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April 29, 2011

第408話 白タク?

 市内に出るときはどのバスに乗ってもザグレブの中央駅に出るからいいけど、帰りは乗るバスを間違えるとトンデモない目にあう。ホテルでは何番系統のバスに乗れば戻れるか尋ねた。フロントの女性は親切で、降りるバス停の名前も書いてくれた。そして、乗ったらこのメモを運転手に渡せと。

 それでも夜ともなれば辺りの景色も分らず、まだかまだかと不安が募ってくる。でも運転手は忘れてはいなかった。20分ほどで停留所に停まったところで、こちらを振り向いて「ここだよ」と合図してくれた。

 さて翌早朝、今度はいよいよ帰国の為の移動だ。この時間バスはないからまたタクシーとなる。また2000円くらいかかるのか、こんなことなら多少遠くても市内に泊まってエアポートバスで移動した方が結果安上がりだったな、などと思いつつロビーでタクシーの到着を待つ。10分ほどでフロント女性から「来ましたよ」と声がかかった。が、外に出てもそれらしいクルマは見当たらない。一人のおばさんがクルマの中を掃除しているくらいだ。中に戻って「タクシー見当たりません」と言うと、さっきのおばさんが入ってきてこっちこっちと手招きしている。

 どうやら白タクのようだ。こうなるとメーターがない分いくら取られるか分ったものでない。空港までいくらだ?と聞いても通じない。おばさんは愛想よく荷物をトランクに入れ、もう発車態勢。えーい、こうなったら、往きより高い金額はゼッタイに払わんぞ、と腹を決める。おばさんは分らない言葉でナンダカンダ話しかけてくる。外を見ればようやく空も白みかけてきているが、そんな光景より、着いたときにどう交渉するか、で頭は一杯だ。

 やがてディパーチャーエリアに到着。さあ、書いてみろ、と言わんばかりにおばさんに紙とペンを渡す。彼女は70と書いて見せた。およよ、なーんだ、取り越し苦労だったじゃないの。1200円くらいだ。そうだよ、ここにはそんな悪い人はいないよ、などとさっきまでの人間不信は都合良くどこかに行ってしまった。終わりよければすべてよしというが、おばさん、疑ったりしてゴメンナサイ。Photo

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April 27, 2011

第407話 ザグレブ

 大体において、私は天気との相性は悪い方で、この1週間、ずーっと曇り空の中を旅してきた。それが、どうだ。帰国モードに入った途端に朝から快晴である。エアポートバスの方が安いには安いが、世話になったついでに空港までいくらで行ってくれるか、手振りを交えて聞いた。お婆さんは孫に電話をして聞いていたが、紙に€20と書いた。タクシーでは30~35くらいかかるらしいから、妥当な金額に思えた。来たときにバスターミナルに来ていた若い兄さんが来るのかと思いきや、迎えに来たのはビックリするくらい美人の若い女性。彼女もやはりお婆さんの孫だそうだ。いや~、何か手土産が残っていたら渡すところだったが、もはやそれらしいものは残っていなかった。 

 さすがにドゥブロブニクからザグレブは距離的にバスはシンドイので飛行機で移動した。ドゥブロの空港は一応“国際空港”ということになっているが、建屋は学校の体育館くらいの大きさでしかなく、これに比べればあのセブマクタン空港の方が遥かに立派だ。それでも荒涼とした広大な景色の中を歩いて小型旅客機に乗り込む様はなかなか絵になる光景で気に入った。

 さて、ザグレブでは、翌朝が早い、ということで空港近くの安いホテルをとってあった。「空港からタクシーで5分」と書かれていたので、タクシー代も大したことなかろう、とタカを括っていたのは失敗だった。道路が広くビュンンビュン飛ばすので、確かに5分だが2000円もかかってしまったのは痛い。

 問題はここと市内の往復だが、ホテルの近くに幸い中央駅まで行くバスの停留所があり、取り敢えずは往きは問題ない。バスも10分程度でやって来た。運転手に10クーナ支払う。運転手からペラペラの小さな乗車票を受け取り、車内のレジスター機に差し込み乗車時間を印字する。こうすれば、この小さな乗車票で90分ほどはどの市内バスも乗り放題ということになっている。

 バスは空いていた。向かい側には顔中髭だらけの年齢不詳の男性が座っている。こちらを見て何かを喋ったが何を言ったか、全く理解できなかった。すると突然持っていたギターケースからギターを取り出し、弾き語りを始めたのである。公共の路線バスの中ですよ。他の乗客と言えば学校帰りの中高生くらいだが、彼らのうち何人かも一緒になって歌っている。これが日常的な光景なのか、みすぼらしい東洋人旅行者へのサービスなのか、どっちかな?

