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June 10, 2006

第122話 社員の引止め策

 フィリピンはジョブホッピングの世界である。実力があろうがなかろうが、誰もが自分のキャリアを目一杯上げ底にして、転職を試みる。すでに高給取りのマネージャクラスでも言わずもがな、である。
 クラークやテクニシャンクラスなら代わりはいくらでも居るが、マネージャクラスになると辞められた後の穴埋めは容易ではない。そうならないための、定着度を確保するための端的な算段は給与アップであるが、これがそう簡単ではない。どうしても辞めて欲しくないマネージャだけを厚遇しようとすると、本人にも迷惑な話になってしまうのだ。そう、クラブメンタリティである。自分だけが組織の中で上昇することは妬みの対象になることでしかない。賢明な連中はこれを好まない。結局マネージャ全員を厚遇せざるを得なくなるのだ。かといって青天井には出来るはずもない。
 ここで活躍するのが、マネージャへのローンの利子補給制度である。マネージャといえどもそこはフィリピン人である。金はなくても欲しいものはどんどん買いたい。そこで会社がバックアップして、提携している銀行との間でローンを組ませ、家や土地、車を買えるように道筋をつける。数年間のローンで彼らは資産を手に入れる。すでに借金漬けで足抜きが出来ない図式が出来上がるわけである。
 私が知り得る限り、このローンを利用していないマネージャはいなかったはずだ。

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