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February 14, 2006

第91話 賃金の硬直性

 最近のフィリピンの賃金事情をみると、ミニマムウェッジの上昇も悩ましいが、各人別の給与の硬直性も考えものである。日本ではその硬直性の弁としてボーナスが機能しているわけだが、フィリピンではそうもいかない。
 なかなかポジションにふさわしいアウトプットがなく降格または職務変更させても、そのまま給与を減額させることが法的に許されていないし、ひとたび支払われた諸手当の金額さえも下方修正することはできない。
 マネージャなどの委嘱する職務については毎年契約して委嘱する、という方法であれば職責部分の手当は契約が終われば外すことは可能だが、やりすぎると有能な管理者の定着率にも影響するので、そうそうナタは振るえない。賃金だけではない。ポジションの下方修正も容易ではないのだ。
 A課長は優しい性格で、管理能力の面ではなかなか結果を見出せずにいた。給与を下げることは出来ないので、賃金はそのまま役職を外すという人事異動が決まった。と同時に奇妙な動きが発生した。何と翌朝には異動を撤回して欲しいという嘆願書に数百名分の署名が集められたのだ。これだけの署名を一晩で集めるのは、相当な影響力を持った者が首謀者であることは容易に想像がつくが、それだけ、このような処遇には抵抗が大きいということである。フィリピンで人を管理するのに、日本人の常識は全く通用しない。

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