April 12, 2008

第274話 ドバイ

Photo  イエメンに行くためにはドバイで乗り換えるのが一般的だ。ここは最近では高級リゾートが次々に開発され、とてもアラビアとは思えないような光景が拡がる。もっとも私には高級リゾートは然して興味の対象ではない。それと、もの凄い勢いの建設ラッシュのため上海の浦東と似たような風情で、あまり味わいは感じられない。 帰りのフライトはドバイでの待ち時間が12時間ほどあり、入国にはビザも要らないので、ちょっと街の散策に出た。

 さて、一体ここはどこの国なんだ?顔ぶれを見ると90%以上はインドかパキスタン辺りの南アジア人だ。アラビア人はほとんど見かけない。空港からゴールドスークに向かう超満員の路線バスに乗ったら、運転手さえもインド人っぽい。金持ちのアラブ人はこんなゴミゴミしたところに居らず、違うところに居るのか。

 スークの主もほとんど南アジア人。レストランもそれらの店が多く、独特のスパイスの香りがそこらじゅうから漂ってくる。ここでアラビアらしさを求めることは今や出来ないようだ。

 金曜の午後ということもあって、道路も混んでいて、タクシーもなかなかつかまらないので、ひたすら歩いた。事前にドバイでは日中1kmも歩くと暑さでぶっ倒れると聞かされていたが、まだそんな時期でなかったので助かった。この街は深く切り込んだクリークで東西が分かれていて、“アブラ”と呼ばれる渡し舟を使う。片道5分程度だが、1ディルハム(約25円)と安く、しかも周囲の景観も楽しめるので3回も乗ってしまった。クリークの中はこの渡し舟で過密状態で、ガッツンガッツンぶつかりながら走ってゆく。手すりなど無いからじっと座っているしかない。

 ゴールドスークは貴金属のショッピングが大好きな人には楽しいところだろう。歩いていても、ショーウィンドウの中のゴールドが眩しい。買い物をしようと思っていたスパイススークは金曜だからなのか、スーク全体が閉まっていた。Photo_2

 ところで、これだけのハブ空港でありながら、空港内はあまり整然としていないし、それにトイレが少なく、かつ汚い。それに乗り換え待ちの人たちがあちらこちらの通路に寝そべっていて、一昔前の京成上野駅さながらだ。ドバイ自体を目的地に再びここを訪れることはないだろう。

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April 07, 2008

第272話 トヨタ、ソニー、パナソニック

 イエメンの人たちは総じて日本贔屓だとは聞いていたが、行ってみると、確かにそうだ。いや、予想以上だ。東洋人顔だと、多くの人が「ヤバニー?」と聞いてくる。「そうだ。」と応えると、「Wellcome to Yemen!」と返ってくる。

 そういう言われて悪い気になる旅行者もいないだろう。ただ、彼らがどこまで日本のことを知って好きになってくれているのか、あまり浮かれた気になるのも考えものだ。彼らは、こちらが日本人だとわかると、「トヨタ、ソニー、パナソニック」とハンで押したようにこの三つのブランド名を連呼してくる。街を走っている乗用車の半分以上は日本の中古車だし、そのうちほぼ100%近くがトヨタ車だ。彼らはこれらの製品の性能の確かさを通じて、そういうモノを造る日本人は凄い、と思っている。必ずしも日本人の価値観や活動に共感したと言うわけではなく、我々が虚構の芸能人に憧れるのと似通っている。

 それでも、折角贔屓にしてくれているのだから、確かな日本ファンの国を増やす外交的努力をしないとすれば、なんとも勿体無い。雇ったガイド兼ドライバーは、「この道路は中国の人たちが来て作ったとか、ドイツの援助で作ったとか、いろいろ聞かされたが、日本が何かをした、という話はとうとう出てこなかった。

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April 04, 2008

第271話 世界遺産

Photo  サナアの旧市街は街全体が世界遺産に指定されている。そのことについては訪れた者は誰もが納得することだろう。築数百年といった建物に当り前のように今でも人々が住んでいる。モスクから聞こえてくるコラーンの響きを聞きながら、迷路のような路地を歩いていると、中世にタイムスリップしたかのようだ。

 私が宿泊した安ホテルも築300年の7階建てで、エレベータはなく、内部の階段も石を積んだだけの昔のままだ。午後になると乳香を焚くので厳かな香りに包まれる。部屋から外を見やると、多くの建物の窓の外に小さなデッキがついている。何のため?不思議に思いホテルのマネージャに聞いてみたら、“冷蔵庫”なんだそうだ。サナアは夜はグッと冷え込む。だから夜になると冷やしたいものを窓の外に出しておくのだそうだ。なるほど。Photo_2

 そんな折角の世界遺産も、ある一点については非常にがっかりさせられる。ゴミが多いのだ。歩きながら人々はゴミをポイポイ捨てていく。そのあたりはフィリピンと同じだ。実際に、スークの中を歩いていた時に上からフルーツの皮が降ってきたこともあった。住人が窓から捨てたのだろう。タクシーに乗っていた時には、ドライバーは飲み干したペットボトルを走行中に車外に投げ捨てていた。

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March 31, 2008

第270話 ワディ・ダハール

Photo  ワディ・ダハールはサナアから15キロと近く、手頃な見所だ。訪れた時は風が強く、少し埃っぽかったが、なかなかの威容だ。ここの小さな岩山の上に建つロックパレスは70年位前に当時のイマームの別荘として造られたらしいが、どう見ても酔狂な建物だ。

 ここはサナア市民の気軽な行楽地にもなっているらしく、訪れる人も多い(勿論、ここでも居るのは男性だけで女性の姿は見かけない)。ここでも日本人と分かるととにかく話しかけられる。屋上からのパノラマもなかなかで、居心地も悪くない。何と言ってもオネダリの少年が居ないというだけでも有り難い。

Photo_2  帰り際には変わったものを見ることができた。ジャンビアダンスと言って、彼らが腹に差しているナイフを抜いて、振りかざしながら踊るのだ。結婚式のお祝いの流れでやってきたグループが花婿を囲むようにして踊っていた(当然、花嫁の姿はない!)。さて、帰ろうとしても雇ったタクシーの運ちゃんがいない。なんと、ダンスの輪の中に入って踊っている。おいおい、仕事中じゃないのか?