Photo_2   ザグレブの市街地は、きれいに近代化されている分、サラエボ、モスタル、ドゥブロと移動してきただけに、今一つ印象が薄い。一番の印象はさっきの髭もじゃのオジサン、ということになる。

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April 26, 2011

第406話 ハンバーガーとビール

 昼飯に何を食おうかと迷った時、そしてその国の食べ物がまだよく分らないときに手っとり早いのはハンバーガーだ。どんなものかは大体万国共通だから、トンデモないものが出てくるということはあまりない。

 ドゥブロブニクの旧市街でもファストフードの店はある。で、ハンバーガー2個とポテトフライを持ちかえりで注文。波止場のベンチで海を眺めながらのランチも悪くはなかろう。と思いつつ、出てきたモノを見て目が点になった。大きさが半端じゃなくデカいのだ。ポテトフライもこれでもか、というくらい詰め込まれている。こりゃとても昼飯で食べ切れる量ではない。結局、波止場のベンチでハンバーガーを1個だけ食べ、ポテトフライも大半は残ったので、一旦、宿に持ちかえることにした。こういうときは、旧市街の近くに宿があるのは非常に便利だった。まあ、ドゥブロでの最後の晩は宿のベランダから旧市街の灯りでも眺めながらポテトとデッカイハンバーグでビールで、というのも案外いいかも、と前向きに思考を修正。小さなスーパーは宿から東に数百メートルのところに1軒あったのは知っていたので、市内見物の帰りに寄ればいいだろう、と再びカメラとヴィデオを持って繰り出した。

Photo  プラッツァ通りでは何の行事かは分らないが、仮装大会のようなパレードでごった返している。観光地にありがちなパフォーマンスを繰り広げている人など、活気があってそれはそれで楽しいものだ。そのあとで、ロープウェイに乗ってスルジ山の山頂にも行ったが、曇っていたので写真は撮れなかった。この山頂からの写真はドゥブロブニクを紹介する際によく使われるほどで、見事なパノラマを期待していたんだけど、残念~。

 日も暮れてきたので、ビールとチーズでも買って、シャワーを浴びて、ベランダで…、と思いながらスーパーに向かった。

 が、ガーン…。店が閉まっている。さっき通った時は開いていたのに…。この店は閉めるのが早いようだ、と気を取り直し、すれ違った人にスーパーはないか、尋ねたら、何を言っているか分らなかったが、あっちの方と言いながら指差しているので、その方に300mくらい歩く。再びガーン…。ここも閉まっている。

 そう言えば、ヨーロッパの古い町では飲食店を除き、夕方の5時頃には全ての店が終わってしまう、と聞いたことがあるが、どうやらここもそうらしい。これは困った。ビールもなしにハンバーガーだけの晩飯など許される話じゃない。ここはアラビア半島じゃないんだから。いくつかの“解決策”が頭をよぎる。①プラッツァ通りのカフェでビールを2~3杯飲んで、あとで宿でシメとしてハンバーガーを食う②ハンバーガーはすぐに腐るものでもなかろうから明日の昼飯にするとして、今夜も外食とする。いずれにしてもまた旧市街に戻ることにした。坂道が多いから何度も行き来するのは辛いが、ビールの為には仕方ない。

 最後の晩だからと、まだ通ってない通路を歩いたのが正解だった。小さいながらスーパーを発見!ビールもチーズもある。たかがビールでこんなに感激したのはイエメンで中国産のビールに出会ったときくらいだ。散々歩いたし、やっと手に入れたビールだし、美味しかった~。

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April 21, 2011

第405話 ミロシェビッチ

 Nozica プライベートルームでは、1階の玄関を通ると、オーナーのお婆さんと出合う→ブランデーを飲まされる、ということになるので、努めて2階の出入り口から出たり入ったりしていたが、3日目の朝、バスルームの掃除に来た彼女とパッタリ出会ってしまった。彼女の盛んな飲もうという目配せに抗し切れず、お決まりのコースになった。

 互いの言葉は10%も通じない。こちらの英語の一部分を彼女が理解し、彼女のドイツ語(多分)の極めて一部をこちらが理解する、といった非常にか細いコミュニケーションだが、互いに何とか理解しようとするところには、ちょっと意義があるようにも思えた。

