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July 31, 2007

第228話 出戻り

 駐在などでフィリピンに滞在し、帰国した後にこの国に舞い戻ってしまう人は少なくない。滞在時はあーだこーだと文句をつけていた人達さえも、ここは第二の故郷だと言わんばかりに戻ってきてしまう。何とも不思議な国だ。

 彼は、2年ほど駐在していた。彼が赴任して最初の年末がやってきた。駐在員は殆んどが年末年始は日本に帰国する。その年はセブを12月23日に発った。彼もその一人だった。私はその年の越冬隊員。会社は休み同然だし、ゴルフしかやることが無い。

 数日たって彼はセブに舞い戻ってきた。

「どうしたの?帰ったんじゃなかったの?」

「そうなんだけど、日本はつまらないし。」

そこから先の彼の行き先は大方の想像のとおりだが、彼は日本に妻子がいる身だ。彼に格別な思いががあるのか、彼の家族に問題があるのか、第三者には分からない。ともかく彼は会社の宿舎に寝泊りすることはなかったが、宿舎での朝食の時には必ず帰ってきていた。そんな生活を彼はほぼ2年近く続けたが、彼にとっては不運なことに帰国の時期を迎えた。彼が言った、自分は帰りたくないんだけど、という言葉からは日本の家族への愛着は最早垣間見ることも出来ない。彼はやがて帰国した。

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July 25, 2007

第227話 予防管理か事後処置か

 フィリピン人は実におおらかだ。モノは壊れたら直せばいい。その時考えればいい。悪く言えば問題先送り、とも言えるが、壊れてから直すのは考えようによっては資源の有効活用だ。

 わが国では先頃の地震の原発が槍玉に上がっているが、隠蔽体質は別としても、指摘の多くは予防管理部分が充分だったのか、ここが問題とされているようだ。確かに予防管理とは段取り作業の一部と見れば、トラブル発生による諸々の影響は軽減できるのだろう。

 フィリピンでは停電は日常茶飯事。しかし、加工区でこれはたまらない。ジェネレータがあるとは言っても、時間的限度があるし、切り替え時に短時間でも寸断がある。ある時、あまりにも停電が頻発したので、加工区内の電力供給の責任者を呼んだ。Tシャツ、サングラスの彼は謝る気はサラサラ無い。

「最近の停電の多くはパーツの老朽化が原因だ。使えないパーツはちゃんと交換しているから大丈夫だ。

「古いパーツは分かっているのだから、予め交換すべきじゃないのか?」

「そんな無駄はできない。だめになったら交換する。問題ないじゃないか。」

仕事で彼らと付き合っていて、何とも言いようのないストレスを感じるのはこんな時だ。価値観の接点が噛みあっていないから、どこまでも平行線。予防管理という言葉をフィリピンでは定着させることは難しいだろう。

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July 20, 2007

第226話 不法滞在者

 最近のNNAの記事によると、韓国からフィリピンへの訪問者の増加に伴って不法滞在者の数も増えているそうだ。正規査証保有者が就労11,000、就学29,000。これも凄い数字だと思うが、その上、査証申請中が85,000人。これで計125,000人。さらに既に不法滞在となっている者が少なくとも100,000人というから驚く。

 日本でも韓国人の不法滞在者数は約4万人と、中国と並んでトップレベルだが、どこに行ってもやるわけだ。

 先日、箱根で韓国から来たという夫婦に道を尋ねられ、教えてあげたところ、何度も丁寧に頭を下げられ、分かれた後も互いの姿が見えなくなるまで、振り返っては頭を下げていた。この一件で韓国人に対する評価が少し変わっていたのだが、今日のNNAのニュースで、ああやはり、という印象に戻ってしまった。

 だいたい、正規、非合法含めて20万人以上がフィリピンに滞在しているというのは凄い数字だ。人口約4600万人の韓国から、20万人と言えば0.5%近い人がフィリピンに居るということだ。例によって一大圧力団体に成長しなければ良いが。

