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May 06, 2006

第115話 アドレナリン(4)

 イベントではMCの良し悪しは全体の印象に大きな影響を与える。カネを出せばそれなりのMCを呼べるが、予算には限度がある。イベント会社の社長はシステム課長Jの友人だ。彼女は、マニラからアンジェリク・ラゾというキャスターを呼ぶことを提案した。正直言って、テレビのローカル番組はほとんど見ていなかったから、どういう人なのか私は知らなかった。ところがプロジェクトメンバーは一様に目を輝かせて、「それはすごい」とはしゃいでいた。写真を見せてもらったら、それほど若くはないし、ちょっと(以上かな)ポッチャリしている。それでも有名人らしく、メンバーはこの人で決まったと言わんばかりに興奮している。どうやら、彼女はこの社長の友人らしい。
 が、しかしギャラが高いんじゃないか?私の頭の中でカネのことがよぎった。
「いくら彼女に払わなければならないのか?」
「彼女は私の友人だから、無料でやってくれると思います。でも飛行機代とホテル代だけはみてもらえませんか。」
(なに、それだけでいいのか?)
「いいでしょう。社員も喜んでいるようですし。」
聞けば彼女は上智大学で6年間留学したので、日本語の読み書きもできるというではないか。であれば、私が書く勧進帳を英訳することなく、対応してもらえそうだ。これでMCは決まった。

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