 

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March 28, 2008

第269話 スーラ

 Photo サナアの街中を歩いていると、小さな子供達から声をかけられることが多い。そして「スーラ、スーラ」と言って近寄ってくる。スーラとは写真のことだ。デジカメはすぐに画像が見られることも知っていて、何回でも撮ってくれと言って催促してくる。

 一方で成人女性は写真に撮られるを極端に嫌う。街中を撮影していてたまたまアングルに入ってしまう位の場合でも、撮影に気付くと、クルッと向きを変えてしまう。お願いしても面と向かっての撮影は難しいだろう。宗教的にも偶像崇拝を禁止していることが影響しているそうだ。

 イエメン滞在中に大人の女性の素顔を見たのはたった二人である。博物館の中で働いていた女性と、空港のチェックインカウンタの女性。いずれもびっくりするくらいの美人である。大体において街中を女性が歩いていることさえ少ないし、黒ずくめのドレスからは目しか見えない。それでも、その目は何ともいえぬ深みがある。それにしてもあの全身をスッポリ覆うチャドルの下はどんな衣装なのだろう。かろうじて見える足元はサンダルやらスニーカーやらかなりカジュアルだ。

 こんな店が堂々とあるんだ、と思ったのは新市街で女性下着専門店の前を通った時だ。ちゃんと裸のマネキンがいて、下着を着けて通りから見えるように立っている。ほほう、この国でもこういうのはアリなのか。チャドルではないが、色はおしなべて黒だ。因みに見た限りでは、布地の表面積は日本の女性のそれよりも倍以上はあった、とだけ言っておこう。happy01

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March 27, 2008

第268話 女性旅行者

 アラブ地域の旅行は何かと不自由も多いのは、ある程度は仕方ないことだ。中でもサウジは別格としても、イエメンも特に女性旅行者には窮屈な環境だろう。日中はかなり暑くなる砂漠気候でも薄着で街中を歩くことは出来ない。現地の女性は黒ずくめのチャドルなしに外出することはありえず、髪や素肌は一切出すことを許されない。

 前編に登場した若者とハンマームに向かって歩いていた時に、日本人と思われる二人の若い女性と狭い路地ですれ違った。「!」(その格好やばいんじゃないか)と内心思ったが、彼も驚いた表情で、「あの服装どう思いますか?」と私に聞いてきた。「この国の文化を知らないはずは無いが、危険だね。」と私が言うと、彼は彼女達に話しかけた。「どこから来たの?いつからいるの?」そんな問いかけには彼女達は答えることもそこそこに、「私達急いでます。」と言って背を向けた。キケンなイエメン人とでも思ったのだろう。彼は憤慨した様子で「彼女達は僕を無視しようとした。誰かが注意しなければ彼女達は危ないと思って、注意しようとしたのに。」

 ここでは、欧米人の旅行者は時折見かけるが、女性の多くは顔は出すものの、首から下の素肌は出さず、髪をスカーフなどで覆っている人も多い。そんな中で半そでシャツにスカート、サンダル履きの彼女達は明らかに突出していた。彼は言っていた。「何かが起きる可能性は十分ある。」

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March 24, 2008

第267話 断崖絶壁の町

 イエメン国内を旅していると、山の上に作られている集落を数多く見かける。部族間での争いや侵略が幾度となく繰り返されてきた歴史とは無関係でないようだ。その中でもハジャラの町は標高2300メートルのまさに山の頂上に作られた集落だ。

 サナアからクルマで約2時間半、砂漠と山岳地帯の道を突っ走ると、マナハという集落にたどり着く。ここから約5キロ、山岳道路を進むと、突然目の前に異様な光景が飛び込んでくる。Photo と同時に、少年達がガイドの売り込みに猛然とやってくる。金は要らないというが、要は土産物屋につれて行き、そこで金を使わせるのだ。はっきり言って気分の良いものではないが、冷たくあしらって石を投げられたという話を聞いたこともあるので、その中の年長の少年のあとをついていった。集落の中の通路は道路と言うよりは登山路に近い。よくもまあこんなところに町を作ったものだ。畑も作れないし、水なんかもどうしたのだろう。もともとはユダヤ人が作った集落だそうだ。勿論今の住民は皆モスリムの人たちだ。

 さて、帰ろうとすると、案の定土産物屋に連れて行かれた。手を振って土産はいらないといっても、とにかくしつこい。これはどうだ、と言いながら、次々と品物を持ってくる。終いには他の子供達も売り物を持ってワイワイ集まって来る始末だ。キリが無いので案内の少年に5ドル握らせて強行突破。せっかくの歴史遺産もこれでは幻滅だ。gawk

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March 21, 2008

第266話 ハンマーム(2)

