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June 29, 2007

第220話 サラ金顔負け

 日本人も最近こそ返済の充てなく借金をする風潮が目立ってきているが、分相応という価値観が薄れてきているからだろう。それでもグレーゾーンのサラ金利息を除けば、収入さえ継続してあるという前提であれば、返済できないほどのローンを組む人はまずいない。

 会社のキャンティーンでは電気製品販売業者が家電製品を展示販売していた。工場の作業者が購買層だから日本とは違って電気釜、扇風機などが売れ筋だ。いずれも数千ペソの価格帯だから、月々の収入からちょっと貯えれば現金で買えそうなものだが、聞いたら殆んどの者がローンを組むと言う。不安定な雇用契約の中で返済計画は考慮しているのか?逆に信販会社の立場に立てば、そしてこのような者相手にローンを組んで踏み倒されないのか?

 驚いたことに金利は年35%!経理部長に聞いたら、多くの者はローンを支払えなくなり、品物は質屋に行くだろう、とのこと。後からわかったことだが、売上から5%がキャンティーンのマネージャにキックバックされ、驚いたことに当時の総務課長まで5%のロイヤリティを要求していたらしい。

 こうしてフィリピンでは貧しい者からどんどん搾り取られ、集まるところにどんどんカネは集まる。

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June 27, 2007

第219話 溶け込む日本語

 日本語は一説によると世界の言語の中で最も語彙数が多いそうだ。欧米系の言語で比較的語彙が多いといわれるフランス語の倍以上あるそうだ。確かに「雲」ひとつとってみても、すじ雲、イワシ雲、羊雲、雷雲など状況で細かく使い分けている。

 私は言語学者ではないので、定かなことはわからないが、フィリピン中部のビサヤ語はオリジナルの語彙が少ないのではないかと感じることが多い。なぜかといえば彼らの会話の中に英単語が相当混ざっているからだ。特に抽象語や概念語は英語になっていることが多い。“反省”といえばreflectionというが、元々反省することも稀だからそのような言葉もなかったのだろう。

 そんな彼らの中でも会社では日本語もかなり幅を利かせてきていた。日系企業だから当然といえば当然だが、ある言葉を使えば相当広い意味で捉えることが出来る便利な概念語が日本語には多い。“カイゼン”などは最早国際語だが、アカジ、オセジ、変わったものではトウジシャイシキなど彼らにとっても便利な語彙のようだ。

 際どい話をするときに便利だからだろうが、中には隠語代わりに日本語を取り入れようとする輩もいて、こういうときは日本語でどう言うのだ、とよく聞かれたものだ。フィリピン人は言葉の記憶力は秀でている。“ヘソクリ”とか“ウワキ”とか“コイビト”とか、なかなか器用に使いこなしていた。

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June 19, 2007

第218話 女性の社会進出

 先ごろ発表された題記のテーマでは、日本の相変わらずの低水準が強調されていたが、管理職の女性比率という点で、フィリピンは群を抜いて高い水準を示している(尤も調査国は12カ国にすぎないが)。

 日本の10%に対してアメリカが42%、フィリピンはなんと58%だ。これにはどことなく納得出来るものがある。管理職に限らず、凡そで言えば、フィリピン人男性はいい加減な者が多い。それに対して女性の方は総じて真面目だ。フィリピンでは自分の責任範囲以外のことは誰も進んでやることはないが、責任範囲のことについては結構粘り強く取り組む(結果の部分では要求とズレることも多いが)。そしてこの傾向は見ていても女性の方に顕著に現れる。それと、フィリピンの女性は規則や原則通りに物事を進めようとする傾向が強く、任せる側も安心できるのだ。

 製造現場では作業者はほぼ100%女性だし、彼女達を指揮するラインリーダーも殆んどが女性だ。器用さ云々もあるが、何といっても休まず真面目に手順通り働く、という面によるところが大きい。

 毎朝加工区に向かう際に見かける光景はダンナが奥さんをオートバイの後ろに乗せている姿だ。ダンナのやる唯一の仕事は奥さんの送り迎え。この光景はいつまでたっても変わることはなさそうだ。

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June 16, 2007

第217話 地球ラジオ

 毎週土曜日の夕方、NHK地球ラジオという番組がある(NHK第一)。車で移動中のときなど、結構聞いていることが多い。各国の、それもどちらかと言えば馴染みの薄い国で生活している日本人から、現地の様子や習慣、暮らしぶりが聞けるので、興味深い。アメリカやヨーロッパ主要国の様子は散々聞かされているからもう充分。ニッチなエリアの様子に自分としては興味を感じるので、なかなかタメになる。

 さて、来週土曜日(23日)はセシリアさんがこのラジオ番組に出演するそうだ。滞在期間が長く、現地事情に詳しいので、視聴者にも楽しい話になるだろう。時間帯は夕方5時5分から5時半くらいの間で3分間の予定だそうだ。この日は仕事中の時間帯だが、忘れないでおこう。

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June 14, 2007

第216話 気風の良さなど通じない

 フィリピンでは油断をすると、すかさず掠め取られる。特に日本人はスキだらけ。気風のよさを旨とする文化はいいカモだ。

 会社の帰りに得意先の接待に行くことになり、通勤で持ち歩くカバンを自宅に置いてくるようにドライバーに頼んだ。後で気づいた。今日おろした1万ペソをカバンの中に入れてあったのだ。しまった。でも、我が家のメイドは人のものを盗むようなワルでもないし、多分大丈夫だろう。ところが…

 我が家のメイドは鍵をかけて昼寝していたらしく、ドライバーは隣の家のメイドにカバンを預けた。アッチャ~。案の定20枚あったはずの500ペソ紙幣は19枚になっていた。 

