December 24, 2011

第436話 クリスマスのコンテスト

 昨夜、近所を通りかかったら、なかなか派手な電飾を施している家があった。派手ながらもセンス良く、フィリピンでのこの時期を思い出す。

 加工区内にある会社では、公式行事ではないものの、この時期になると飾り付けのコンテストが行われていた。(今でもやっているのかな??)各社が建屋や外壁に飾り付けを施し、その出来栄えを競う、という他愛もないことなのだが、そうなると、日中はまるで昼行燈そのものなのに途端に生き生きと動きまわる部長がいた。M氏である。彼は「勤務時間中にはやっていません」とは言っていたが、どんなものだか。

 確かに最後の仕上げの飾り付けを堂々と勤務時間中にやってのける者はいなかったが、その下準備の作業は我々の目の届かないところで日中にやっていたはずだ。そうでなければ一晩であの不夜城のような飾り付けなど、できるはずがない。材料費はどうなんだろう。これはもう聞くだけヤボ、ということだろう。チェックも出来ないように日常的な資材の購入に紛れていたことは間違いない。

 まあ、それでも飾り付けのでき具合は、さすがフィリピン。これだけは認めざるを得ない。

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December 10, 2009

第354話 クリスマスになると(2)

 この時期は自分が関係する部署でも数か所からクリスマスパーティの招待が来る。そうなると面倒なことがある。プレゼントの交換というのが行われるのだ。持ち寄って、くじ引きか何かでどれが当たるかわからない、そして誰が何を持ってきたのかもわからない、ということなので何を持っていっても良いのだが、何が面倒って、買いに行くのが面倒なのだ。

 シューマートかアヤラあたりで探し回って、何かを買ったとしても、それでは終わらない。今はどうなっているのかわからないが、デパートでは包装紙で包む、というサービスはない。よって次にナショナルブックセンターに行って包装紙(確かここでリボンも)を買う。次にサービスカウンターのような処に行って、包んでもらう(確か20ペソ位だったかな)。要するに品物を買う以外にカネと相当の時間がかかる。

 パーティは行って見れば、なかなか楽しい。さすがエンターテイメントの感性は我々より遙かに上を行く。だがこのようなプログラム、まさか仕事中に練っていたのかな。外壁の電飾飾り付けも業務で指図などしたことないが、いつの間に?もっとも、加工区内のどの会社も飾りつけはやっていて、どこが一番か、コンクールまでやっていた。さすがにこの時期のこの程度のことにまで目くじらを立てることはあるまい。

 

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December 02, 2009

第354話 クリスマスともなると

 クリスマスの時期になると、あちらこちらからインビテーションレターが届く。例えば、近隣の同好会のようなもの。日頃の付き合いは全くないのに、なぜだろう。これは明らかにドネーションが目的。まあ、行けば丁重に紹介されるだろうが、そうアチコチに付き合いの輪を拡げても収集がつかないことになる。

 問題は社内からのインビテーションだ。おひざ元の部門のものなら断ることはないが、他部門の、全く顔も名前も知らないグループからも招待状がバンバンやってくる。全社で3千人以上いて、製造ではライン単位でパーティをやるから、申し訳ないが、社内とは言えほとんど知らない人たちからの招待なのだ。

 フィリピンの人たちは不公平をことさら嫌がるから、どこかに出てしまうと、全部に出なければならないことになる。\もそうだ。どこかに寄付すれば、全てに寄付するハメになる。秘書のLに聞いてみた。「私を招待する目的はなんだろう?」彼女は「たぶん本当に来てほしい。だけどドネーションも多分欲しい。」

 結局、部門外のものはすべてスケジュールが取れないと言って断ったが、問題は寄付だ。招待のあったグループには500ペソくらい、とも思ったが、Lの「でも、どこかに寄付をすると、あちこちから寄付の依頼がくる」という言葉で思いとどまった。

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November 13, 2009

第352話 窃盗

 昨日、寸でのところで自転車を盗まれるところだった。クリーニング店に入って出るまでの間わずか1~2分なので、鍵はかけていなかった。店から出ると、40歳くらいの男がちょうど自転車に跨ったところだった。「その自転車、誰の?」と聞いたら、「あ、いや、間違えた、俺のじゃないや」だと。そこには他に自転車は1台もない。「間違えた」もクソもない。奴は目を合わせずポケットに手を突っ込んで、そそくさと立ち去った。

 この手の窃盗は、さすがにフィリピンだったらこちらも用心するから鍵をかけないなどということはないが、この国も油断できない世の中になった。

 セブの加工区は人やモノの出入りは厳重に管理されているから、ドロボーが簡単には侵入できないはずである。が、実態はどうか。特に工場で工事があったりすると、許可されているとはいえ、様々な人が出入りする。それでも会社のガードハウスだけでなく加工区出口でも不審な持ち物はチェックされる。でも、その会社の立地が加工区の縁に面していたなら、状況は変わってくる。