 捨てる神あれば拾う神あり。どうしたものかとトボトボ歩き始めると、見た目も爽やかな青年が「何を探しているんだ?」と聞いてきた。今度はさっきのおじさんと違って、なかなか流暢な英語だ。

「ハンマームに行こうと探しているんだけど、どこに行けばいいんですか?ハンマームといわれて来たら、そこはトイレだったし、通りの向うのハンマームは女性が出てきて入るな、と言われた。」

「ああ、ここではトイレもハンマームというし、向うのハンマーム、あなた入ったの?」

「いや、入ろうとしたら、女の人が怒った。」

「おいおい、あそこは女性専用だよ。」

…そうだったのか、女性が顔さえ見せないこの国で、女風呂になんか入れるはずは無い。道理で凄い剣幕だったわけだ。

 親切にも彼はオールドサナアホテルの近くにあるハンマームまで道案内してくれ、中に入ったらどうするか、裸になるまで付き合ってくれた。

 中に入ると、硫黄のような臭いが立ち込めていて、とにかくムンムン。汗をかきながら座っていると、恐そうな顔つきのお兄さんがやってきて、何やら特殊なグローブをはめて私の体を擦り始めた。痛くは無いが、何しろ垢がぼろぼろ取れる。俺はこんな垢だらけな人間だったのか、と思いつつ周囲を見ると、みんなの視線がどうやらこちらに集まっている。垢すりが終わるとマッサージだ。マッサージと言ってもフィリピンのように可愛い女の子がやるなどここではあり得ない。あー、またさっきの兄さんだ。いきなりアクロバットのような格好をさせられたかと思うや否や、グイッと手を引っ張って海老反りにされた。

「イテテテッ!」

痛みを感じたときのこの表現はイエメン人には奇妙だったらしく、みんなが笑いながらこっちに視線を集める。何回か同じ作業が繰り返され、そのたびに苦痛で顔がゆがむ。そして、みんながこっちを見て声をかけてくる。アラビア語だから何を言っているのか分からないが、目を見ると皆優しい目をしているから、一応は歓迎されているのかな?

 ホテルに帰り、共同トイレ(安ホテルだから専用のバスルームがない)に行くと、入口には小さなプレートに確かに“ハンマーム”と書かれていた。toilet

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March 20, 2008

第266話 ハンマーム

 旧市街に住むイエメン人の家には風呂がないのが普通だ。そこで彼らはハンマームと呼ばれる蒸し風呂に行く。ハンマームは独特のドーム型の白い屋根を持っているものが多く、目印となっている。泊っていた安ホテルの近くに見つけたので、行ってみた。

 「Oh!No,No!」と、入口で黒ずくめの女性に追い返された。???入口には小さいながらもハンマームのプレートがあるのだが。まあ、とにかく入れないようだ。近くのおじさんにハンマームは近くにあるか、聞いてみた。「あの通りを渡った向こうにある。」と言っているようだが、当方アラビア語はさっぱり分からない。一見親切そうなこのおじさんは「カム、カム」と言ってついて来いという。かれが最後に指差した建物には白いドームらしきものは無い。

「あれがハンマーム?」

「そう、ハンマームだ」

どう見ても、公衆便所じゃないか。でもハンマームだと言い張るし、入口にはハンマームと書かれたプレートもついている。どうやら風呂も便所もハンマームと呼ぶらしい。おーい、風呂のハンマームはどこなんだ~

 ちなみに一見親切そうなこのおじさんからは、しっかりチップまで要求される顛末。pout

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March 18, 2008

第265話 イエメンの道路事情

 イエメンの道路は予想していたより良い。フィリピンでは舗装して間もない道路が、数ヶ月もすれば穴があいたり陥没したり、などということも珍しくない(関係者が寄ってたかってカネを抜くため材料代が無くなる為)が、アラブ最貧国のイエメン、と言う割には道路の整備状況は良い。まず、道幅が広く、地方に出ても主な道路は全て程度の良いアスファルト舗装だ。広々とした景色も楽しめるので、ドライブだけでも楽しい。

 我が国には江戸時代以前より、主要街道には関所があったが、イエメンでは今でもそれがある。特に外国人は自由に往来することが許されず、予め相当枚数の許可証をツーリストポリスで入手しなければならない。この役所は他の官庁から離れた所にあって、本当に面倒くさいことだ。さて、首都サナアから30キロも走ると、検問所が現れる。日本人の心証は良いと見えて、運転手が「ヤバニーだ」と言えば、チラッとこちらを見るだけで「OK」となる。

 一方、交通上のマナーはどうか。これがまたフィリピンそっくり!片側4斜線の道路も渋滞の時間帯になると、大きく横に拡がる。見た限り、最大で9車列になっていた。殆んど擦る寸前まで幅寄せしてくるところも、一向に譲り合う気配がないのもフィリピンと同じだ。後ろのことは気にしないからウィンカー無しでの進路変更、これも同じだ。歩行者の道路の渡り方、これも一緒なんだな。1車線ずつ行ける所まで小刻みに渡る光景、懐かしい。驚いたことに交差点での物売り少年、これも大きな交差点には必ずいる。赤信号で止まっていると、ぼろきれをもった少年がやって来て突然窓を拭き始める。うーん、これもよく見た光景だ。

 新しい近代的な道路に未だ交通マナーが追いついていないようだ。飲酒運転”ドライバーはまずいないはずだが、カートを噛みながらの覚醒状態での運転、どうなのカナ?

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March 15, 2008

第264話 ビール!ビール!