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July 16, 2007

第225話 ホットソース

Photo_17  どちらかと言うと、唐辛子系の辛いものは苦手だ。喘息持ちで、多量に摂取すると夜中に発作が起きて苦しむ羽目になる。それでも味覚的に嫌いなわけでもない。そこでこのホットソース。

 フィリピンではラベルにはエクストラスパイシーとか表示されていながら、甘ったるいものも多く、いくつか騙されたが、こいつは間違いなく“ホットソース”だ。お手軽なところでは目玉焼き、シュウマイや餃子にもピッタシで重宝する。何しろ1本30円そこそこ。最近近くのカルフールあたりでも、似たようなアイテムが見られるようになったが、決して安くはない。フィリピンに行った時には何本か買って帰るが、残りはあと1本。貴重品になってしまった。

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July 13, 2007

第224話 手造りジャム

 小屋の脇にに2本あるユスラウメは数年前から梅雨時になると盛大に赤い実をつけるようになった。今年も鈴なりに沢山の実がなった。山仕事の用事で来ていたHさんがPhoto_15

「○○さん、この実どうするの?このまま腐らせちゃうの?」

「何粒かは採って食べたりもするけど、特には…」

「勿体無いなあ、ジャムにすればこれ美味いんだよ~」 

 酸味が強いのを生かした方がいいから、砂糖は少ない方がよい、というHさんのアドバイスと色合いを良くするためにレモンの絞り汁も少々加えた。種を取るのがひたすら面倒だったが省けない作業だ。Photo_16

 取り敢えず造るだけならジャムはあっけないくらい簡単だ。目分量で造ったテキトーなジャムだが、はっきり言って市販のそこらのジャムよりは遥かに美味しい。ユスラウメの酸味はHさんが言うとおり、ジャムにピッタリなのだろう。ということはマンゴーなんかもジャムにしたらどうなるのかな?スーパーで売ってるマンゴーは今ひとつだから、やはりフィリピン、それもグアダルーペ辺りのマンゴーで造ってみたいものだ。

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July 11, 2007

第223話 真鶴半島

 昨日の記事、場所は小田原のすぐ南に位置する真鶴だ。この半島の高台は戦時中は軍の通信施設があり、立ち入り禁止だったそうだ。そのせいか、海に突き出た細長い半島にしては緑が濃い。この緑の濃さが魚を育んでいるそうで、半島全体が「魚付の県立公園」とかに指定されているとか。Photo_14

 海岸沿いは昔ながらの漁師町といった風情だが、尾根筋の高台は最近移り住んできた人や、別荘が多い。その別荘も政財界の著名な方が多いとくるから、しっとりと落ち着いた佇まいだ。時々フラッと行ってみたくなる所だ。

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July 10, 2007

第222話 アジのバッテラ

Photo_13  自分は誰が何と言っても海より山派である。その私がこの一品で、ここの海が気に入ってしまった。写真のバッテラは最初10コほどあったものを6個ほど食べたところで撮った写真。帰りがけに地元の魚屋で買った。10個だと小食の方ならゆうに2人前。1個は大きすぎて一口には入らない。600円という値段もいかにも魚屋らしい値段だ。

 ここは東京からも然して遠くない。ここから通勤通学している方も多いと聞く。近すぎるのか、温泉がないからか、観光客は何しろ少ない。旅館の食事も文句なし。いい処みーつけた。

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July 06, 2007

第221話 ゴネる(3)

 思い出せばゴネ話は当地では枚挙に暇が無い。社内では処遇に対する不満や解雇となった社員の反撃、しつこい寄付要請、交通事故の示談金上乗せ要求など、よくそんな要求が出来るものだと逆に感心させられることが多い。要求だけなら、無視すればそれで済むが、それだけでは済まないのがフィリピンだ。

