« 第329話 バザール | Main | 第331話 海外で携帯電話 »

April 27, 2009

第330話 行かれなかったところ

 終戦の頃には多くの日本人がシベリアに抑留されたが、旧ソ連の中央アジアにも多数が連行され強制労働に従事させられた。戦争の悲劇と言えば同じはずだが、内地での惨事に比べて、外地で過酷な条件の中で亡くなられた人々はあまり話題にされず、いささか不公平である。

 ウズベキスタンにも相当数の日本人が連れてこられて鉄道建設やビルの建設に使われ、多くの人々が祖国に戻ることなく亡くなっていったそうだ。彼らの仕事ぶりは立派なものだったらしく、大地震で多くの建物が倒壊する中で、彼らが建築した建物は倒れることなく今でも残っているそうだ。首都のタシケント郊外にも日本人墓地があるというので、帰途には是非立ち寄りたいと思っていた。ちょうど飛行機の時間には5時間くらい余裕がある。

 列車はほぼ定刻通り、15:30頃タシケント駅に到着。タクシーの客引きがどっと集まってくる。ところが困ったことにここでは英語の通じる運転手は全くおらず、ガイドブックの地図でこの辺り、と指さしても仲間同士であーだこーだ。当然と言えば当然だが、地元の人には用の無い場所だから、運転手でも知らない場所なのだ。終いには指で30を描いて30ドルだとほざく。いくら外国人で足元を見るにしても度が過ぎる。距離は10キロもないはずだ。天気は土砂降りの雨だし、万一現地で帰りのタクシーが見つからなかった時のことを考えると、あまり時間的なリスクも取れない。後ろ髪を引かれる思いのなかで、結局、断念し空港に向かうことにした。

 

|

« 第329話 バザール | Main | 第331話 海外で携帯電話 »

Comments

I enjoy reading through an article that can make men and women think. Also, thank you for allowing for me to comment!

Posted by: real gold watches | November 27, 2013 at 07:12 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/91498/44811759

Listed below are links to weblogs that reference 第330話 行かれなかったところ:

« 第329話 バザール | Main | 第331話 海外で携帯電話 »