 イエメンは敬虔なイスラムの国だから、酒類には不自由するだろうと思ってはいたが、本当にない。ホテルのお兄ちゃんに聞いてもどこにあるか知らない、と言っていた。そこらのレストランに置いてないことは分かりきっていたので、初日の夜は市内の五つ星ホテルに出向いた。

 メニュウを見てびっくり。ビールはグラス一杯で10ドル。おいおい、ここはイエメンだぞ。彼らの1日の日給の2倍じゃないか。その他の食べ物も高~い。チキンケバブとサラダとビール2杯で6千円も払った。とほほ、4泊全部でこれくらいの食事代のつもりだったのに…

 翌日は運転手兼ガイドとハジャラという町に行くことになった。彼は多少英語を喋る。まあ中学2年生の通信簿3くらいのレベルだ。彼に聞くと、ビールなら手に入ると言う。それも今日行くところの途中で買えるというじゃないか。よっしゃ~。

 峠を越えた荒涼とした処で「ここだよ」と運転手。ここだよって、小さな掘っ建小屋しかない。それでもクルマが着たので、中から胡散臭そうな男が出てきた。

「ビール?何本?今は無いから帰りにまた寄ってくれ」こんな感じだ。結局1本1500リアル(800円くらい)で3本買った。まあ、五つ星で馬鹿高い食事をしなくて済むことだけでも有り難い。

 となると今度はツマミだ。酒類を公衆の面前で飲めない以上、部屋で飲むしかない。魚肉ソーセージと昆布と煎餅くらいならあるが、旅先の夕食にはいかにも寂しい。と思いながら、道端を歩いていると、いろいろある。が、どれもベタベタと甘そうに見える。Photoそんなときに目に飛び込んだのが、中央アジア料理でお馴染みのマトンのつるし切り。これはいけそうだ。ホブスに包んだものがひとつ50リアル(約28円)。二つ買って部屋に持ち帰った。割り箸は持っている。ホブスをパックリ開き、マトンのチョップに胡椒をかけてピリ辛にしてちびちびやる。なかなか悪くない。日本酒は1.8L持っていたから、これで日々の晩酌はどうにかなった。飲むことに関して言えばホント不便。とてもイスラム教徒にはなれそうにない。 beer

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March 13, 2008

第263話 カートは凄い?

 イエメンの人たちの昼食時間は遅い。大体午後2時頃からだ。多くの店もこの時間帯になると休憩で閉めるので、スークの中でさえ閑散とする時間帯だ。そして昼食後は多くの男性はカートと言われる葉っぱをかじる。少しづつかじり、エキスは飲み込みながら、カスは口の中に溜め込んでいく。だから、次第に口の中に大量のカスが溜る。それを片側の頬の内側に集める。そうすると、片側の頬はプックリ膨れる。凄い人になると、野球のボールくらいの大きさに頬を膨らませている人もいる。

 このカート、軽い精神高揚作用があるそうで、見方によっては麻薬である。だからサウジアラビアでは非合法扱いで、見つかれば相当の厳罰があるそうだ。ここイエメンでは国を挙げてのカート栽培と言っていいほど、都市周辺部に緑が見えると思ったら、多くはカート畑だ。しかも決して安くない。小さな袋ひとつで、田舎の少年がロードサイドで売っているもので600リアル(約300円)、街中のスークで700リアル(約350円)という値段だ。

 運転手兼ガイドのアヌワル氏は昼食後は、片手はハンドル、片手はカートの袋に手を突っ込みながら運転をしている。やがて“効き目”がでてきたのか、よく喋るようになってくる。

「さあ、あんたもやりなよ。」といってカートを勧めてくるので、ちょいとかじってみた。期待もしていなかったが苦くて全く美味しくない。まあ、それでもこれも文化交流と思い、くちゃくちゃと噛み続けた。やがて彼は右手で自分の股間を指差しながら、

「カートは凄いんだ。噛んだ後で、ベーリーストロングね。」と何度も言っていた。

 ほほう、日本人はくちゃくちゃ何時間もやるほどヒマ人は少ないから、ぎゅっと搾ってドリンクにしてしまったら、どうなんだろう。でも麻薬扱いじゃちょっとヤバイのかな?などと、こちらもカートの効き目なのか、周囲の荒涼たる景色を眺めながら、良からぬ算段をするのであった。delicious

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March 11, 2008

第262話 男同士でおテテつないで

 まあ、彼らにとっては何でもない事なのかも知れないが、この光景は日本人の感性からはちょっと…。子供同士ではなく、いい年した成人である。しかもあちらこちらで見かけるのだ。流石に写真を撮るのは躊躇した。ただでさえ、写真撮影は許可を得ないといけない国柄と聞いていたし。

 男同士で手をつないで歩いている光景が見られる一方、ドバイの空港では恰幅の良さそうな男が女房を3人位従えて(当然それぞれに子供もいる)歩いている姿も何人か見た。教えによれば、女房の数に制限はないものの、4人くらいまでにしておけ、だそうだが、女のほうには複数のダンナを持つ自由は無いわけだから、当然独身男がかなりの確立で発生する。となれば、男同士で手をつなぐのも仕方ないのかな?アラブの世界ではヒゲを生やしてない方がオカマだとか聞いたことがあるが、自分も滞在中はヒゲを剃るのはやめておいた。hairsalon

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March 10, 2008

第261話 ワディ

 イエメンは北緯12度~18度付近に位置し、緯度としては熱帯である。しかし首都サナア付近の高地、アラビア海や紅海沿岸の海沿い、それと東部の砂漠地帯とで顕著に気候が異なる。今回私が滞在したのはサナアが中心だったので、気温としてはまずまず快適。朝は10度位で日中は25度くらい。

