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December 29, 2006

第181話 生ガキ(3)

 Rにしてみれば珍しい日本人客でサービスしたつもりだろう。が、マグロの刺身くらいその頃はどこでも食べられたし、さして珍しくもない。それほどのものとは思わなかったが、他につまみが無ければ、それを食べるしかない。元来が好き嫌いは無いので、出された刺身は経理部長と全部食べた。

 その日の夜中である。眠っているときに急に吐き気を催した。心臓もバクバクしていた。飲みすぎで酔って天井がクルクル回ることなら幾度となく経験しているが、それとは明らかに違う吐き気だ。それに昨夜は吐くほど飲んでない。収まらない吐き気と目眩で、その夜は便座にもたれかかったまま朝を迎えた。

 果たしてカキがいけないのか、マグロがいけないのか、ワサビの解毒作用など真っ赤なうそだったのか、よく分からないが、わかったことは、フィリピンでは信頼できるところ以外では、生の魚介類はご法度だ、ということだ。勿論件のレストランには2度と行っていない。

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December 28, 2006

第181話 生ガキ(2)

 暫くしてRがニコニコしながら持ってきたカキは殻付だ。フィリピンのカキは何しろ小さい。殻の大きさの割にはアサリくらいの身しか入っていない。一応加熱されているらしく身がキュンとしている。さて食べていいものかどうか。 

 フィリピンに赴任した者は大体1ヶ月以内には下痢をするといわれていた。が、自分はその経験はない。ローカルレストランで出された水を飲んでも平気だったくらいだ。貧乏人育ちが役に立っていたのか。

 件の経理部長は、Oishi, Oishi を連発して食している。まあ、きっと大丈夫だろう。一口食べて半生っぽい感じがしたが、久しぶりのカキの味には勝てず、サンミゲルで流し込みながら、結局二人で全部食べてしまった。

 頼みもしないのに、Rはまた凍ったマグロも持ってきた。えーい、毒を食らわば皿までも、結局黄色いワサビを添えられたマグロも目の前に並んだ。いつの間にかオーナーのRも一緒になって飲んでいる。

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December 27, 2006

第181話 生ガキ

 ノロウィルス騒ぎでカキが安くなっているのかと期待していたが、出荷調整しているのか、そうもなっていないようだ。安ければ燻製にしてオリーブオイルに漬け込んでやろうと算段していたのだが。

 さて、カキと言えばセブでは苦い想い出がある。経理部長が、自分の友達がレストランを始めたのでおごるから付き合ってくれと言う。場所はサローサホテルの近くだが、まあレストランと言っても青空レストラン。当然フィリピン料理の店だ。主のRは日本人の客に感激したのか、マグロの刺身やら生ものを勧める。普段から生で出しているのか聞いたら、普段は生では出さないが、大丈夫だと言う。勿論断ったが、Rは残念そうにワサビだってあるのに、と粉ワサビの袋を持ってきた。暗い照明の中でも黄緑色のはずが明らかに白っぽい黄色になっているのがわかる。

 そうこうやり取りしているうちにRはカキを勧めてきた。まさかカキを生で出すとは言わないだろう。

「カキはどう料理するんだい?」

「生でも出せるよ。」

(冗談じゃないよ・・・)

 しつこく勧めるのでグリルしてくれ、と頼んだのだが。

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December 23, 2006

第180話 クリスマス“くじ”(2)

 期待もしていなかったが、例のクリスマスくじをスクラッチしてみた。Img025

 まあ、当り前の結果がでた。もし当たったら飛行機代かけて取りに行くのかとか、関税はどうするんだとか、あれこれ考えたが取り越し苦労に終わってしまった。そんな他力本願で1年を締めくくってはいけない。明日の有馬はヒモ厳選で勝負!距離で嫌われるダイワ、一発屋角井厩舎のデルタに期待。

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December 21, 2006

第180話 クリスマス“くじ”

 仕入代金の支払いでメトロバンク経由で送金をした。たいそうな金額ではないが、月曜日にインターネット経由で送金したら、メトロバンクへの国内送金料105円と海外送金料2000円、計2,105円が手数料である。通常は国内の銀行経由だと5,000円だからまあまあ安い。 Img024

 さて今日、メトロバンクからこのようなクジ引きのようなものが届いた。1等賞30型薄型テレビ、2等賞電子レンジ・・・となっているが、日本で言えば年賀状のお年玉くじのような賞品だ。それでも銀行がこのような気の利いたことをやるとは、日本の銀行にも見習って欲しいものだ。税金注入で生き返ったと思ったら、預金金利はさておいて政治献金とは、相当の面の皮の厚さだ。

 さて、まだスクラッチしていないが、当ったらフィリピンまで取りに行かなければならないのか?まあ、当たればの話だが。

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December 19, 2006

第179話 財布がない!(2)

