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October 31, 2007

第243話 フィリピンの格差拡大

 日本では格差の拡大云々が最近の大きな政治テーマとなっているが、フィリピンにおける格差は日本ほど小さなものではないし、また、不思議なことに政治テーマとしても大した課題ではない。人間社会に格差は元々あるもの、とハナから受け入れてしまっている。そのフィリピン国内の格差もさらに拡がってきている兆候と思われる数字を見た。

 JETROではなかなか有益な海外情報を発信しているが、投資情報として国別のみならず、都市別の投資コストを公表している。サンプリングの絶対数が都市によっては少ないからだろうが、やや信頼性の劣る情報もあることは、見る側で斟酌するしかない。

 たまたまマニラとセブがあったので、ちょっと見てみた。さて、人件費。13ヶ月手当を除くワーカーの総支給額の月額(恐らく残業含むだろう)。セブの10,979-17,772ペソに対してマニラ13,115-15,112ペソ。エンジニアの場合セブの15,601-25,261ペソに対してマニラ14,601-21,201ペソ。マネージャではセブの30,665-66,225ペソに対してマニラは平均値しかなく41,997ペソ。

 ちょっと意外だが、これはサンプリングに問題がありそうだ。見たら、セブは日系5社を調査、となっている。セブで日系5社なら凡そ想像はつくが、どこかの会社は誤った数値を(高い方で)提供していると思われる。妥当なところはセブはマニラの8掛けくらいだろう。

 ところで、別の都市でベトナムのホーチミンも見てみた。ベトナムではワーカーはフィリピンの6掛けくらいで安いが、マネージャクラスはフィリピンの1.5倍くらいだ。ということは、ベトナムはフィリピンより更に格差社会だ。であるなら、日本は凡そ格差社会と呼ぶには相応しい状況では未だないようだ。

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October 19, 2007

第242話 困窮邦人

 今朝の朝刊に困窮邦人が2日に一人の割合でマニラの日本大使館にやってくる、との記事があったが、今年は急増しているとか。まあ、お決まりのパターンで辿るルートだろうが、他国では見られない現象だろう。

 かなり前になるが、タランバンの山の手にあるビレッジのフィリピン人の家庭のパーティに呼ばれて行った時、そこで一人の日本人にあったことがある。年齢は55~60位。このフィリピン人の家の隣の住人だ。その邸宅はなかなか立派で、安くはない建物だ。

 この方曰く「うちの家内は片言で日本語が話せるんですが、私は英語もこっちの言葉も全く喋れませんでねえ。」

 直感ではあるが、隣に座っていた奥さんとの間も何やら涼しい感じだ。失礼ながらこの夫婦はいつまでもつだろうか、と頭をよぎった。家の名義は奥さんだろう。

 いまフィリピンでは困窮日系人の救済に陽が当たるようになってきており、様々なメディアにも取り上げられている。しかし好んで渡って行った困窮邦人に暖かい陽があたることは無さそうだ。

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October 17, 2007

第241話 理解できない神経(3)

 ガードハウスはどこの会社も概ねメインゲートにあり、その職務は侵入者の排除だ。造りは簡単で大体交番みたいな感じだが、最低限のものしか備品としては備わってなく、暑くても冷房はない。

 職位はなくなっても、給与は落とすことはできない。よって、仕事と報酬のバランスは著しく毀損するが、簡単には解雇を通知できない仕組みからは、こうでもするしかない。

 異動を申し渡した日、ある程度想定していたのか、表情ひとつ変えずにあっさりと彼は承諾した。(ふーん、そんなものなのか)

 想定外だったのはここからだ。ガードハウスには必要最低限の備品しかないはずだ。ガードハウスに移ったからといって、従来どおり部下であることには変わらない。しばらくして、そこに行った。何と控えの休憩室を自分専用の執務室に模様替えし、いままで使っていた部長用の机と椅子も持ち込んでいる。おまけにクーラーまで取り付けられている。 

 これじゃ快適すぎる。おまけに仕事はラクだ。それで給料は今までどおり。そこまで堂々とやるか。予想外の展開だったが、我々(社会保険庁の職員を除く)にはにわかに信じられない行動パターンだ。このままだと、他のマネージャからも文句が出るだろう。気の毒だがクーラーだけは外させた。

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October 11, 2007

第241話 理解できない神経(2)

 この総務部長、フィリピン流管理で良いなら、そう悪くはないマネージャだが、他のフィリピン人マネージャが日系企業のカルチャーをよく理解し、合わせようと努力しているのに比べて、ちょっと波長が異なる。例えば急ぎの仕事と家族サービス、彼は躊躇いも無く家族サービスを選び、そのように行動した。10周年式典のリハーサルも皆がほぼ徹夜で頑張っている時も彼の姿だけは無かった。

 そんな彼に不倫の噂。探偵に後をつけさせていたことも恐らく気付いていたはず。既に信頼関係は崩壊しているから、どうやって辞めさせるか、彼にしてみればどうやって居座るか、チキンレースの様相だ。表面上は業務上の実務的な指示は淡々とこなしている。ここを怠れば解雇事由が成立してしまうから、彼もそこは承知していて、ある意味手抜きはできない。それでもテーマを与えて解決するというマネジメントに彼は弱く、この部分での力不足を指摘する材料はある程度揃ってきた。

 その頃、探偵からの報告もほぼ事実をつかむ内容となっていた。さて、どうやって、あのガードハウスへの引導を渡すか。

 

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October 09, 2007

第241話 理解できない神経

 国が違えば文化が違う。文化が違えば価値観が違う。価値観とは何が重要で何はどうでもよい、そんなヒエラルキーだ。日本とフィリピン、意外となあなあの関係が通じたり、隣近所との垣根の無い付き合いがあったり、案外似たり寄ったりだ。

 それでも、どうにも理解できないことも多い。まあ相手もそう思っているだろうから、お互い様だ。そのひとつの例である。

 総務部長Tは取引先の女性マネージャとの不倫といい、甘すぎるマネジメントといい、部長としての職責を果たすのに既に難を抱えていた。かといって会社役員ではないので、簡単にクビというわけにもいかない。ましてや総務部長、この国の労働問題の法令にも長じている。そこで、参考になったのが正面にあった米系企業のやりかただ。

 Fというこの会社は責任者としてフィリピン人を置いていた。業績によって厳しく査定されていたそうだ。あるときから、この責任者がこともあろうか守衛所にいるではないか。要はいやなら自ら辞めろ、ということだ。確かに彼はやがて辞めて行ったが、日本人の感性なら、守衛所に入る前に辞めるだろう。

 弁護士に聞いても、微妙な線ではあるが、違法とは言えないという。明らかな嫌がらせは別として、必然性があるかどうかだ。そうか、それなら総務部長Tへの対処、やってみよう。

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October 05, 2007

第240話 スズメバチ

Himg0043 拙宅に知らないうちに巣を作られてしまった。蜂の巣なのは見れば分かるが、高いところにぶら下がっているので、種類は分からない。山仕事のHさんに見てもらったら、やはりスズメバチだという。さすがのHさんも「スズメバチじゃ俺でも手は出せない」そうだ。ただ、何もしなけりゃ、あっちも何もしないから、放っておいていいそうだ。冬には女王蜂は出て行って、働き蜂は死ぬからそのままにしておけば?と言う。

 スズメバチは主に東南アジアに多くが生息しているそうだが、フィリピンでは全く気にしたことが無い。蜂に寄り付かれるよりはまだヤモリの方がいい。たちの悪い住人に住み着かれた家主の心境だ。早く出て行って欲しい。

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