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February 25, 2011

第398話 基隆

 ちょっと駆け足だったが、九分もひと通り歩いたし、バス停でバスを待つ。時刻表もないからいつ来るのかわからない。薄ら寒い中、傘をさして立っているのもあまり快適ではない。客待ちのタクシーのおじさん達がチラチラこちらを見ていたが、その気はないので手を振った。20分ほどして、基隆と表示されたバスがやってきた。例によって“手話”で料金を確認して支払う。NT$55程、約50分で基隆の波止場の前で降ろされた。

 基隆は大きな物流港で想像していた以上に大きな都市だが、見どころと云えるようなところは少ない。目的は夜市だが、場所がわからない。バスターミナルの案内に尋ねたら、おばちゃんは地図を描いて英語で説明してくれた。夜市といっても昼間から賑わっている。本来は雑貨屋や薬屋、衣料品店などのようだが、どの店も店先に屋台を出していて、地元の人達が入れ替わり立ち替わりサッと食べて去ってゆく。見たところ観光客は少ないようだ。

Photo_3  もう15時頃だが、まだ昼飯を食っていなかったので、比較的客が多い屋台で数人が座っていた椅子の間に割り込む。取り敢えず目の前に山盛りに盛られている油飯を頼む。それからいい匂いのするするスープを指差して注文。スープと言っても肉団子がゴロゴロ入っていてボリウムもそこそこある。腹も減っていたのでとにかく旨い。特にスープはあちらこちらの店から匂いがして我慢できなかったのだ。一気にスープを飲み干してから他の客の挙動を見て後悔をした。彼はスープに麺を入れてもらっている。しまった、こうすりゃ良かった、と思った時はもう後の祭り。八角の香りだろうと思うけどこんなに安くてこんなに美味しいスープは滅多にない。しめてNT$60(200円程度)ですっかり至福になってしまった貧乏人根性も情けないが、大体において我が国で中華料理を看板に掲げている“食堂”にはもう少し味の勉強をしてもらいたいものだ。この屋台がB級グルメにエントリーしたらぶっちぎりで優勝すること請け合いである。Photo_2

 夜市自体はそれほど規模は大きくないので、20~30分もあれば、グルッとひと回りできてしまう。さて、港でも眺めて帰りの算段でもするとしよう。

 

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February 20, 2011

第397話 九分

 さて、平渓線で十分の町も見たし、また瑞芳に戻る。雨はなんだか更に本降りになってきている感じ。昼前には瑞芳駅に戻った。

さて、どうすればいいのかな?九分に行くにはバスなら20分となっているが、どのバスにのったらいいのかわからない。基隆―金瓜石と掲示されたバスがやってきたので、九分と書いたメモを見せてバスに乗ったら、ドライバーは手を振り、反対側を指差した。でも反対側にはバスはない。とにかくこのバスでは基隆に行ってしまうようだから、道路を隔てて反対側にわたる。数分して同じサインのバスがやってきた。運転手はメモを見て首を縦に振る。料金はNT$15だ。途中から道はヘアピンカーブの連続となり、ぐんぐん高度を稼ぐ。なんだか熱海から箱根に上る道路を思い出す。風情がそっくりなのだ。

 特に車内アナウンスはないが、それらしい風情のところに来たので、またメモを見せて降車。運転手も指でここだと指していた。九分は明らかに観光地のようである。狭い昔風の路地の中を歩く。傘をさせばすれ違いざまにお互いに邪魔になるし、かといってささないと濡れる、という感じの狭さだ。まだ昼飯を食っていないので空腹を感じるが、これまでと比べて少々高い。高いといっても麺一杯で250円くらいのものだが、パス。土産物屋が盛んに声をかけてくる。さて、この基山街の外れまで行くと展望のよい崖っぷちに行きつく。ここは晴れていればまさに絶景であること請け合いだが、この天気では遠くの海は霞んで見えるだけ。それに下から吹き上げてくる雨混じりの風が冷たい。Photo

 千と千尋の神隠しの舞台となった?と言われる賢崎路の石段を下る。それなりの風情があり記念写真を撮っている人達の姿をやたら見かける。下りきるとバス停だ。さて、まだ台北に戻るには早い。基隆の夜市に行って遅い昼飯としよう。

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February 11, 2011

第396話 平渓線

 今回、最も楽しみにしていたのが、平渓線に乗ることだ。十数キロの短い区間を40分近くかけて走るローカル線だ。途中では車窓から渓谷の風景が広がる楽しい旅である。はずであったのだが、昨日と同様に今日も朝から雨。