ゴルフ場でキャディにボールをバッグから抜き取られた経験は誰でもあるだろう。私はこれ見よがしに聞こえるように、プレーの前にバッグの中のボールの数を、「one,two,three…」と声を出して数えた。キャディもここまでやられれば、抜き取りは出来なかったようだ。ボールの1個や2個いいじゃないか、という人もいたが、良い人と尊敬されることもなく単に徹底的にナメられるのがオチである。

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June 12, 2007

第215話 塩ラーメン

 同じカテゴリーの食品でも味は国によってかなり異なる。インスタントラーメンは当地ではビーフの風味が強調されているものが多い。日清の出前小僧のイラストもどことなく違うし勿論味も違う。あのイラストを見て日本のものと同じ味覚を期待すると裏切られる。

 メイドが作る料理は食えないほど不味くはないが、食欲が湧くほどでもない。日曜は料理を作るメイドは休みだ。その場合は、大体外食することになるが、昼はインスタントラーメンを自分で作って済ますことも多かった。でも、それも飽きてくる。色々試した。

 麺を茹でた汁をこぼし、カラカラにする。スープを全部かけたら辛すぎるから、半分ほどまぶす。要は焼きそば状態にしてしまうのだ。暑いフィリピンではこれはなかなかいけるのだ。特にとんこつでは。

 もうひとつは牛乳ラーメン。水を使わずに牛乳でラーメンを煮込む。塩ラーメンはこの方が間違いなく美味い。インスタントラーメンにグッとコクが加わる。メイドの料理に満足していたら、そんな工夫は考えなかっただろう。必要は発明の母。

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June 07, 2007

第214話 南に行くほど甘くなる

 というのは醤油の世界のことだが、甘口醤油と言われる九州でも鹿児島の醤油は驚くほど甘口だ。が、慣れてみると、刺身などにはこの方が合うようだ。抵抗はあるだろうが、普通の辛口醤油も味の素を放り込むと、ぐっとまろやかになる。

 鹿児島の醤油の甘口は大賛成だが、さらに南に下ったフィリピンのマヨネーズ、ケチャップはついに馴染むことは出来なかった。何しろ甘さの度合いが桁違いで、それぞれが持っている風味や味わいが完全に消し去られている。カロリーも心配だ。

 それでもフィリピンでは来客には甘いものでもてなす感性があるようで、現地の会社を訪問すると、決まって甘~いコーヒーを飲まされる。クリープもドバッと入れてあり、色は最初から薄茶色。サービスしました、と言わんばかりに、最初から砂糖も混ぜられている。無理して飲むと半日は胃がもたれ、食欲が無くなる。

 スパゲティもちょっと。ナポリタンが甘いのは想定内だが、アルデンテはとっくに通り越して、テロテロになるまで茹でられていて、余程腹が減ってないとチャレンジできない。カルボナーラもお八つのケーキくらい甘い。味覚の違いを克服するには相当の努力(多分お互い様とは思うが)が必要だ。

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June 04, 2007

第213話 混血のステータス

 最近、テレビを見ていて、芸能人でも混血が増えてきている。が、出演しているのは欧米系の混血で、アジア系は殆んど見られない。アジア系を1段低く見るという日本人の負の価値観の表れだ。

 ところで、フィリピン人に混血が多いのは見ての通りだ。データは無いので勝手な推測だが、最も多いのはスペイン系。1/2もあれば1/4,1/8とか色々だ。セブ島北部のボゴは特にスペイン系が多く、美人が多いと聞かされ、行ってみたが、…。それと中国系も多そうだ。殆んどは福建省から渡ってきた人々の子孫だそうだ。中国系の人達は名前を聞くとそうだと判断がつく。 他ではやはりアメリカ系をよく聞くが、同じカソリックということからか、イタリア系というのもよく聞く。

 日本では、興味半分で「あなた何人系ですか」などと尋ねることは失礼な話だが、フィリピン人は全く気にしない。むしろ「私はハーフスパニッシュ」だとか、「お爺さんはアメリカ人」だとか誇らしげに言う。混血であると言うことがむしろポジティブな要素でさえあるようだ。反対にそうでない場合はむしろ恥ずかしそうに「アイム、ピュアフィリピノ」と答えるくらいだ。

 日本もフィリピンも島国と言う点では同じだが、フィリピンは何世紀にも亘って様々な民族が交差した。歴史的な経緯がかなり違うせいか、このあたりの価値観も相当違うようだ。

 

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June 01, 2007

第212話 フィリピン株

 手持ちの中国株。先週のグリーンスパンの発言はインパクトがあった。慌てて手仕舞いしようと証券会社にTEL。指値売りをするつもりだった。ところが担当者不在で、後で電話するつもりが、何かと忙しくすっかり忘れてしまった。果たして週始めには上海暴落、香港市場も軒並み安。売るタイミングを失して意気消沈していたら、なんと今日はまた跳ね上がっている。暴落前の水準に1日で戻してしまった。結果、売らなくて良かった~

 実はフィリピン株も考えていた。上場会社数でタイ、ベトナムと同程度。しかし個別企業のディスクロージャがほぼ皆無。流動性も小さく、何かあった時に身動きが取れなさそうだ。証券会社は個別銘柄でなく、投資信託を薦めている。せっかく投資家はBRICsの次の投資先を探しているのだから、フィリピン政府もこのあたりの法整備を進めれば、カネは流れ込んできそうなものだが、二重帳簿が当り前のカルチャーでは、信用しろ、という方が無理だ。フィリピンは個別銘柄で買うのでなく、国ごと買うつもりで投資しろ、とアドバイスされていた。よっしゃ、買ってみるか??

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