 やがて彼女がアルバムを持ちだしてきた。どうやら彼女の亡くなった(多分)亭主や息子や娘たち、孫たちの写真などのようだ。恐らく以前の内戦では、旦那さんだけでなくこの中の誰かが亡くなったのだろう。写真の中を一人ずつ指差して彼女は何某か呟いている。アルバムの中にはドゥブロブニクが盛んにセルビアから砲撃された当時の生々しい写真もあった。写真を見つめながら彼女がポツリと唸った言葉は「ミロシェビッチ!」。

 セルビアにも言い分はあるだろうから、クロアチア側が一方的に被害者とも言えないかもしれない。こういうときは同情の気持ちは持ちつつも、暫く沈黙し、時間が流れるのを待つしかない。それでも彼女が写真を見つめていた時の眼差しには間違いなく憎しみが充満していたことだけはよく覚えている。

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April 15, 2011

第404話 ヌーディストビーチ

 昼飯も食ったし、船着き場あたりでコーヒーでも、と思って歩いていると、若い兄さんから声をかけられた。ボートツアーはどう?というものだ。40~50分で10ユーロだと言う。彼はこの辺をクルージングすると言いながら地図に線を引いた。!彼の書いた線はロクルム島を1周している!ここで不埒な想像が電流のようにピピッと流れた。(ロクルム島は前回の写真で奥に見えている小さな島)Photo_2

 ロクルム島と言えば、ヌーディストビーチの島じゃないか。“立派な”ヨーロピアンに混ざって貧相な日本人が粗○○を開帳しても物笑いの種にしかならないが、ボートから見る分には文句はあるまい。まだこの寒い時期にヌードで寝そべっている酔狂もいないと思いつつ、万が一ということもある、と思ってボートに乗り込む。

 ボートには他に7~8名の人達が乗っていたが、家族だったり女性同士のグループだったりで、そんな下心を隠しながら乗っている者は他にはいそうになかった。

 やがて島にボートは近づく。操縦士のとっつぁんは鼻歌を歌いながらハンドルを回す。こちらは、いつその場面に出くわしてもいいようにカメラもビデオも望遠にしてスタンバイ状態。海岸から50m位のところをボートは走っている。十分にカメラに収められる状態であった。でもついにその“場面”はやってこなかった。このくそ寒い中、冷静に考えれば当たり前である。フツーに服を着た人は数人いたが、彼女たちは季節が違えば…だったのだろうか。

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April 12, 2011

第403話 ドゥブロブニク(3)

 京都なら金閣や銀閣、鎌倉なら鶴岡八幡宮、といった具合に、どの観光地でも、来た人は必ずここを訪れる、というスポットがある。ここドゥブロブニクの場合は「城壁巡り」は必ず誰もが歩く。城壁の上が遊歩道になっていて、ぐるっと1周できるようになっている。入場料70クーナ(千円ちょっと)はちょっと高いが、ここまで来た以上やらないわけにはいかない。

 今はオフシーズンだから歩く人も少ないが、5月くらいから大勢やってくるようになり、そのため“反時計回り”の一方通行になっている。押し合いへし合いで危険でもあるからだ。何しろこの壁はかなり高く作られていて、下を見ると目眩がするほどだ。曇っているため肌寒く、歩きも早足になる。晴れていればオレンジ色の屋根と真っ青な空、これまた青い穏やかなアドリア海、感激的な風景なんだろう…。ガイドブックでは1周2時間くらいと書いてあったけど、1時間ほどで1周してしまった。Mov078_capture

 さて、昼飯。昨日のレストランの近くを通るとまた呼び止められそう。でもって、そこを避けて別の路地を歩く。メニューが外に出ているレストランの中を除くと良さげな感じ。地元の人がパンとスープだけの簡単な昼食をとっている。パンは頼まなくても勝手についてくる。で、シーフードリジョットとビールを注文。すると間もなく10人ほどの年配の日本人団体が入って来た。添乗員もついている。昼食込みのツアーのようで、添乗員が一言二言ウェイトレスさんと言葉を交わした。やがて自分のテーブルにリジョットが運ばれてきた。お~、なかなか美味しそう!団体さんの方はコース料理らしく、スープが運ばれた。でもおばちゃんたちの目は当方のリジョットに注がれている。貧しい粗食を憐れんだ目なのか、シンプルながらも美味そうという羨みの目なのか、そこまでは読み切れないが、食べ終わるまでずっと複数の視線がチラチラとこちらに届く。

