弁護士も会社にそのような情報を流したり、対応策の見返りを要求したりする輩もいるらしい。このような行為はダブルポケットと呼ばれていた。
 会社側も定期的に調査機関を使ってウィルススキャンの如く社内の不穏分子の洗い出しを行う。私がいた会社でも、ある時期にALUに目をつけられている、との噂を聞き及び、調査の為のダミー社員を社内に潜入させた。その結果、6~7人程度のシンパが居るとの情報を入手した。まだ、本格的な動きには至っていない、との状況だったので、なすべきことは汚染源の活動を活性化させないために、一般従業員が大きな不満を持たないような施策を講じておくことである。また、組合が出来たら会社は整理され社員は失業する、といった風説の流布も効果がある。フィリピン人はこの手の噂話はとかく信じ込みがちだ。

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February 08, 2006

第89話 簡単に正社員にするな!

 フィリピンで正社員を採用しようとする時は、試用期間中に本人の能力と意欲、責任感を相当注意深く見ておかないと、後々後悔のタネになる。
 彼らの履歴書に書かれていることは誠に良いことばかりである。そして実際に仕事を任せると、あらゆる労をも厭わず頑張る。そして時には期待されている以上のパフォーマンスさえも見せることだってある。(が、この辺りはちょっとクセモノで同僚に助けてもらっていることも多く、ここでまた彼ら独特の恩義の売り買いも行われる。)評価している方は、そんな裏には気付かないことが多いから、「なかなかやるじゃないか。使えそうだ。」という結論に至り、5ヵ月後の評価で彼はめでたく合格、正社員となる。
 採用後6ヶ月を経過すると、正規登用の手続きをしようがしまいが、法的には自動的に正社員とみなされてしまうので、どこの企業でもその手前に網を張って、評価を行い、不適格者の採用をブロックしているのだが、表面上のパフォーマンスでうまくすり抜けてきてしまう輩も少なくないだろう。労務費への影響にとどまらず、特に労組関係者が侵入してくると、企業の屋台骨すらも揺るがしかねない事態に発展するので、相当な慎重さが必要だ。

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February 05, 2006

第88話 目が輝いてる

 日本では、子供たちは手放しに性善説でとらえられている。でも果たしてどこまで何歳までが子供なんだろう。私の見た限り10歳ぐらいにもなれば、子供だって駆け引きをするし、不都合な話は意図的に隠すし、嘘もつく。性善説一辺倒で見ても間違いないのは5~6才位までだ。
 フィリピンではどうだろう。見たところ子供たちは誰に対しても屈託なく、人懐っこい。私はマクタン島内の小学校を訪れてみた。大した目的はない。写真を撮りたいと思った01_02_1

 加工区に程近いこの小学校に行くと、カメラを持っているというだけで、早速子供たちが群がってくる。頼んでもいないのに思い思いのポーズをとっている。先生たちもわざわざ授業を中断してくれて、授業中の撮影まで許可してくれた。01_02_2
いきなり行って全く怪しまれず、こんなことでいいんだろうか?それにしてもみんな目が輝いている。これはフィリピンの子供たちを見た多くの日本人が共通して感じることであろう。

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February 02, 2006

第87話 バージンココナッツオイル

 以前私の部下だったA氏が、最近当局の許可を得てバージンココナッツオイルの製造を始めた。まだ小規模な“家内制手工業”の類らしく、1日10リットルにも満たない生産量のようだ。彼はレイテの出身で、良質のココナッツが大量に安く入手できるので、そちらでやがては工場を建てたいらしい。乾燥させたコプラを原料とする普通のココナッツオイルに比べて、化学薬品類が一切含まれていない製法なので、天然の手作りオイルだ。(このあたりはセシリアさんの方が詳しそうだ)
 そんな彼が、最近私にサンプルを送ってきた。日本で売れないか、ということだと理解した。楽天の店舗を覗いて見ると、既にネット販売している業者さんもいるようだが、しかしそんなに売れてるようにも思えないし。(売値が高すぎ?)
 貰ったサンプルをドライヤーで溶解し(24度以下では固形)、料理で使ってみたところ、ちょっと無理かな・・・ホットサンドとホットケーキぐらいはまあいいか・・・ 他にアイデアがなく、数日放っておいた。
 今年の冬は寒さが厳しく、ハンドクリームを塗ってもすぐ手がカサカサになる。そこでこのオイルを手に塗ってみることを思いついた。台所にあるサラダ油を手に塗る人はいないが、バージンココナッツオイルはマッサージオイルとして地球博のフィリピンパビリオンで紹介されていたのを思い出し、やってみた。結果、これが非常にいいのだ!塗って暫くは油っぽいが、数十分もすると浸透するのか、しっとり、それでいてサラサラになる。ひび割れていた手が見違えるようだ。ウーン、これはひょっとして・・・でも、食品衛生法や薬事法もあるし・・・それにマーケットの入り口を押さえていないようではね・・・

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