 瑞芳までの台鉄の切符は、昨夜のうちに台北駅で指定席の特急も手配しておいた。45分くらいの乗車でNT$78だからヒジョーに安い。瑞芳では駅のホームの端っこで平渓線の切符を売っているが、平日だからか、あまり乗る人はいないようで拍子抜けでもある。さて、NT$14で1日券を買って電車(と言ってもディーゼルだが)を待つ。やってきた車両は全く味気ないほどのごく普通の車両だ。3両編成だが、乗客は全部合わせても10人程度。殆どが地元の人のようで、観光客らしき人はこの車両では見当たらなかった。

 平渓線が本線と分かれたあたりから、俄然風景が変わってくる。ちょうど青梅線が二俣尾を過ぎたあたりのような景色をもう少し雄大にしたような風景が右に左にと広がる。次の大華駅で降りて十分瀑布まで歩いて行くことも考えたが、このうすら寒い雨ではその気にもならず、ここは通過。

 一番のハイライトは次の十分の駅付近の風情だ。観光でこの電車に乗って、ここで降りない人はいないだろう。ちょうど江ノ電が人んちの軒先をこすって走るような、そんなレトロな風景だ。線路の上さえも生活空間になっていて、電車が走っていない時間帯は、全くアズ・ユー・ライクな感じ。

 普段は何の儀式でやるのか??だが、線路の上で赤いバルーンのような提灯のようなものを飛ばそうとしている人達を見かけた。火をつけて、風船の中が暫くして暖まるとやがて上昇していく。空が青ければなかなか見応えがありそうだ。火が消えればどこかに落ちてゆくのだろうけど、落ちてきた場所にしてみれば迷惑千万とも言える。Photo

 やがて電車がやってきた。人々はおもむろにその時だけ線路から離れる。

 平渓線はここから先は景色もやや単調になる。終点の青銅駅周辺もこれといったものは見当たらず、経済発展から取り残された寂れた駅前は見ようによっては風情がなくもない。

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February 05, 2011

第395話 カラスミ

 さて、夕方も近いし、そう遠くへも行かれない。さりとてホテルに戻るには少し早い。で、どこだったか衛兵交代の儀式が毎正時に行われると書いてあったのを思い出し、旅本を見た。台湾民主公園(蒋介石の紀念堂)、これならMRTで士林から30分もかからない。しかも儀式は17時が最終で、最後の儀式は撮影OKとなっている。これで向かう先は決まった。

 中正紀念堂駅から歩いて数分。かなり広い公園だ。すでに写真撮影をしようと構えている観光客らしき人たちが大勢いる。17時は最後だから交代はない。紀念堂の衛兵の任務を終えて離れて国旗を降ろす、というのが彼らの任務だ。全員身長は180cm以上と決まっているらしい。カッカッと靴音を鳴らし一糸乱れず更新する様子は見事だ。それでも記念写真を撮ろうとする人達が纏わりついているのが見苦しくいただけない(自分もその中の一人なんだけど)。Photo

 駅の近くには南門市場がある。市場といっても雑居ビルの中である。もともとこういう場所を覗くのは嫌いでないから、自然と足が向く。ましてやここは台湾。カラスミがチラッと頭をよぎる。国内でデパートで買えば5千円近くする(もっとも自分は買ったことはない)、というから、なんとか値切ってひとつ千円くらいで手に入れられれば、と思い物色した。殆どは値札シールが貼ってある。小さいものでNT$250くらいだから想像以上に安い!(こういうところでは値切るものだ)と思っていたので、NT$280のものを2つ手に取り、500!と指で合図した。ところがその婆さんは渋い渋い。首を横に振り、指で5と6を示し、ビタ1文引かない引かない構えだ。それではと、5と2で応酬したが、相変わらず5と6で返してくる。ややっ、こりゃ本当に正札でしか売らないつもりか。それでも行きがかり上、意地でも値引きさせないとこちらも面子が立たん、と、こちらもまるで子供のような精神状態。5と3を出したが、婆さんは頑固に首を背ける。それじゃあ、と手にしたカラスミを置いて、手を振ってその場を去ろうとしたら、その婆さん、5と4を出してきた。ついに根負けをしてNT$540で買ったものの、たかだかNT$20(60円くらい)負けさせるのに随分エネルギーを使ってしまった。

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