 あれこれと思案をめぐらしても思い当たるフシは無いし、カードなどの保全を考える方が重要だ。翌朝、総務の女性に頼んで、持っていたカード類の連絡先に盗難の届けを出してもらおうと、リストを渡した。使われる前にカードが無効にされていれば良いのだが、日本とは違うから、すぐに手続きが出来るのだろうか。現金の数千ペソはとっくに諦めている。

 秘書の女性は、「全て連絡しました」と言ってきた。あとは、カード会社が素早く処理してくれることを祈るだけだ。

 その連絡があったのは昼休みの直前だ。空港からの連絡だ。「あなたの財布が拾われて、ここにある。」と言うものだ。我が耳を疑った。ここはフィリピン、そんなばかな。たまたまサイフに名刺やら、空港建物の入場パス(空港内に自由に入れる身分証)が挟んであったのが幸いしたのか。受け取りに行ってさらに驚いたのは、どう見ても中身が抜き取られていない。拾得者は機内にいた人で、その人は乗務員に渡し、乗務員が空港関係者に引き渡したそうだ。名前も控えていなかったようで、お礼を言う機会もなかったが、フィリピン人の中でもそんな人達だっているわけだ。

 そんな中での、最近のセブの詐欺事件。日本人=清廉潔白という関係式は崩れ去っているようだ。

 

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December 17, 2006

第179話 財布がない!

 フィリピンと言えば、危ない、いい加減などまるで油断もすきも無いとでも言わんばかりの形容詞が並ぶらしい。確かにそんな面があるのは事実。じゃあ、日本人とフェイズが合うような正直で律儀なフィリピン人はいないのか?そんなことはない。

 その日は所用でマニラにある日系の銀行に行った帰り、夕方にマクタンの空港に着いた。熱帯のフィリピンでは普段は背広を着ていないため、財布は横長の札入れでなく、折りたたみの札入れをズボンの後ろポケットに入れていた。ポケットから財布が飛び出していなければ、盗賊に遭う事はほぼ無い。

 この日は疲れていたため、機内でかなり体を横にして眠ってしまった。マニラとセブは1時間ほどで着くから目が覚めたときは慌てて降りる段取りだ。さて飛行機を降り、待機している社有車のドライバーに促されるまま車に乗り込んだ。

 社宅に到着したときである。後ろポケットに手を突っ込んだとき、財布が無いことに気がついた。咄嗟にどこかで盗まれたと思った。マニラの空港で使用料を払ったのだからそのときはあったはず。空港のジャニターか?機内の乗客か?財布には大体いつも5千ペソ前後の現金とクレジットカードなどが入っているのだが。

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December 15, 2006

第178話 本を読まないから

 物事を考えるときに、現実論から入ってこうしようだと結論付けるか、原則論から入ってこうすべきだとするか、結果の部分では大きな開きを生じるものだ。

 現実論から入るとその場はうまく凌げるが、どこかで辻褄が合わなくなったり、或いは原則論から入ると、総論賛成、でも誰も具体的行動には至らず、というのがよく見る光景だ。

 日本は公式には原則論が優位で現実論は退廃的なイメージすらもたれている。そのくせ多くの人達の実際の行動は現実的だったりするから始末に悪い。フィリピンでは最初から現実論だ。しかし、そこは論理的な概念の構築という思考がやや弱いからそうなっているように思える。

 会議をしていてもそうだ。どうあるべきという話は全くなしに、今こうなっているからこうしよう、といった議論から始まることが多い。その為のアイデアは泉のように湧き出るのは、それはそれで彼らの才能だが。

 彼らに聞いたことがある。日頃、本を読んでいるか、と。ほとんどの場合、NOという答えが返ってくる。そういえば、セブではナショナルブックセンターがあるとは言え、人口に比べて書店や売られている本の数が極めて少ない。それだけ需要も少ないからだろう。

 フィリピン人の頭脳レベルは決して低くない。彼らが多くの書物を読み、体系的論理的に語るようになれば、彼らに対する見方も大きく変わるだろう。だが残念ながら、最近のASEAN会議の延期やら見ていると、彼らが何をしなければならないのか、よく理解できていないというのが現実のようだ。

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December 11, 2006

第177話 Sana'y laging magkapiling(3) 

 その日は午後4時からクリスマスパーティになるので、朝はいつもより出勤時間は1時間早い。それにしてもこういうことの段取りは彼らは本当に早い。ステージや観覧席などとっくに出来ている。ASEANの会場準備のモタツキが信じられないくらいだ。司会を買って出た受付のRは堂々と司会をこなしている。このあたりは日本人には真似できない。

 ついに順番が回ってきた。練習では歌詞を見なくても一通り暗記できているが、ちゃんとできるだろうか。司会のRはステージに上がるよう促す。自分で言うのも何だが、会場からは割れんばかりの拍手。曲がjかかった。この歌は3番まである。火事場のナントカではないが、案外練習どおりいけるじゃないか。そう思った途端、急にリラックスムード。やはり余裕の気持ちで歌えば声の伸びがいい。曲に合わせて歌うのでなく、曲がついて来る感じになるものだ。少なくとも今までの中では拍手の多さでは引けはとらなかった。