 この辺りは年間では1000ミリ以上の雨が降るそうだが、3~4月の小雨季と8~10月の本格的な雨季にしか雨が降らない。だから滞在中は毎日晴れ。ではあるのだが、砂埃がひどくて空気は黄色っぽくどんよりしている。Photo

 さて、写真の道路、何でわざわざ他の土地より掘り下げてあるのだろう。ガイド兼ドライバーのアヌワル氏に聞いてみた。

「あー、ここかい?ここはワディ(川)なんだよ。雨季はこの辺の高さまで水につかる。今は乾季だから道路として使っている。」

なるほど、川幅が道路としてもちょうどいいわけだ。そのために川底?も道路に転用できるように石畳になっている。こういう発想は日本にはないなあ。eyeglass

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March 09, 2008

第260話 アザーン

 早朝4時過ぎ。神に祈りを捧げる時間がやってくる。すると、あのアラビア独特の抑揚のアナウンスが其処かしこと聞こえてくる。自然と目が醒める。その眠りから醒めた瞬間は、自分は今アラビアにいるんだ、と実感するときだ。

 イエメンはイスラムの中でも世俗化が進んだ国が多い中、保守的なアラブの中でも戒律に厳しい国だ。聖地メッカの守護サウジアラビアは別格として、クウェートと並びアラブの伝統を残す国だそうだ。そう言うと、外国人にとって非常に息苦しい生活を強いられるのか、と言えばそれは正しくない。外国人がその土地に来たら、その国の文化や伝統を尊重するのはどこに行っても当然のこと。都市部にいる限り、治安などはフィリピンよりかなり良いと言える。経済的にはまだ貧しい国なので、何かと不自由も多いが、何と言っても首都サナアの市街地の光景は他では決して味わえない、数世紀も前にタイムスリップしたような街である。Photo_2 

 最近はフィリピン以外の話題が増えてしまったが、以後数回に亘ってイエメンの様子を紹介してみたい。airplane

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January 31, 2008

第253話(10) オエーッ食ってしまった

 今日のトップニュースの「中国製冷凍ギョウザ」。同じものではないが、上海のデパートで買った冷凍ワンタン、食べた…。安普請の肉体のせいか、何ともなかった。土産として他人にあげなくてよかった。冷凍肉まんも買ったが、こちらははっきり言って、井村屋とかヤマザキの方が美味い。

 ワンタンはスープ付きで40個で確か8元だった。そこそこ美味しかったが。紹興酒も20元かそこらのものを2本買って、とっくに飲んでしまっている。まさか不凍液とかは…。

 芝麻油とか豆板醤も買ったが、これらはまだ栓を開けてない。中国、恐るべし。

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January 26, 2008

第253話 上海(9) 麺

 蘇州。上海から約90キロ揚子江を遡る。どことなく旅情を誘う響きがある。蘇州と聞いてどんなイメージを思い浮かべるだろうか。古に思いを馳せる人なら歌の歌詞から連想されるのどかで霞んだ田園風景と水郷地帯。私もそんなイメージを持っていた。

 江蘇高速道路は上海から殆んど一直線。右も左も車窓の景色はヒジョーに単調。埃っぽい工事風景ばかり。それが今の中国だと言われればそれまでだが、退屈極まりない。(すみません。私はこの高速道路会社の株主でもあります。)

 さて、蘇州。う~ん、イメージと違う。勝手にイメージを構築していた自分がいけないのか。まず、水郷。あるにはある。が、誰も水運など使っていないし、茶色のドブ川、観光地にしたいなら、もうちょっとやり方があるだろう。

 蘇州といえば蘇州麺。ラーメン好きの私にとってはメインイベントのはずだったが、これもちょっと。あちこちのブログでは絶賛する人も少なくないが…。自分が食した店が今ひとつだったのかも知れないが、何しろコクがなく、スープは少し塩っぱいお湯のよう。この店がハズレなのか。翌日昼食に、上海市内で“麺”と表示されている大衆食堂で食べてみたが、やはり似たり寄ったり。

 そうしてみると、我が国のラーメン、かなり進化している。成田から帰宅する途中に思わずラーメン屋に立ち寄ってしまった。

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January 23, 2008

第253話 上海(8)上海蟹

 上海蟹。それほど食べたいと思ってはいなかったが、せっかく来たのだから一度くらいは、と思い行ってみた。中国を一人で歩いていると、慣れている人ならいざ知らず、一人用のバランス良いメニューが少ないため食事には案外不自由する。ホテルで聞いたら少量ずつコースで出す店があるというので行ってみた。いかにもガイドが連れてきたと言わんばかりの日本人が結構いたから、直感的に「しまった、こりゃ割高な店だな。」と思ったが、もう座ってしまったので後の祭り。

 初めて見る上海蟹。いや~小さいの何の。ワタリガニくらいの大きさだ。Photo_2 最初に出されるのは蟹爪。何しろ小さいのでしゃぶっても身なんか殆んどありゃしない。足も頼りない。テロッとしていて歯ごたえがいまひとつ。本体はどうか。ミソはまあそれなりに美味しいが、絶賛するほどではない。精子を和えた?ような一品は確かに他にはないねっとり感がある。が、ちょっとしつこい。Photo_3 接着剤を食べてるみたいだ。

