December 27, 2007
December 24, 2007
第250話 運動不足
日系企業の駐在員にとって誰もが感じることは運動不足だ。何しろ所謂通勤がない。door to door でドライバーが玄関から会社まで運んでくれる。しかもカバンまで会社の机まで運んでくれるから全くの手ブラ。ちょっとでもエグゼクティブ?に負担をかけたら中間管理職の総務部長から叱られるので、運転手に手抜かりはない。
そこで運動。海が好きな人はダイビングという手があるが、中高年の男性諸氏には、お手軽なゴルフ、というのが定番だ。しかしこのゴルフは汗をかいて歩くという点では良いのだが、体を鍛えるという面でのエクショサイズではない。駐在後次第に体力の低下を感じるようになる。手軽に、という点では走るのが一番。ところが、何しろフィリピン。暑い。
住んでいたビレッジはさほど広くない。ゲートから100メートルで壁に行き当たる。毎週日曜はこの往復200mを10往復走ることにした。日本にいればもう少し長く河川敷を走ったりするが、ここはさすがに暑い。
ガードたちは“Good morning sir”と声はかけるが、何やら訝しげである。無理も無い。こんなことやっているフィリピン人はどこにもいない。彼らは木陰で寝転がっている。それでも毎週続けていると、やっている目的は分かるらしく、1往復くらいは一緒に走る者まで現れた。そうこうしているうちに触発されたのか、ビレッジ内の他のKという日系企業の人も頭にタオルを巻いてジョギングを始めた。
そうか、みんな同じ事を考えていたんだ。駐在員にとって、健康だけでなく体力の維持はプライオリティの高いテーマだ。
ところで、そんなフィリピンから太って帰国しそうなものだが、体重はむしろ減った。これは会社の昼食やメイドの出す食事で食欲をそそられず、食べる量が減ったからだろう。
December 19, 2007
第249話 クリスマスデコレーション
この時期のフィリピンはクリスマス1色。マクタンの加工区でもどの会社も外壁を中心に飾り付けられている。しかもお互いに張り合うかのような力の入れようだ。こんなときにいつも張り切るのはM部長。昼行灯とか5時から男とかいう言葉もあったが、彼は仕事に関しては格別の力の発揮はないものの、こういう行事では放っておいても事を成し遂げる。
加工区の別の日系会社の方から、妙な褒められ方をした。曰く「お宅の会社のイリュミネーション、毎年立派ですねえ。うちの社員からあれくらいやりたいので、金を出せって言われているんですよ。」 (そう言えば、そんな出金伝票みたことないが、どれだけカネ使ってるのかな?)まあ、さすがに勤務時間中にはやっていないようだが、気持ちがそちらに行き過ぎだ。総務部長に話して、周囲へのエスカレートの引き金になっても具合悪いので、自粛させた。
今朝のNHKの番組でカピス貝を使ったパロルの製作風景が紹介されていた。ひとつひとつ手造りな感じがいい。南国のクリスマスによく似合うアイテムだが、日本でも流行らないかな。
December 14, 2007
第248話 皇居
日本にあってフィリピンにないもの(まあ逆もあるが)。いくつかあるが、国の体制は全く異なる。君主の存在である。確かに象徴天皇ではあるが、外交儀礼上は元首として扱われ、外国からは日本は立憲君主国として看做されているそうだ。ここ数十年で多くの国が君主制から共和制に移行し、残り少なくなった立憲君主制というのも案外誇らしいモノなのかもしれない。
が、そんな議論はどうでもよく、実は先日、皇居の一般参観というものに参加してみた。普段入れない門の中に入れる、というだけのことだが、いつも外から見ていて内部はどうなっているのだろう、と思っていたので、良い機会だ。
が、しかし、大したことはなかった。さすがに御所の方まで入場できるわけも無く、敷地内の一部分を見せてくれた、という程度。皇宮警察という性質上やむを得ないが、小学生の遠足宜しく整列行進を求められ、窮屈この上ない。
さらに気分を害するのは、無分別な外国人観光客(何故か少なくない人数で来ているのだ)。入るな、と言われてもどこでも入って写真を撮ろうとしたり、大声でぺちゃくちゃ。まあ、どこの国の人達かと言えば、ご想像の通りである。
一応、中に入らなければ撮れない写真であるが、正直言ってあまり行く価値はなかったかな。(左は宮内庁庁舎、右は富士見櫓)
December 07, 2007
第247話 ブランドNew(2)
前回の話の続きになるが、日本の商品の信頼性の高さは、最終のアセンブリメーカーの技術力も然ることながら、ひとうひとつの部品の完成度の高さが下支えしている。
以前私がフィリピンで使っていた、フィリピン製のギャラン(7年物の中古を買った)は始めのうちは良かったが、やがてトラブルが目立ち始めた。オータネットが突然機能しなくなったときも慌てたが、ある時期から異常にエンジン音が高くなるようになってきた。知り合いの修理工場のオーナーに見てもらったら、音だけでなくボンネットも熱いと言う。後日クルマは引取ることにして、取り敢えず彼に任せた。
数日後彼の作業場に行ってみると、すでにメンテナンスは終わっていた。スイッチを入れると、確かに音は格段に静かだ。
「ラジエターが錆びていたから、取り替えておいたよ。」と彼は胸を張って言った。ボンネットを開けると、確かに真新しいラジエターに付け替わっている。
「友達だから、特別価格だよ。」といって見せた彼のメモには書かれていた数字はPHP2,450。新品のラジエターに工賃、確かに安いが、そんなものなのかなあ。
数日後、アルタビスタに向かう急坂を登り、クラブハウスの駐車場にクルマを止めたときのこと。ボンネットからかすかに白い煙が上がっている。シューという音も聞こえてくる。慌ててフードを開けるともの凄い熱い水蒸気だ。よく見ると1箇所にピンホールらしきものがあって、そこから噴出している。おいおい、新品じゃないのか~。
帰りがけに彼に電話して、再び修理工場に持ち込むと、彼はさかんに「新品なのに信じられない。」といって首を竦めていたが、どうなのかな。恐らく交換したラジエターは中古品でリペイントしたものじゃないか。まあ、修理工場に持ち込むと、良いパーツは抜き取られて中古品と取り替えられてしまう、ということも聞いていたから、それが無かっただけでも良心的だったということになるのかな。
December 03, 2007
第247話 ブランドNew
フィリピンにいて、日本のモノを見ることは決して稀なことではないが、ものによっては結構感動してしまうものもある。
“○×工務店”とか“○×鉄道”などと書かれたトラックやバスを見かけると、懐かしく思うとともに、そのまま使っているフィリピン人の大らかさもいい。それらの車両から「バックします」などとという日本語のアナウンスが聞こえたりすると、思わず笑ってしまう。島々を結ぶフェリーはフィリピンでは重要な移動手段だが、これらのボートも日本の中古船が多い。船内では“定員250名”などの日本語のプレートや注意事項が書かれた日本語の案内などもそのまま貼られていたりしている。
日本で使われなくなったものが、海外では未だ現役で立派に活躍しているものは少なくないが、これは日本人のモノ作りに対する確固たる信頼だ。自動車でも日本からの輸入中古車(2年前から輸入は禁止されているが)を、彼らはbrand newと呼んでいた。日本国内ではスクラップ扱いの中古の自動車部品も輸出されている(バーゼル条約上、どうなのカナ)。
今でも、日本のメーカーのデジカメやちょっとした電化製品は土産としても大変重宝される。壊れずにいつまでも使える、という我々にとっては当り前の信頼感も海外では大きな売り物だ。先人の努力に感謝せずには居られない。

