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February 29, 2008

第258話 “よっこらしょ”

 昨日、近所の交差点で交通事故を目の前で見た。事故と言っても乗用車同士の小さな事故だ。そこは住宅地の中の交通量の少ない四つ角で、一時停止の線が引かれていても、止まらずに徐行程度で通過する車を結構見かける。互いに相手が避けるだろうと思ったのかもしれない。

 フィリピンでは、ビレッジやデパートの入口、加工区内の交差点では必ずと言って良いほど、見かける例のカマボコ型の盛り上がり。あれを正式になんて呼ぶのか知らないので、私はあのカマボコを“よっこらしょ”と名付けていた。特にマクタンの加工区内のそれはかなり段差もあって、どのドライバーもかなりゆっくり通過する。あれは強制的に減速させるのになかなか有効だ。

 国内では自動車のみならず、最近ではマナーの悪い自転車すらも交通事故の加害者になりつつある。いくら啓蒙したところで効き目など無いのだから、強制的にルールに従わせる細工も必要だ。cat

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February 25, 2008

第257話 鉱物資源

 原油だけでなくあらゆる鉱物資源の価値が高騰している。日本は国土は狭いながらもEEZを含む面積は447万平方kmと世界第6位に躍り出る。特に南方海域はレアメタルの埋蔵が有望視され、いずれ更に脚光を浴びるようになるだろう。地図をちょっと見ただけでも分かるが、南鳥島、小笠原、硫黄島、沖の鳥島、南大東島などは非常に小さい島ながら、効果的な位置に浮かんでおり、まさに孤軍奮闘の離れ島だ。

 一方のフィリピン、こちらも海洋国家だ。国土面積は日本の80%程度だが、やはり海洋面積を含めると世界第10位に躍進する。しかも鉱物資源も意外と豊富で、確認されている埋蔵量だけでも金は世界3位、銅が4位、ニッケル5位、クローム6位と経済効果も大いに期待できる。はずなのだが、いくつかの投資ファンドを見てもフィリピンをテーマにしたものは見かけない。事業としての採算リスクなのか?国の信用度によるリスクなのか?このあたりはよく分からないが、まだしばらく追いかけてみたいテーマだ。dollar

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February 18, 2008

第256話 戻ってこない人たち

 まずは良くあるパターンでメイド。帰省したまま帰ってこなくなり、そのまま音信不通という話はよく聞くが、多くの場合で給料の前借りをしている。戻ればしばらくは返済のためタダ働きとなってしまうので、戻る気にもならないのだろう。もたもたしているうちに、雇い主からの叱責をおそれたり、恩知らずのレッテルを貼られることへの独特の恥の価値観があったりで、いよいよ戻れなくなる。

 メイドばかりではない。会社員でも突然来なくなる人たちもいる。

 総務にいたスーパーバイザーLはある日突然無断欠勤が始まり、そのまま来なくなった。どうやら同僚達の話では、浮気がバレて、奥さんから家を追い出されたらしい。また、流暢な通訳であったIさんは、母親が亡くなり実家に葬儀のために帰省した。こうなると1週間くらいは戻ってこないだろうと予測はしていたが、10日経っても半月経っても戻って来ない。その間、連絡は無いままだ。やっと連絡が取れたと思ったら、お母さんが死んでからというもの働く意欲が湧いてこない、と言う。

 日本人の感性で仕事をしていると、こういった場合には多大なストレスを感じる。アテにしていた分担を一方的に突然放棄されてはたまったものではない。フィリピンで仕事をする際には、特定の人に多くを依存することなく、常にバッファを持った状況が必要だ。gawk 

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February 08, 2008

第255話 欧米志向

 さて、早期退職した彼らは何をするのか。技術者や特殊な能力を持つ者はほぼ同等の条件で再就職の道はある。当時はちょうど第2加工区に新たな企業の進出もあったし、何しろLと言う米系のプリンターメーカーが盛んに人材の横取りをしていた。

 一方で、これを機に海外へ移住した者も少なくない。フィリピンから有能な人材がより良い待遇を求めて海外に流れるのは最近の傾向であるが、知っている限りでも退職後3名が移住している。一人はニュージーランドへ、別の一人はカナダへそれぞれ家族を連れて向かった。女性でアメリカ人と結婚し、米国に渡った者もいた。元部下のJ氏もやがてはカナダへの移住を考えている。特にカナダは移民受入にしっかりとした計画と体制を整えているので、彼らにとっても最もあこがれる国らしい。

 残念なことに知り得る限り日本に渡ったものは皆無だ。行きたいという者も極めて少ない。無理もない。英語圏の彼らには言葉が通じない日本に行く必然性がない。しかも、悪いことに多くの日本人にはアジアからの人達を安価な労働力としか捉えない風潮があり、国としての受入に対する意識も後ろ向きだ。いずれ外国人の助けを必要とする日本だが、彼らにとってあまり魅力がない、というのも政治課題のひとつだろう。

 

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February 03, 2008

第254話 早期退職

 フィリピンで製造業を営む事業者にとって、そのメリットといえば、手先が器用で安価な労働力ということに尽きる。従って人海戦術的な労働集約産業が集まりがちだ。ところが、市場は需給の変動が大きく、固定的に製造現場で多くの社員を雇うにはコスト的なリスクを伴う。

 一度だけ駐在している間に人員整理をやったことがある。勿論法令上フィリピンでも指名解雇は出来ないし、首尾よくやらないと恨みを買うモトにもなる。社員全員に平等に募らなければならない。

 それにしても日本国内での大手企業の早期退職に比べて、フィリピンでの割増額は驚くほど少ない。実施した条件も最大で基本給の6ヶ月である。平均的な社員ならせいぜい5万ペソがいいところ。マネージャでも20万ペソ程度だ。再就職の道も容易でない状況でこの程度でどれだけの者が惹かれるだろうか。先のことは気にしない気質としても、ちょっと電卓叩いて、今後の安定かつ継続した収入と比べれば答えは決まり、のはずだ。

 ところがいざフタを空けてみると、いるわいるわ。社員数3千名に対してなんと7百人以上が応募してきた。一般社員のみならず、マネージャクラスも部長が2人、課長クラスも4人いた。しかもマネージャクラスは概ね退職勧奨したかった人達だ。日頃の評価を妥当にやっておけば、彼らも退職の機を窺い、少々のプレミアムで円満に退職する。一時的にはコストもかかるし、乱発できるやり方ではないが、組織内の煙突掃除も出来るし、やりようによっては有効な手立てだ。

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