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July 29, 2006

第135話 世界ランキング

 フィリピンが世界に誇るもの、これは色々あるかもしれないが、数字を伴わないものは感覚的なものでしかない。数字を伴って客観的に証明できるものとなると、ハタと考えてしまう。海外に出稼ぎに出る労働者の数とかはかなり突出しているだろうが、誇れるものというよりは、自国に十分な産業基盤がないことの証左であり、むしろ恥ずかしいことである。
 たまたま中学生の地理の教科書を見ていたら、排他的経済水域についての記載が目に留まった。日本は国土面積は大したことないが、排他的経済水域の面積は世界6位だそうだ。もっともここには北方領土や竹島周辺海域も含まれているから、実効支配面積ではもう少し小さいだろう。
 さてフィリピン。同様に島国だ。残念なことに飛び離れたところにある島が少ないため(わが国では沖の鳥島や南鳥島が大健闘)、意外と排他的経済水域は面積としては小さいようだ。しかし、あった。容積である。フィリピンで東海上にはフィリピン海溝があって海は深い。面積では大したことはないが、容積になると10位に浮上する。
 さらにもうひとつ。海岸線の長さだ。だから何なんだ、とも言えるデータだが、世界第3位(日本は6位)だそうだ。しかも人口一人当たりの長さでは世界第1位(日本は3位)
やっと見つかった世界第1位。どれほどの価値があるのか、分かりません。

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July 25, 2006

第134話 カエル

 何年ぶりだろう。昨日久しぶりに蛇を見た。散歩をしていたら目の前の視界にクネクネと前進している黄色くて細長いモノが突然入ってきた。私は基本的に毛が生えていない動物は苦手だ(魚は別として)。だから僅か1mにも満たないこの蛇にも失神しそうなくらいに驚いてしまった。
 そう言えば、セブにいたときには何故か蛇を見かけた記憶がほとんど無い。セブカントリークラブ2番ホールのグリーン手前の池の近くで1度だけ見かけたことがあるだけだ。このときはキャディのLが長い棒を使って、恐る恐る池に追い返していた。毒を持っている彼は言っていた。僅か50cm位の小さな蛇だった。
 むしろビレッジ内の早朝散歩で気をつけなければならない奴らは他にあった。ひとつは野良犬のウンチ。もうひとつはカエルの死体だ。何故だろう。カエルが道路の上で死んでいるのを随分と見かけた。それにしてもこの辺りのカエルはかなり大型でぷっくりと太っている。それにしても彼らは必ずと言ってよいほどパンパンに膨れたお腹を仰向けにして手足を拡げて死んでいる。爬虫類、両生類が嫌いな私は見ただけで鳥肌が立つ。
 キャディのLに聞いてみた。
「君たちはカエルを捕まえて食べたりするのかい?」
「勿論さ。あなたも食べてみたいか?」
ゲッ、俺はいいや。ヌメヌメした生き物はどうも駄目だ。

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July 21, 2006

第133話 スモーキーマウンテン

 アルタビスタというゴルフ場の最終ホールのティーグランドからはセブ市南部が良く見渡せる。ここからは、じっと目を凝らすと鼠色の埋め立てのような平地が海岸沿いに広がっている。そして更によく見ると、ここでは小さな煙が立ち込めているときがある。何だろう。それまでは知らなかったが、やがてこのエリアを訪れる機会がやってきた。
 会社では石油系溶剤を使う。そうなれば当然廃溶剤の後始末が問題となる。フィリピンでは意外なほど環境問題には法規制がかけられている。廃液は勿論、排気、廃棄物に至るまで基準値はかなり厳しい。勿論カネでやり取りしているローカル企業もあろうが、外資は遵守せざるを得ない。
 さて廃溶剤である。規則はうるさい割には、フィリピンでは処理能力が乏しい。そこで只単に貯蔵するだけの処置となる。ただし、公認の貯蔵施設である必要がある。アルタビスタ最終ホールから見える、その場所の向こうにこの貯蔵施設はあった。ドイツとの合弁企業だそうだ。
 初めてこのエリアに入り込んだ。ドライバーは絶対に窓を開けないようにと、真剣に言っている。それもそうだ。ここはセブで2箇所あるといわれているスモーキーマウンテンのひとつだそうだ。塵の山が波打っている。そこを通らないと目的地に行けない。多くの子供たちが寄ってくる。狭い道でゆっくりとしか走れないから、ぺたぺたと窓をたたいてくる。住居はといえば、多くは塵の山を背にした半横穴式住居で、初めて見る光景だ。このような光景はテレビのドキュメンタリーでは見ていたが、実際に来て見ると形容のしがたい印象だけが残る。それでも、バスケットボールの板だけはここにもあり、我々が感ずるほどの悲壮感は彼らにはないのかも、とも思う。
 ここを通ったのはこのときを含め2回だけである。また行きたいなどとは思わないが、今もあの当時と変わらないのだろうか。