 ところで、最初にビールを注文しようとしたが、盛んに紹興酒を勧めてくる。後で知ったことだが、蟹は体を冷やすので、ビールとか果物は合わないらしい。Photo_4

 1月ともなれば上海蟹のシーズンはほぼ終わりだそうだ。紹興酒1本飲んで400元近かった。はっきり言って、この値段ならまた食べたいとは思わない。タラバの方が自分としてははるかに美味しい。

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January 21, 2008

第253話 上海(7) CとH

 これは自分の常識が非常識なのか。シャワーを浴びている時のこと。湯の温度は個人の好みもあるが、ふたつある握り玉をそれぞれ回しながら調節する。我が国ではこの際、大体は左が熱湯で“H”、右は冷水だ。確かフィリピンのホテルも同じ位置関係だったかな(しばらく行ってないので自信がないが)。

 さて、宿泊したホテル。シャワーを浴びていて、何度も飛び上がった。握り玉の位置関係が逆なのだ。そう、Cが左で右にH。習慣というのは恐ろしい。しかも、フィリピンとは大違い。多くのフィリピンのホテルでは“H”を回しても当分の間(場合によってはず~っと)湯は出てこないが、ここ上海のホテルでは困ったことに、いきなり煮えたぎった湯が出てくる。シャンプーをしている時など、目が見えないから恐ろしい。

 それにしても世界標準ではCとHの並びはどうなっているのだろう。自分にとって当り前のことが全く通用しない。当り前のことを再認識させられた。

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January 18, 2008

第253話 上海(6)スモーキーマウンテン?

 どこの国でも正の部分と負の部分はあるものだ。フィリピンは確かにそれが顕著。一方の中国だって似たり寄ったり。沿岸と内陸の地域格差だけでなく、都市部でもそれなりに目に見えるものがある。

 軌道鉄道の4号線は多くのところを高架で走っている。すると色々なものがよく見える。上海はまさに再開発一色であちらこちらに更地がある。多くの人達が住む場所を追い出された、というのはニュースでも聞き及ぶが、これらの景色を見ていると、なるほど、そういうことか、と分かる。

Photo  よく見ると、所々にゴミを集めているのではないかと見られる場所がある。電車を降りて近くの立体交差から眺めてみると、そこには粗末な小屋が寄り添うように建っている。規模は小さいがどこかで見たような光景だ。ゴミそのもののリサイクルなのかゴミの中からレアメタルでも回収しているのか、興味はあったが、度胸が無く、その中に入っていくことは出来なかった…

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January 17, 2008

第253話 上海(5) ちょっと恐い交差点

 ちょっと古いイメージだと、中国の道路といえば交差点から湧き出すようにドバッと出てくる自転車なのだが、勿論上海では今はそんなことはない。交通マナーもどちらかと言えばフィリピンよりも少しマシかな、というのが正直なところだ。それでも交差点を歩いて渡る時は油断は禁物だ。

 多くの交差点ではフィリピン同様右折車はいつでも侵入できる。但しこの際のプライオリティ、歩行者と車両のどちらが優先か、となると、車両のようだ。だから、青信号だからと言って、のほほんと歩いて渡ることは出来ない。常に前後左右を気にしながら、サッサと渡らなければならない。うかうかしているとクラクションを鳴らしながら結構なスピードで突っ込んでくる。慣れないうちは怖くて人の後ろにくっついて渡った。歩道だってうかうか出来ない。オートバーがプープー鳴らしながら歩行者を蹴散らし飛んでくる。

 その点、地下鉄は椅子がプラスチックで冷たく味気ないことを除けばなかなか悪くない。チケット購入も分かりやすいし、乗り換えも困難は全く無い。スリや引ったくりに注意しろ、と言われていたが、そんな雰囲気はなかった。意外とキレイで清潔だし、そして何より安い。Photo

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January 14, 2008

第253話 上海(4)マッサージ

 何しろ短期滞在なので、歩いた歩いた。朝は7時半ごろホテルを出て、最寄の金沙江路駅まで徒歩20分。後はひたすら地下鉄と徒歩。でもって、夜宿に帰ると、足はくたくただ。

 そんな様子を見てエレベータ前の男が小さなビラをよこして、「アシ、マッサージ1000エン」と言ってきた。1000元と思った私は「高ーい、」と一言、言い残してエレベータに乗ろうとしたが、振り向いて念のためRMBでなくJP\か?と聞いたら、「ソウデス。ヤスーイ。」と言い返してきた。「それだけか?」「ソレダケデス」。うーん、それなら確かに安いし、何しろ足がパンパンだ。荷物を部屋に置き、ズボンのポケットに千円札が2~3枚入っているのを確認して最上階のラウンジに向かった。