 こんなことがあった。新しい工場の建設中にブレーカーなど電機部品類がまとまって無くなった。整理が悪くて紛失、あるいは運搬中に落とした、ということもあり得るから、まずは敷地内を探させた。やがて総務部長Tが「多分どういうことになったかが分りました。見に来てください。」というので行ってみた。彼が指さしたところを見ると「なるほど」ということになった。工場は加工区内にありながらも外の一般道とは金網のフェンスで仕切られているだけである。かれが示したところは金網が破られた跡であった。恐らくは外の道路で待機している共謀者への受渡しの穴だった、ということだろう。しかもよくよく見れば、このような“穴”が他にも見つかった。個数管理していない貯蔵品など相当数がそれまでにも持ち出されていたのかも。

 人を疑ことを前提として日々を過ごすのも味気ないことだが、フィリピンに限らず、世界中どこでもそうで、自分の身(財産も)は自分で守る感性は我々日本人はことさら薄い。 

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August 18, 2008

第291話 年輩の日本人接待

 現地に駐在する日本人にとって、時々やってくる本国からの人達の接待というのも仕事の要素のひとつだ。仕事で来る出張者なら半分以上は仕事が目的だから、接待と言えば夜の接待さえしっかりやっておけば問題ない。面倒なのはそれなりの立場の方がプライベートでやって来るときだ。昼も夜ものフルアテンドになってしまうのだ。

 会社をリタイアした十数名ほどの先輩方は4泊の予定で来られた。何しろ皆年輩の方だ。到着したその日から“何か”は遠慮なく起きる。夕食に出るためにホテルのロビーで待ち合わせをしていたのだが、いつまで経っても来ない御仁が一人。部屋は二人で一部屋だから相棒がいるはず。その相棒に聞いてみた。「○○さんと一緒に部屋を出たんじゃないのですか?」「えっ、俺しらねえよ。」(おいおい…gawk)○○さんは部屋にいたまま、相棒は一人で出てきたらしい。

 セブは観光地でありながら、見所は少ない。そうなるとゴルフをやらない人はショッピングということになる。ショッピングといえば行くところも2箇所しかない。10人ほどを連れて歩くにも不安がよぎる。「いいですか、列から決して離れないでくださいね。離れてしまうと、もう見つからなくなりますよ。見たいものがあったら、声かけてください。全員で止まりますから。」と言うのもつかの間、歩き出して後ろを振り向いたら△△さんがいない。そばにいたはずの××さんに聞いた。「△△さんはどうしました?」「ありゃ、本当だ。いないねえ。どこ行っちゃったんだろう。」(お~い、他の人のことも気にしてくださいね~sad)「では、私が探しに行きますから、皆さんは絶対にここから動かないでくださいね。」△△さんは数分後に見つかった。ところが、である。戻ってみると今度はさっきの××さんがいない。誰に聞いても知らないという。(あ~もう~angry)また同じことになりそうなので今度は動かずに待つことにした。やがて××さんは何事も無かったかのようにジュースを飲みながら戻ってきた。さて、ホテルに戻るためにドライバーに電話してワゴン車を呼び、乗り込んだところで##さん。「あの~おしっこしたいんだけど…」。(…さっきトイレに寄った時、何で済まさなかったの~pout)我慢、我慢、これも仕事。

 

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August 06, 2008

第290話 感電

 二階建ての事務所の上では屋根の補修工事が行われていた。会議中に総務課長Cが血相を変えて飛び込んできた。

「事故が起きました。感電です。作業者はこれから病院に連れて行きますが、意識が無いそうです。」

え~、驚いて部屋から飛び出した。ちょうど作業者を車に乗せているところだった。総務部長のTもそこにやってきたが、現場はてんやわんやで騒然としている。少し落ち着いて、やっと居合わせた者たちから様子を聞くことが出来た。

 しゃがんで作業をしていた彼は、立ち上がりハンマーを振り上げたところ、そこにあった高圧線に当たってしまったそうだ。確かに屋根の上2メートルくらいのところに線が走っていた。日頃は屋根の上に上る者もいないし、屋根とケーブルの位置関係など気にもしていなかった。

 幸い、彼は一命を取り留めたが、足の指の火傷損傷が著しく、指は何本か切断したらしい。工事会社の所属で、会社の社員ではなかったが、治療費とかどういうことになるのだろう。総務部長に確認したが、あくまでも本人の不注意で会社には責任は無く、見舞金として1万ペソ程度支払えば一件落着だそうだ。日本人の感覚からすれば、そんなものでいいの?というのが実感だ。

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October 19, 2007

第242話 困窮邦人

 今朝の朝刊に困窮邦人が2日に一人の割合でマニラの日本大使館にやってくる、との記事があったが、今年は急増しているとか。まあ、お決まりのパターンで辿るルートだろうが、他国では見られない現象だろう。

