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June 03, 2006

第121話 大統領がやってきた(3)

 大統領の訪問に先立って、事業所の責任者はテレビ局のインタビューを受け、フィリピンへの投資の有意性を語っていた。新聞記者たちもかなりの数が押しかけてきている。あとは大統領の到着を待つばかりなのだが。が、なかなか来ない・・・
 大統領はヘリコプターでやってくるとは聞かされていたが、いつどこに降りるのかは、我々が知らされる由もない。そうこうしているうち、午後3時も回った頃、周囲がにわかに慌しさを増してきた。どうやら近くまで来たらしい。会社の外では歓声が上がっている。さっきまでダラッとしていた鼓笛隊がけたたましく演奏を開始した。近隣の会社の社員も噂を聞きつけて、大勢集まっているらしく、塀の外も賑やかだ。
 鼠色の4WDはあっという間に、勢い良く正門を突破して来た。ところがクルマから降り立ったその人物はおよそ大統領らしからぬ身なりである。カジュアルな服装にサングラス。まあ、息抜きのついでに来たのだろうから、そんなものかも知れぬ。A農業相を連れていたが、どうやらここに来る前はボホールで農業施設の視察をしていたらしい。皆、靴が泥だらけだ。地元の有力者も勢ぞろい一同に会している。来るなり周囲を見渡して
「リリア(PEZAの長官)は来てないのか?」
彼女は数日前に来れない事を伝えてきていた。ちょっと不満そうな大統領。それにしても雰囲気がおかしい。

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