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May 29, 2006

第120話 泣けば済む

 会社の中にあっては、日本では通常見かけない光景をフィリピンではよく見かける。
 仕事の中で、上司にどやしつけられる部下。というのは日本では別段珍しいことではない。部下のほうも叱られるのも仕事のうち、とばかりに言われっ放しでひたすら耐えるのが務めである。フィリピンではちょっと様子が違う。さすがに、よく言われるように、面子を重んじるフィリピンでは、上司が人前で部下を打ちのめすように叱ることはしない。これは現地で仕事をする日本人も気をつけていることでもある。失敗を犯したり、仕事ぶりに問題がある場合でも、フィリピン人の上司はよく部下の話を聞いている。そうこうしていると、時折意外な光景に出くわすのだ。なんと、部下が突然泣き出すのだ。男も女も問わず、である。このような習慣?は日本では見られないものだ。
 あるとき遅刻が多く、ペナルティを課せられたオペレーターが人事に何かを訴えに来た。前総務部長のMは暫く彼女の言い分を聞いていたが、彼女は例により突如泣き始めた。さてM部長は何を言い出すかと思ったら、
「もういいんだよ。あなたは悪くない。あなたはベストを尽くしているんだ。」
咎められるべき者が、”泣き“を入れることで許してもらえる、というカルチャーは我々には少なからず違和感を感じさせる。果たしてこれが正しい問題解決法なのかどうかは別として、泣けば全てが許される、そして許してあげなければならない、このような風習はフィリピン人独特の寛容の精神と表裏一体のものなのだろう。

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Comments

富嶽庵さんこんにちは。
こちらの人は泣いて済ますか黙って済ますか逆切れで済ますか、いずれにしても日本人の感覚とは違いすぎるような気もしますが、それも文化というか習慣というか、その辺も理解しながら付き合っていかなければいけないんでしょうね。

Posted by: おっちゃん | May 30, 2006 at 11:13 AM

はじめまして!
私の所では総務課長のフィリピン人(男)が
社長に泣きついて(涙を流しながら)、
課長を怒った日本人が社長にしかられてます(笑)

Posted by: 海 | May 30, 2006 at 06:33 PM

おっちゃん様、海様。そうなんですよね。泣いているのに許さない、というのは彼らの価値観では”悪”であり、そこで一件落着させなければならない。でも一件落着させれば、結局ウミは出ないから、何度でも同じことが起こる、心からの反省ではありません。

Posted by: 富嶽庵 | May 30, 2006 at 10:48 PM

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