 確かに千円だけを支払い、通された部屋で足のマッサージは小1時間ほどで終わった。すると別の女性が現れて

「トクベツノマッサージ、アル。ゼンシンノマッサージ、イチマンエン、ヤスーイ。」

(なに、やはりそーきたか)「お金なーい。」といってポケットの中を見せた。千円札が確か1枚しか無かった。

「ルームナンバーオシエテ。アトデシハライ。」

冗談じゃない。部屋にチャージしたら、チェックアウトの時、何していたのか、あの受付の女の子に分かっちゃうじゃないか。

「疲れた。眠いから帰る。」と言って、掴んでいた腕をようやく振り切ってエレベータに乗り込んだ。それにしても現金を持っていなかったのが幸い?した。

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January 11, 2008

第253話 上海(3)しつこい人達-その2

 南京東路は何しろ賑やか。夕暮れ時はネオンにも灯りがともり、なかなかいい雰囲気。と思い歩いていたら、またまた後ろから肩を叩かれた。

「シャチョウ、オンナ。カワイコイルヨ。」今度は女の客引きだ。中国で女?公安にでも捕まったら、それこそ厄介。どこかの大使館の書記官と同じになってしまう。

「女?いらないよ。」

「ドシテ?チュゴクのオンナ、ミンナニホンジンダイスキ。アナタ、チュゴクのオンナモスキデショウ?」

「あっ、そう。でもいらない。」

このオバサンもしつこかった。交差点も一緒に渡り、ひっついてくる。それにしても何でこうも狙われるんだろう。かなりドブネズミのようなみすぼらしい格好をしているのに。思い当たるふしはひとつ。凡そ写真を撮ったあとに声をかけられているのだ。いかにも、といったスポットで写真を撮る姿は、どう見ても観光客。そして彼らなりの日本人の見分け方もあるのだろう。

 

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January 10, 2008

第253話 上海(3)しつこい人達

 どこへ行っても日本人は良くも悪くも“お客さん”だ。まあカモネギと見られているのだろう。

 外灘のあの汚い川沿いを歩いていたら、横から「コンニチワ」と声をかけてくるおじさん。日本語で話しかけてくる外国人はどこでも怪しい。日本人は親切だとか、丁寧だとか何だかんだ喋りながら、無視していてもついてくる。しかもこのおっさん、何しろ起用。歩きながら何やら鋏でチョキチョキ始めた。

「コレ、アナタネ。ソックリネ。」

ちらっと見ると確かに切り絵だが、特徴をうまくつかまえている。

「いらない。頼んでない。」

「ワタシノムスメ、ニホンダイスキネ。デモ、ニホンニイクオカネスコシタリナイ。サッキノワカイヒト、コレクレタ。」

と100元札を取り出した。この間もずっと歩いたままだ。冗談じゃない、誰が払うか。

「ハンブンデモイイヨ。」

今度は立ち止まって行った。「イ・リ・マ・セ・ン」

やっと諦めたが、500メートルくらいはくっついて来ていた。やれやれ…

 

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January 08, 2008

第253話 上海(2)

 多くの人の中国のイメージは、汚い、うるさい、反日、騙される、でも4千年の歴史、中華料理、といったところか。このうち「汚い」の部分は上海でも半日もほっつき歩けば体感する。大体日本人観光客が大勢行くところはそれほど汚くない。それでもちょっと外れた路地に入り込めば“別世界”だ。

 この時期、大陸は乾季で雨は殆んど降らない。それでも裏通りにはあちらこちらに水溜りがある。歩いて行くと、道端でおばさんが魚をさばいていた。結構大きな魚だ。内臓をえぐり出しては道端にぺしゃっと捨てている。よく見りゃ、道端は魚のハラワタだらけだ。なるほど、水溜りの訳が分かった。道端に捨てられたモノを水で流しているのだろう。道理で水溜りの色が異様な色をしていたわけだ。私は嗅覚が悪いので臭いを感じないが、きっと相当な臭いなのだろう。20077_012

 別の市場(のような場所)に行けば、ここもなかなか。無残にも毛をむしり取られ、ぶら下げられているトリの下で鶏(いずれ処理される)が歩き回っていたり、その隣でペットの小鳥が囀っていたり、タライの中でのた打ち回っている大魚の隣に金魚がいたり。もうミソもクソも一緒。さらにその横で男達が昼間からどんぶりを囲んでガーガー喋っている。

 昼間見られないモノも朝早くなら見られる。ゲロ。あちらこちらに。よく下を見ないで歩くとふんでしまう。これも水で流してしまうのだろう。とにかくあちらこちらに水溜りがある訳がわかった。

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January 07, 2008

第253話 上海

 正月後半、駆け足で上海へ。実に久しぶりの中国。実は、今もっている株で日本の会社のものはひとつも無く、手持ちは全部中国株。どんな様子なのか位は、たまには見ておかないと。

 上海浦東の空港は市外から離れているからそうでもないが、市内の大気汚染は相当なものだ。天気図の概況を見ても冬晴れのはずのこの地域。何となく晴れているのは分かるが、青空とは程遠い。外灘から浦東側には幅500メートルくらいの川が横たわるが、向こう側にある高層ビル群は霞んでカメラには写らないくらいだ。聞けば北京の大気汚染はもっと凄いというから、この国の環境問題はまさに喫緊の課題だろう。でも、この空気が偏西風に乗って日本にも流れていくのだろうから、対岸の火事ではなさそうだ。

 フィリピン関連話題から外れるが、数回に亘って偏見と思い込みに満ちたレポートをしてゆく予定だ。20077_018  (写真は5・4運動の記念モニュメント。歴史が得意だった人なら覚えているだろう、「扶清滅洋」のスローガン。日本人がこんなところで写真を撮ってイチャモンつけられるんじゃないかと、小心者は遠くから写真を撮った次第。)

 

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September 28, 2007

第239話 アセアンの食材

Photo  一昨日から銀座の日本アセアンセンターでアセアン各国の食材の展示会が催されている。ぐるっと一回りしてみて、まずは訪問者の少なさ。PR不足なのか、相変わらず日本人の目は欧米に向いているのか。それでも今回はまだ日本では紹介されていないであろう食材がチョイスされているとあって興味をそそられる。