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July 17, 2006

第132話 ビジネスクラブ(2)

 さて、扉を開けて中に入ると、やはりというか、ビキニバーのようなショーが繰り広げられていた。それにしても参加者は100人くらいはいるだろうか。懇親会といった雰囲気で、互いに顔馴染みなのか、固い雰囲気はない。なるほど、こういった人脈がそのままビジネスにも反映されていると言うことなのだろう。彼は親しい仲間に私のことを次々と紹介してくれたが、名刺の山になっただけで、どれが誰だか正直全く覚えることはできなかった。
ビキニバーのようなショーと言ったが、違う点がひとつ。踊っている20人ほどの彼女たちはどう見ても本職ではなさそうだ。見るからに年齢が若い。彼の話では全員が大学生だそうだ。
 そして驚いたことに、司会者の合図で今度は彼女達全員がトップレスに。そうなると、さっきまで思い思いに談笑していた彼らは必然的にステージに視線を集める。中には彼女たちに声をかけたり(交渉?)している者もいる。彼女たちはというと、意外とアッケラカンとしている。「実は今日はこういう趣向になると、俺のところに情報があったんだ。」と彼は胸を張った。
 日本でビジネスマンの集まりでこうも大っぴらに不埒なパーティというのは聞いたこともないし、憚られるものだ。この国でビジネスマンになるなら、こういうことを楽しむセンスもまた必要、ということか。

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July 15, 2006

第132話 ビジネスクラブ

 ラホーグのウォーターフロントの2階にカジノがあった。2階には他にも会議室のような部屋もいくつかあったようだが、普段は人の気配は少ない。カジノには暇なときは私も時々お世話になったが、日本人の多くはスロットマシーンの辺りにへばりついていたようだ。その当時は「I’m staying here」とでも言っておけば、タダで入場できた。ギャンブルは従来より競馬一辺倒(共同馬主で馬を持ったこともあったくらい)だったので、運任せのギャンブルは性に合わず、足もやがて遠のいた。
 再びここの2階に足を運ぶ機会があったが、今度の行き先はカジノではない。同じ2階でも小部屋のほうだ。現地のビジネスマンから、セブのキーパースンの集まりがある、と言うので誘われて来てみた。
 ちょっと風変わりなパーティだ、とだけは聞いていたが、来てみれば分かる、と言うので、どんな趣向なのか、どんな顔ぶれが集まっているのか、ちょっと見てみたいという興味もあって、やってきたのだ。
 扉を開けて入ってみると、そこは受付のための小部屋になっている。彼はどうやらこのビジネスクラブのメンバーらしい。受付の幹事役らしい人物に私を紹介してくれた。彼の友人と言うことで、私も入場を許可された。会場はその奥の扉の向こう側のようだ。賑やかな音楽と声が漏れてくる。この音楽から雰囲気は何となく想像はできた。

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July 11, 2006

第131話 1Pesoの価値

 フィリピンで買い物をしていると気が重くなることがひとつ。釣銭の硬貨が重すぎてポケットに入れるとズボンの片方がずり下がってしまうのだ。たかが1ペソでもやけにデカくて重い。そんな1ペソがとんだ主役に。以下NNAの記事を一部抜粋。

マニラ国際貨物港(MICP)で300万ペソ相当の1ペソ硬貨が日本向けの20フィートコンテナに積み込まれていたことが分かった。関税局とフィリピン中央銀行が行った検査により発見された。積み荷は不正申告、および中銀が定める1万ペソ以上の貨幣持ち出しの申告義務を怠ったことで差し押さえられた。コンテナの中身は銅およびニッケルの廃材と申告されていたようだ。
関税局傘下で調査部門を担当するミッチェル・ベルデフロール氏は、「国内で硬貨が不足していた理由が説明できる」とコメント。また硬貨の用途としては、溶解してニッケルと銅に分離させた後、パチンコの玉の原料にするとの憶測も出ている。
硬貨の不正輸出が発見されたのは、今年で既に3回目。2月には97万1,000ペソ相当、3月には20万ペソ相当の硬貨が差し押さえられた。中銀は各行に対し、紙幣から大量の硬貨への両替を行う顧客の情報を提供するよう求めている。(以上7/11の記事から)

 要は、1ペソを持って国内でモノを買うより、費用をかけてでもそのまま外国に売ったほうが高く売れる、ということのようだが、不思議な現象である。物価と貨幣自体の価値が釣り合っていないのだから、素人考えでは貨幣の質を落とすなり、小さくすれば良さそうに思えるのだが、もうちょっと事は複雑なのかな?