 かなり前になるが、タランバンの山の手にあるビレッジのフィリピン人の家庭のパーティに呼ばれて行った時、そこで一人の日本人にあったことがある。年齢は55~60位。このフィリピン人の家の隣の住人だ。その邸宅はなかなか立派で、安くはない建物だ。

 この方曰く「うちの家内は片言で日本語が話せるんですが、私は英語もこっちの言葉も全く喋れませんでねえ。」

 直感ではあるが、隣に座っていた奥さんとの間も何やら涼しい感じだ。失礼ながらこの夫婦はいつまでもつだろうか、と頭をよぎった。家の名義は奥さんだろう。

 いまフィリピンでは困窮日系人の救済に陽が当たるようになってきており、様々なメディアにも取り上げられている。しかし好んで渡って行った困窮邦人に暖かい陽があたることは無さそうだ。

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October 17, 2007

第241話 理解できない神経(3)

 ガードハウスはどこの会社も概ねメインゲートにあり、その職務は侵入者の排除だ。造りは簡単で大体交番みたいな感じだが、最低限のものしか備品としては備わってなく、暑くても冷房はない。

 職位はなくなっても、給与は落とすことはできない。よって、仕事と報酬のバランスは著しく毀損するが、簡単には解雇を通知できない仕組みからは、こうでもするしかない。

 異動を申し渡した日、ある程度想定していたのか、表情ひとつ変えずにあっさりと彼は承諾した。(ふーん、そんなものなのか)

 想定外だったのはここからだ。ガードハウスには必要最低限の備品しかないはずだ。ガードハウスに移ったからといって、従来どおり部下であることには変わらない。しばらくして、そこに行った。何と控えの休憩室を自分専用の執務室に模様替えし、いままで使っていた部長用の机と椅子も持ち込んでいる。おまけにクーラーまで取り付けられている。 

 これじゃ快適すぎる。おまけに仕事はラクだ。それで給料は今までどおり。そこまで堂々とやるか。予想外の展開だったが、我々(社会保険庁の職員を除く)にはにわかに信じられない行動パターンだ。このままだと、他のマネージャからも文句が出るだろう。気の毒だがクーラーだけは外させた。

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October 11, 2007

第241話 理解できない神経(2)

 この総務部長、フィリピン流管理で良いなら、そう悪くはないマネージャだが、他のフィリピン人マネージャが日系企業のカルチャーをよく理解し、合わせようと努力しているのに比べて、ちょっと波長が異なる。例えば急ぎの仕事と家族サービス、彼は躊躇いも無く家族サービスを選び、そのように行動した。10周年式典のリハーサルも皆がほぼ徹夜で頑張っている時も彼の姿だけは無かった。

 そんな彼に不倫の噂。探偵に後をつけさせていたことも恐らく気付いていたはず。既に信頼関係は崩壊しているから、どうやって辞めさせるか、彼にしてみればどうやって居座るか、チキンレースの様相だ。表面上は業務上の実務的な指示は淡々とこなしている。ここを怠れば解雇事由が成立してしまうから、彼もそこは承知していて、ある意味手抜きはできない。それでもテーマを与えて解決するというマネジメントに彼は弱く、この部分での力不足を指摘する材料はある程度揃ってきた。

 その頃、探偵からの報告もほぼ事実をつかむ内容となっていた。さて、どうやって、あのガードハウスへの引導を渡すか。

 

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October 09, 2007

第241話 理解できない神経

 国が違えば文化が違う。文化が違えば価値観が違う。価値観とは何が重要で何はどうでもよい、そんなヒエラルキーだ。日本とフィリピン、意外となあなあの関係が通じたり、隣近所との垣根の無い付き合いがあったり、案外似たり寄ったりだ。

 それでも、どうにも理解できないことも多い。まあ相手もそう思っているだろうから、お互い様だ。そのひとつの例である。

 総務部長Tは取引先の女性マネージャとの不倫といい、甘すぎるマネジメントといい、部長としての職責を果たすのに既に難を抱えていた。かといって会社役員ではないので、簡単にクビというわけにもいかない。ましてや総務部長、この国の労働問題の法令にも長じている。そこで、参考になったのが正面にあった米系企業のやりかただ。

 Fというこの会社は責任者としてフィリピン人を置いていた。業績によって厳しく査定されていたそうだ。あるときから、この責任者がこともあろうか守衛所にいるではないか。要はいやなら自ら辞めろ、ということだ。確かに彼はやがて辞めて行ったが、日本人の感性なら、守衛所に入る前に辞めるだろう。

 弁護士に聞いても、微妙な線ではあるが、違法とは言えないという。明らかな嫌がらせは別として、必然性があるかどうかだ。そうか、それなら総務部長Tへの対処、やってみよう。

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