 会社の10周年式典はつつがなく盛大に終了し、その陰にはイベント会社の女性社長Rの発案や実行力に負うところも大きかった。そのままなら彼女は大いに感謝されただろう。ところが成功裏に開催できたことで、彼女は打って出てきた。総務部長が伝えにきた。

「R社長が30万ペソ上乗せした請求にさせて欲しい、と言ってきていますが。」

追加の費用を要求してきたのだ。確かに見積り外と思われる効果的なアイデアも直前に急遽織り込んでいたであろうことは推察がついていたが、会社という組織では見積り以外の費用の出費は簡単ではない。最後は条件闘争になるだろうとは思いながらも、認めない旨伝えるように言った。すると、彼は訝しげに、

「彼女はMR.○○に了解してもらっている、と言ってますよ。」

「冗談じゃない。そんな話は今日始めて聞いたのに、了解したなどありえないじゃないか。」

私が了解したと言えば、総務部長が支払いの手続きをしてくれるだろう、とでも思ったのだろう。会社の中では僅かな金額の支払いも私のサインが無ければ出来なかったので、彼女の目論見は達成できなかったが、このようなMR.○○がOKと言っていた、という捏造はこの他にもいくつかの場面で遭遇した。どうせ裏をとればバレるのに、人間関係を壊してでも目の前の利益で動くという価値観には首を傾げざるを得ない。

 

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July 04, 2007

第221話 ゴネる(2)

 キャンティーンの業者は切り替わり、テーブルやら厨房やら模様替えもあったため、何やら新鮮な感じがするが、食堂内を相変わらず雀が我がもの顔で飛び回っているのは何とかならんのか。

 日本人用のランチはコメは日本米だし、相変わらず悪くない。それにしてもこの45ペソは本当にそれでいいのか。と、思い続けていたら、やはり。総務部長がニヤニヤしながら言ってきた。

「日本人用のランチは100ペソに値上げをお願いしたいとオーナーは言ってきています。」(ほら来た)

「日本人のランチの値段は45ペソだということは、伝えたんでしょ?」

「えー、確かに伝えたんですが、材料代とか計算違いをしたので、45ペソだと今のメニューは出せないと言ってます。」

(業者の言っていることをそのまま伝えるだけで…、あんた総務部長でしょ?)

「じゃあ、こうしよう。1年の契約が終わったら、この業者とは以後一切契約しない。それでいいね。」

 途端に総務部長の顔が曇ったのを私は見逃さなかった。キックバックを貰っているから、それだと具合が悪いのだろう。彼がどうオーナーに話したかはわからないが、以後値上げの話は立ち消えとなった。

 始めに飴をしゃぶらせて、後から回収するのは、どこの世界でもあることだが、もうちょっと慎ましいやり方で、上手にやってもらいたいものだ。

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July 03, 2007

第221話 ゴネる

 フィリピンで仕事をしていると、欧米流の契約社会を実感することが多いが、アジア型の成り行き型の場面に面食らうことも多い。

 ある時期にキャンティーンの運営会社の見直しをしようということになり、いくつかの業者が手を上げてきた。このキャンティーンでは日本人駐在員も昼食をとる。我々の昼食はキャンティーンのメニュウから日本人に好まれそうなものが何品か盛り付けられ、コメは現地米にもち米を混ぜたものが出された。当時45ペソ。

 ある応札者は日本人が決定権をもっていると見て、日本人用のメニューも試食して欲しい、と言ってきた。駐在員達はこの時のランチには相当満足したようだ。何と言っても日本米である。おかずも従業員用のものとは明らかに異なる。であるが、心配なのはコスト。総務部長に聞いてみた。

「日本人用のランチは45ペソだということは、業者は了解しているのか?ご飯は日本米だったぞ。」

「はい、それは伝えてあります。大丈夫です。彼らはテレビも持ち込み、従業員に娯楽も与えます。」

 と、なれば、従業員が満足していれば決まりだ。どうせ、マネージャ達も裏でキックバックを貰っている事は想像に難くないが、それはフィリピンでは極めて当り前のことであるし…

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