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July 10, 2006

第130話 似ている

 フィリピンにいて国民性の違いもさることながら、同じ動物でも犬の国民性?とでも言うべきか、所作がこうも違うものかと思ったものである。
大体において日本の犬は活動的だ。散歩中の彼らを見ていても飼い主が抑えきれないくらい力強く前進する。人間にも至って友好的でしかも興味深々に尻尾をふって近づいてくる。あまり動物好きでない私でも頭のひとつも撫でてやりたくなる。
翻ってフィリピンの犬たちはどうだ。狂犬病の恐れがあるため、近づくこともためらわれるが、仮にそうでなくても近寄る気がしない。いや近寄ってきて欲しくない。野良犬は道端にはいくらでもいるが、多くの場合、皮膚病なのか毛が抜け落ちでいて見るからに不潔で汚く映るのだ。そして何よりも動きが緩慢で、生きているのか死んでいるのか、見分けがつかないくらいだ。
人間もやること無く木陰でベタッとしている男たちが多い。犬も飼い主に似るというが、そんな人間に似てしまったのか。まあ、暑いんだから仕方ないのかな。このような犬は吠えることも無く、人間が近寄ると面倒臭そうによろよろと立ち去る。道端にいる犬が元気良く駆けている姿などついに見ることは無かった。

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July 07, 2006

第129話 仕事の精度

 フィリピンで今も仕事をしている方々、特にフィリピン人を相手に仕事をしている方々の苦労は尽きないだろう。仕事のプロセス上の進捗にもイライラさせられるが、仕上がり具合についても「何だっ、これは!」となることが多い。
 会社の制服を着ているということは、フィリピンでは一種のステータスである。女子については一応更衣室はあるのだが、誰もが制服のまま通勤する。帰りがけに買い物をするときでも制服のままだ。“私は○○会社に勤めているのよ”とでも言いたげである。ところが、この制服も良く見ればいい加減なつくりだ。
 染色の色が違うくらいでは誰も驚かない。胸ポケットの位置が最大で10センチくらい異なっている。襟の形や大きさもバラバラである。中には明らかに生地の材質が違う者がいた。傑作だったのはボタンの数が5個の者、6個の者、はたまた大きさや材質が違ったり、人生色々である。多少の誤差という範疇は超えていて、これではとてもユニフォームと呼べる代物ではない。こんな状態でよくも堂々と納品するものだとむしろ感心してしまう。そして、クレームをつけたところで希望通りには100年たっても出来ないだろうと、脱力感が支配する。
 こういったことに完璧を求める人はフィリピン人相手に事業をすることはまず無理だ。「大体出来ていれば良しとする」くらいで彼らと向き合わないと、こちらが空回りするだけだ。勿論、日本に向かってはジャパニーズスタンダードでなければ相手にされない訳だから、間に挟まると、ストレスはなお一層のものとなる。

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July 04, 2006

第128話 ファミリーデー

 毎年、今頃はファミリーデーの時期である。従業員の家族を招待して1日を楽しんでもらおう、というイベントである。勿論、社員のガス抜きまたは組合対策的な要素も大きい。
 社員の数も少なくなく、家族を含めて収容できる場所はそう簡単には見当たらない。MCWDが管理するファミリーパークが良く使われた。屋外で催すので天気が良いことが絶対条件である。
 このような行事でいつも感心するのは、観客を飽きさせないアトラクションのアイデアと誰もが本当に楽しんでいることである。MCの女性も日頃の仕事風景からは想像も出来ないほどの仕事ぶりで、完全に堂々とした司会者になりきっているし、本当に楽しそうだ。フィリピン人が大好きな毎回恒例の美人コンテストはそれぞれの職場代表の決選投票という趣であるが、日本人駐在員たちが審査員となっている。どの女性も原型をとどめないほどの厚化粧で”美人“の定義が我々とはちょっと違うようだ。「該当者なし」。
 しかし…あー、やはりフィリピンか。足元を見ればゴミだらけである。パックランチの容器、スナック菓子の袋、ペットボトル。ゴミ箱を用意しているのに、そこまでわざわざ捨てに来る人は稀である。
 それと、不明朗な支出や、水増し請求後のキックバックなど、このような行事の後のチェックも不可避の仕事だ。

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