« 第176話 コンテスト | Main | 第177話 Sana'y laging magkapiling(2) »

December 04, 2006

第177話 Sana'y laging magkapiling 

 その日は朝から憂鬱だった。天気が良ければ見えるボホールの山並みも、雨季の空ではどんよりとして見えない。今日これからの1日を象徴するような天気だ。

 ここ1ヶ月ほど、今日のために毎朝毎晩練習してきた。それでも自信が持てない。皆はどんな反応をするのだろうか。途中でわからなくなってパニクったりしないか。元来が心配性なのである。私は大勢の前に出ることはあまり好きでないし、そこで衆人の前で何かを披露する、というのは出来ればやりたくないことだ。

 私がいた会社では、日本からその年に赴任した駐在員は、その年の会社のクリスマスパーティで1曲歌わなければならない。ざっと言って2千人近くの聴衆の前で、ということになる。フィリピンで日本の歌を歌ってもシラけるだけだから、英語か現地語の歌でなければならない。早く曲名を決めてくれと言われて、すでに、歌う予定の曲名は渋々総務の者に伝えてあった。2週間前になって

「本当に歌わなきゃダメかい?」

「あなたの歌は私も聞きたいし、皆が期待しています。」

 どうやら外堀は埋められている。やはり逃げ通すことは出来ないと観念するしかなさそうだ。そしてついにその日が来てしまったのだ。歌うのは Sana'y laging magkapiling だ。

|

« 第176話 コンテスト | Main | 第177話 Sana'y laging magkapiling(2) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/91498/12929286

Listed below are links to weblogs that reference 第177話 Sana'y laging magkapiling :

« 第176話 コンテスト | Main | 第177話 Sana'y laging magkapiling(2) »