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March 21, 2008

第266話 ハンマーム(2)

 捨てる神あれば拾う神あり。どうしたものかとトボトボ歩き始めると、見た目も爽やかな青年が「何を探しているんだ?」と聞いてきた。今度はさっきのおじさんと違って、なかなか流暢な英語だ。

「ハンマームに行こうと探しているんだけど、どこに行けばいいんですか?ハンマームといわれて来たら、そこはトイレだったし、通りの向うのハンマームは女性が出てきて入るな、と言われた。」

「ああ、ここではトイレもハンマームというし、向うのハンマーム、あなた入ったの?」

「いや、入ろうとしたら、女の人が怒った。」

「おいおい、あそこは女性専用だよ。」

…そうだったのか、女性が顔さえ見せないこの国で、女風呂になんか入れるはずは無い。道理で凄い剣幕だったわけだ。

 親切にも彼はオールドサナアホテルの近くにあるハンマームまで道案内してくれ、中に入ったらどうするか、裸になるまで付き合ってくれた。

 中に入ると、硫黄のような臭いが立ち込めていて、とにかくムンムン。汗をかきながら座っていると、恐そうな顔つきのお兄さんがやってきて、何やら特殊なグローブをはめて私の体を擦り始めた。痛くは無いが、何しろ垢がぼろぼろ取れる。俺はこんな垢だらけな人間だったのか、と思いつつ周囲を見ると、みんなの視線がどうやらこちらに集まっている。垢すりが終わるとマッサージだ。マッサージと言ってもフィリピンのように可愛い女の子がやるなどここではあり得ない。あー、またさっきの兄さんだ。いきなりアクロバットのような格好をさせられたかと思うや否や、グイッと手を引っ張って海老反りにされた。

「イテテテッ!」

痛みを感じたときのこの表現はイエメン人には奇妙だったらしく、みんなが笑いながらこっちに視線を集める。何回か同じ作業が繰り返され、そのたびに苦痛で顔がゆがむ。そして、みんながこっちを見て声をかけてくる。アラビア語だから何を言っているのか分からないが、目を見ると皆優しい目をしているから、一応は歓迎されているのかな?

 ホテルに帰り、共同トイレ(安ホテルだから専用のバスルームがない)に行くと、入口には小さなプレートに確かに“ハンマーム”と書かれていた。toilet

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Comments

テレビで見たことあります。
ドーム型のサウナですね。
ヒゲもじゃの男達も目はやさしいんですね。

Posted by: nori | March 21, 2008 at 11:44 PM

そうなんです。彼らは恐そうな顔をしていても、気さくで親切な人が多いです。でも人によってはチップの要求がしつこい人もいます。

Posted by: 富嶽庵 | March 22, 2008 at 02:50 PM

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Posted by: minecraft free | September 17, 2014 at 02:40 AM

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