第282話 貿易赤字
ややペソが下げ足を早めている感がある。それぞれの立場によって歓迎材料か否かはわかれるところだ。但し、当のフィリピンにとっては背景が歓迎せざる状況からの動きなら気になる動向だろう。
ここ最近のデータでもGDP7.4%とASEAN諸国の中でもベトナムやマレーシアと並んで悪くないし、失業率や物価上昇率も比較的安定した推移だった。それでも上記2カ国と大きく違うのはエネルギー資源の有無だろう。既にエネルギーに加え、食料の輸入が額において急上昇している。しかも不安材料は電子部品の輸出入の動きだ。フィリピンでは電子部品の素材を輸入してその加工品を輸出するのだから、最近の電子部品輸入額の減少は電子部品輸出額の減少となって数字に表れてきそうだ。
そうなると、ただでさえ若干の貿易赤字であった状況は、エネルギーや食料の輸入額が膨らむ中で、さらに顕在化するのではないかと予想される。最近のミニマムウェッジの引き上げもどうかと思う。純粋に労働力の需給バランスの中で自然に上がるなら良いのだろうが、法律で強制的に引き上げるとなると、海外からの投資家の心理も冷えそうだ。
様々な商品の価格高騰の恩恵に預かる国もある中で、残念ながらフィリピンはどうやら取り残されている印象だ。

