第228話 出戻り(2)
そんな彼もやはりというか、帰国後はフィリピンにUターン。既に会社も退職していたが、現地での就職は容易ではない。数ある中には、語学力がある場合に限って、ローカル企業、特に観光会社やリゾートなどに就職できる場合もあるが、それも長くは続かない。
彼は帰国前からいくらかの資金を投じて牛小屋を持っていた(正しくは関係者が運営していた)。フィリピンでは狭いスクワットの奥でも豚や鳥を飼っているのをよく見かける。僅かばかりでも収入を得るためだ。彼は現地風の生活に溶け込むのに然したる困難は無く、マーケットで見かけた、といった目撃情報も何度か聞いた。
Uターンして2~3年して、目撃情報は途絶えた。牛小屋はもう無く、彼がどこに行ったかも分からない。結末は想像の通りだろう。結果の部分だけ見れば、彼がフィリピンに赴任したことで、人生の歯車を変えてしまった、とも言える。
ところで、事業資金を日本人が出し、現地人が事業の運営をする。それも経営のケの字も知らない人が。このスタイルで仕事を進めてうまくいった試しがあるなら、聞いてみたいくらいだ。


Comments
ないでしょう。
最低でも年間事業計画くらいは具体的に立てられる能力がなければ無理でしょう。日本に出稼ぎに出てPPで、または、日本人をだましてお金を稼いでも、フィリピンに帰国して、親や親戚に事業資金として渡して、サリサリストアを始めたりジプニーやタクシーを始めても、結局はつぶれる。で、また出稼ぎに。何回でかせぎに日本に来ても、生活は楽にならなかった。そんなカラオケーナの話は耳にタコができるほどききました。
Posted by: pogi kofi | August 03, 2007 at 03:10 PM
やはりそうですか。将来のことより今が重要な人は経営には向きませんね。あと、見通しが楽観的過ぎる人も。
Posted by: 富嶽庵 | August 03, 2007 at 11:44 PM
絶対に無理だと思います!
私も、聞いたことがありません。
安易に考えて商売を始めても、運転資金をすぐに使ってしまう短絡志向では、商売は無理ですね!!
Posted by: moimoi | August 04, 2007 at 11:37 AM
本来運転資金であるべきお金が関係者への生活支援金に化けてしまうこともありそうですね。
Posted by: 富嶽庵 | August 04, 2007 at 12:11 PM