パンもあるから、はっきり言ってこれでもう腹いっぱい。さーて、港の方でも行って、コーヒーでも飲むとしよう。

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April 08, 2011

第405話 ドゥブロブニク(2)

 すぐ近くに旧市街、とにかく外に出る。このプライベートルームは2階にも出入口があって、ゲストもオーナーに気兼ねすることなく、いつでも出たり入ったりすることができるのは素晴らしい。

 2分ほど下ると旧市街への門をくぐる。と、そこは中世にいきなりタイムスリップ。ここはまだ人々が普通に生活しているが、建物といい階段といい、その雰囲気に浸りきるとホント違う世界の中にいるかのよう。坂道、階段が多いので、くまなく歩くと結構疲れる。Photo

 メインストリートのプラッツア通りだけはオープンカフェが並ぶお洒落な雰囲気で、ヨーロッパ系の観光客が多い。聞こえてくる言葉には英語は少ないから、近隣の国からだろう。もう夕方も近い。通り全体が見渡せるテーブルに着きビールを飲みながら観察。東アジア系と見られる人も少なからずいる。言葉を聞いていると、中国人がやや多く、ついで日本人、フィリピンとは違って韓国人は意外と少ない。中国人は数人連れの女性が多く、日本人は圧倒的に団体が多い。どうでもいいことだが、つい悪い癖で冷静に見てしまう。さーて、どっぷり暮れてきたことだし、メシにするか。トボトボ歩いていると、何故か片言ながら日本語で声をかけられ、ふら~っとそのレストランに入った。声の主は美人の女性だったからね。誰でも同じ行動をとったはずです(キッパリ!)。

Photo_2  アドリア海に面しているわけだから、まあシーフードかな?ってことでツナステーキを頼んだが、う~ん、何とも言えん。大体において旅行ガイドブックなどでは、各地の料理を“絶品”とか言って褒めちぎる記述が鼻につくが、食べてみれば、格別どうってことないことがほとんどだ。まあ、中近東の旅行なんかに比べればビールやワインを飲めるだけでも天国だ、と思うことにしよう。

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April 03, 2011

第405話 ドゥブロブニク

 クロアチアに入ったからと言って特段に景色が変わるわけではないが、やがてアドリア海が近づいてきていると見えて、進行方向にはもう大きな起伏が見られなくなる。長い間海を見ていないので、目の前に突然現れた青い海と斜面にへばり付くオレンジ色の屋根は、もはや月並みとは思いつつ、やはり感動するものだ。実はこの感動を逃すまい、と、進行方向右側の座席に座っていたのだ。

 ドゥブロブニクまではそれから1時間ほど、バスはリアス式海岸に沿ってクネクネと走る。14時過ぎにバスターミナル到着。まずはトイレ。ボスニアもそうだが、ここでもトイレは有料で、1/2ユーロ(厳密にいくら、とは決まっていない)を支払って中に入る。おっ、ここは掃除してある!実はボスニアでは多くの場合、チップを取るくせに中は汚かった。ここは近くに両替所もあるし i もある。辺りを見回して深呼吸していると、数人のおばさん達に取り囲まれた。「ソベ」とか「プライベートルーム」とか言っている。やった、今日は買い手市場だ。おばさん達はほとんど英語は通じないが、「オールドタウンの近くのプライベートルーム」とこちらから言うと、その中の一人の初老の婦人が名乗り出てきた。地図を見せると、彼女はこの辺りだ、と指差した。値段ははっきり分らなかったが29ユーロと言っていたようだ。「OK!」ちょっと予定より高いが、そこに行くまでのアシ代も込みだし、何より場所は良さそうだ。

 彼女の孫の青年がクルマで待機していた。バスターミナルから10分とかからずに旧市街のプジェ門の前に到着。ここから歩きだという。緩い階段を1分ほど登ったところに彼女の自宅があった。こりゃ、ホント、旧市街の目の前じゃないか。いいロケーションだ。

1  お婆さんは、ウェルカムドリンクを盛んに勧めてくるが、見たところジュースではない。うっ、ブランデーじゃないの。しかもかなり甘い。どうやらお手製のようである。彼女もグビッと飲み干しているが、その飲みっぷり、どうやら酒豪かもしれない。

 客は他にはおらず、一番いい2階の角部屋を供された。お~、部屋にはベランダもついていて、そこからは旧市街も眺められるじゃないの。winkこれは悪くない。

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