 さて、フィリピンからは3つの会社のアイテムが展示されていたが、他のアジアのものに比べて天然に近いものなので、なかなか面白そうだ。中でもココナッツビネガーは面白そうだ。tree of lifeと言われるココナッツ、ここから自然の力で半年以上かけて自然に醸造させた酢。何かご利益もありそうだ。

 残念ながら、試飲も出来なきゃ、サンプルも無い。1本買って帰ろうにも「売っているものはありません。」

ん~、展示会にしても、これじゃね。他にもツナのソーセージも食べたかったな~

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July 11, 2007

第223話 真鶴半島

 昨日の記事、場所は小田原のすぐ南に位置する真鶴だ。この半島の高台は戦時中は軍の通信施設があり、立ち入り禁止だったそうだ。そのせいか、海に突き出た細長い半島にしては緑が濃い。この緑の濃さが魚を育んでいるそうで、半島全体が「魚付の県立公園」とかに指定されているとか。Photo_14

 海岸沿いは昔ながらの漁師町といった風情だが、尾根筋の高台は最近移り住んできた人や、別荘が多い。その別荘も政財界の著名な方が多いとくるから、しっとりと落ち着いた佇まいだ。時々フラッと行ってみたくなる所だ。

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July 10, 2007

第222話 アジのバッテラ

Photo_13  自分は誰が何と言っても海より山派である。その私がこの一品で、ここの海が気に入ってしまった。写真のバッテラは最初10コほどあったものを6個ほど食べたところで撮った写真。帰りがけに地元の魚屋で買った。10個だと小食の方ならゆうに2人前。1個は大きすぎて一口には入らない。600円という値段もいかにも魚屋らしい値段だ。

 ここは東京からも然して遠くない。ここから通勤通学している方も多いと聞く。近すぎるのか、温泉がないからか、観光客は何しろ少ない。旅館の食事も文句なし。いい処みーつけた。

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April 13, 2007

第200話 パエリア

 さて、今回の渡比は約半分の時間をレイテで過ごしたので、セブでは然して時間がとれず、セシリアさんの工房で打合せたりした他は、特にこれと言ったこともできず、あっという間に終わってしまった。夜は夜で以前部下だったA氏やJ氏が食事はご馳走してくれた。思えば滞在中ディナーは自分の出費が全くゼロ。フィリピン人に食わしてもらう日本人…ちょっと情けないような気もするが。

 さて、J氏は元の会社を辞めて、今はマニラで経営者。IT系の仕事で日系の会社に食い込んだそうで、羽振りもいい。私の日程に合わせて彼もセブにやってきた。会社は忙しいようだが、今は自分が働かなくても問題ない、そうだ。セブ滞在中はこれを使ってくれ、と言って運転手つきで1台よこしてきた。

 ディナーで彼はアラノスに招待してくれた。グアダルーペに向かう途中の狭い路地の奥、全く変わっていない。何と、まだやっていたのか!かなり年配のスペイン人がオーナーだが、まだ健在で来客をもてなしていた。久しぶりの本格派パエリアだ~Photo_10

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April 09, 2007

第199話 レイテの乗合バス

 日曜日の午後、私は小田急の車内にいた。つり革につかまっていると、目の前にいた中学生と思しき女生徒から「どうぞ座ってください」。ショックだった。席を譲られるとは。丁重に断ったが。

 日本では席を譲るかどうかは本心ではない場合が多い。どういうことかと言うと、席を譲らない場合の周囲の視線を気にして席を譲ることが多い。

 さて、アナハワンからの帰りは乗合バスだ。朝7時に町を通るバスに乗らないとフェリーに間に合わない。朝も早いし、空いてるだろうとの考えは甘かった。長距離移動の人は勿論、通学のハイスクール生徒の数、半端じゃない。やっとの思いでバスに乗り込んだが乗客の荷物も多く、足の置き場などありゃしない。

 バスに乗り込んで暫くはただ立っているだけでもやっとだったのが、だんだんと身の置き方にも慣れてくる。そんな時だ。斜め後ろの席に座っていた中年の女性がここに座れと、狭い座席スペースを指差した。周りには他に乗客もいるのに何で私が?周囲の乗客もあんただよ、あんたが座るんだよ、と言わんばかりの視線だ。

 一人で乗り込んでいる外国人への配慮か、はたまた年配者と思われたのか。後者だとは絶対に思いたくない。結局このおばさんの話につき合わされヒロンゴスまで約3時間、これはこれで結構疲れた。

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April 05, 2007

第198話 ココナッツオイル(2)

 ある地元出身の衆議院議員と町長が反目する。日本ではあまり聞かない。政党や政策が違えばあるかも知れないが、フィリピンの場合はそうではないようだ。要は個人的な打算で彼らは行動する。

 M氏は仲間から資金を集め(約6Mペソだそうだ)アナハワンにココナッツオイル製造プラントを立ち上げた。さて、操業の許可には町長が一枚かんでくる。一旦許可した町長は操業が開始されると、なんだかんだ言いがかりをつけて許可の取り消しに動いたそうだ。

 M氏と南レイテ州のコングレスマンME氏は懇意にしていたが、ME氏も手を出せない。この辺りの権限の構造はよく分からない。結局M氏は「俺もビジネスの仲間に入れろ」という町長の要求を断った。ビジネスの仲間ったって町長は働くことはしない。利益の一部をよこせ、ということだ。結局M氏はプラントを放棄し、町長が引き継いだそうだ。そんな町長にまともな操業が出来るはずも無く、ギブアップした町長が放り出したところで、再びM氏が操業再開に動くことになった。

 何でもあり、のフィリピン、面目躍如といったところだ。

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