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April 12, 2006

第109話 皆勤賞

 皆勤賞、あるいは精勤手当、こんな言葉は日本ではほとんど聞かれなくなった。私が小さい頃、町工場で働いていた母親は、毎月のように受け取るそんな名前の手当さえも家計の足しにしていた。時代は変わった。成果を出すことが重要で、毎日一生懸命頑張ったかどうかは今日では評価の対象外である。ところが人海戦術の製造現場では、毎日キチンと出社することはまだまだ重要な要素なのだ。その日の出来高が人間の数にある程度比例する限りは、従業員には休まず出てきてもらうことがとても重要だ。
 会社では半期ごとに年2回、無遅刻無欠勤の従業員に対して表彰を行っていた。いつも大よそ150人位の者が表彰されていた。たいしたものが貰える訳ではないが、数百ペソの記念品は彼女たちにとっては決して安いものではない。有休は買取りがあるから無欠勤に励むのは理解できるとしても、フィリピンの交通事情で無遅刻というのもなかなか大変なことなのだ。
 最近のわが国においてはフリーターの勤労意欲云々が取り沙汰されているが、賃金面だけでなく、モチベーションの面からも外国人労働者に定位置を奪われるのも必然の成り行きかもしれない。面倒なことや嫌いなこと、いやなことはしなくてもいいんだ、という風潮が蔓延している国からは、やがて仕事がなくなってしまっても仕方ない。

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