イエメンに行くためにはドバイで乗り換えるのが一般的だ。ここは最近では高級リゾートが次々に開発され、とてもアラビアとは思えないような光景が拡がる。もっとも私には高級リゾートは然して興味の対象ではない。それと、もの凄い勢いの建設ラッシュのため上海の浦東と似たような風情で、あまり味わいは感じられない。 帰りのフライトはドバイでの待ち時間が12時間ほどあり、入国にはビザも要らないので、ちょっと街の散策に出た。
さて、一体ここはどこの国なんだ?顔ぶれを見ると90%以上はインドかパキスタン辺りの南アジア人だ。アラビア人はほとんど見かけない。空港からゴールドスークに向かう超満員の路線バスに乗ったら、運転手さえもインド人っぽい。金持ちのアラブ人はこんなゴミゴミしたところに居らず、違うところに居るのか。
スークの主もほとんど南アジア人。レストランもそれらの店が多く、独特のスパイスの香りがそこらじゅうから漂ってくる。ここでアラビアらしさを求めることは今や出来ないようだ。
金曜の午後ということもあって、道路も混んでいて、タクシーもなかなかつかまらないので、ひたすら歩いた。事前にドバイでは日中1kmも歩くと暑さでぶっ倒れると聞かされていたが、まだそんな時期でなかったので助かった。この街は深く切り込んだクリークで東西が分かれていて、“アブラ”と呼ばれる渡し舟を使う。片道5分程度だが、1ディルハム(約25円)と安く、しかも周囲の景観も楽しめるので3回も乗ってしまった。クリークの中はこの渡し舟で過密状態で、ガッツンガッツンぶつかりながら走ってゆく。手すりなど無いからじっと座っているしかない。
ゴールドスークは貴金属のショッピングが大好きな人には楽しいところだろう。歩いていても、ショーウィンドウの中のゴールドが眩しい。買い物をしようと思っていたスパイススークは金曜だからなのか、スーク全体が閉まっていた。
ところで、これだけのハブ空港でありながら、空港内はあまり整然としていないし、それにトイレが少なく、かつ汚い。それに乗り換え待ちの人たちがあちらこちらの通路に寝そべっていて、一昔前の京成上野駅さながらだ。ドバイ自体を目的地に再びここを訪れることはないだろう。