 だが、上には上がいるものだ。何と言う曲だったか(日本では郷ひろみがアッチッチとか言って歌っていた)やってくれた二人の日本人がいた。彼らは普段は無口でどちらかと言えば目立たない方だ。そう、そんな彼らも秘密の特訓を毎夜重ねていたのだ。彼らは英語で歌う方はハナから放棄している。その分をフリでやってきた。

 恐らく完璧なフリだったら、あそこまで受けなかっただろう。いかにもとってつけたようなぎこちないフリがフィリピン人には印象的だったようで、爆受け。

 相手に印象付けようとするなら、中途半端な完璧を目指すよりも、このような新鮮さもあるものだと感心した。

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December 07, 2006

第177話 Sana'y laging magkapiling(2)

 この歌は、エイプリル・ボウイズとかいう歌手が歌っているそうだが、元は日本の曲だ。長渕剛の“乾杯”と言えば誰もが知っている曲だが、タガログ語でも歌われている。日本の歌はかなり多くの歌が現地語にコンバートされて歌われているのだ。徳永英明の曲などは女の子にはかなり好評だった。

 この他に逆にフィリピンオリジナルの“息子よ=ANAK”も考えたがちょっとやってみて断念した。節回しと言うか、字数が多くて覚え切れない。英語の歌も検討したが、どちらかと言うとアップテンポな曲が好きなせいか、自分の好みの歌は歌詞カード無しには歌えそうにない。そう、アンチョコなしでやらねばならないのだ。

 ガイサノに言ってカセットを買ってきた。1ヶ月くらいは毎晩カラオケで特訓した。カラオケの女の子達に、これは元はと言えば日本の歌だ、といっても信用しない。フィリピンの人達はこの歌を本当にフィリピンの歌だと思い込んでいる。

 そして自分の部屋でも出社前は毎朝テープを聴きながら自分でカタカナの歌詞カードを作ったり、悲しいほどの努力を続けた。そしてとうとうその日を迎えてしまったのだ。ユーティリティガールのCは朝から、「あなたの歌を聞くのが楽しみだ」と言ってくる。あー、もう帰りたい・・・

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December 04, 2006

第177話 Sana'y laging magkapiling 

 その日は朝から憂鬱だった。天気が良ければ見えるボホールの山並みも、雨季の空ではどんよりとして見えない。今日これからの1日を象徴するような天気だ。

 ここ1ヶ月ほど、今日のために毎朝毎晩練習してきた。それでも自信が持てない。皆はどんな反応をするのだろうか。途中でわからなくなってパニクったりしないか。元来が心配性なのである。私は大勢の前に出ることはあまり好きでないし、そこで衆人の前で何かを披露する、というのは出来ればやりたくないことだ。

 私がいた会社では、日本からその年に赴任した駐在員は、その年の会社のクリスマスパーティで1曲歌わなければならない。ざっと言って2千人近くの聴衆の前で、ということになる。フィリピンで日本の歌を歌ってもシラけるだけだから、英語か現地語の歌でなければならない。早く曲名を決めてくれと言われて、すでに、歌う予定の曲名は渋々総務の者に伝えてあった。2週間前になって

「本当に歌わなきゃダメかい?」

「あなたの歌は私も聞きたいし、皆が期待しています。」

 どうやら外堀は埋められている。やはり逃げ通すことは出来ないと観念するしかなさそうだ。そしてついにその日が来てしまったのだ。歌うのは Sana'y laging magkapiling だ。

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December 02, 2006

第176話 コンテスト

 フィリピンの人達はコンテストが大好きだ。ミス・コンテストもそうだが、この時期berのつく月でもクリスマスはやはり12月に盛り上がる。

 MEPZの会社でも各社対抗のデコレーション・コンテストが行われる。我々日本人にはどうでもよさそうな行事だが、現地人スタッフは、ここではかなり力が入る。そのエネルギーをもっと日常の仕事で発揮してもらいたい、と苦々しく感じているのは日本人駐在員だけである。

 会社の敷地の塀や外から見える大木にデコレーションを施し、ライトアップする。どの会社のデコレーションが最も素晴らしいかを競うという、ビジネスには全く寄与しない行事であるが、マネージャも含めてかなり本気で、彼らは取り組んでいた。

 そうかと思えば、消防訓練。何をやるかって?ただホースからの放水のスキルを競う。私がいた会社でもMEPZ内で優勝したことがあったが、だから何だ?としか受け止められない。何故なら、本当に緊急事態への訓練ではなく、彼らは楽しい行事の一環としか捉えていない。これでは本当に、いざ、となったときに対応できないであろうことは以前の記事でも紹介したことである。

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